頭が悪くなるウィルスが発見される! 気づかず感染している可能性も


喉に生息する微生物の研究をしていたアメリカの科学者が、微かに確かに頭を悪くするとんでもないウィルスを発見したとio9が伝えました。


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この恐怖のウィルスは「Chlorovirus ATCV-1」と呼ばれるもので、池や湖、海に生息する特定の緑藻に感染増殖するDNAウィルスとして知られています。

恐ろしいことに、何百万人という人が、既にこの視覚処理や空間定位に影響を与えるウィルスに感染している可能性があるかもしれないようないというのです。

PNASに掲載された最新の研究によると、科学者は、もともと健康な人の喉の微生物を解析しており、偶然、この藻類のウィルスを発見。これらのサンプルは、認知機能の測定を含む研究に参加した人たちから得られました。

アナリストは、92人の研究参加者の内40人に藻類のウィルスのポジティブ反応が出たことを明かしています。これは衝撃的な数字と言えるでしょう。詳しく調べてみないとなんとも言えませんが、既に、数百万人が長期に渡って影響を及ぼすウィルスに感染している可能性も否定できません。

研究者は、このウィルスの感染経路を把握していませんが、感染者の中には游泳者も含まれていたことを明かしています。

ジョン・ホプキンス・メディスンのプレスリリースは、このウィルスが認知機能に影響を与えることを伝えています。

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このウィルスを持つグループは、速度と視覚処理の正確さを測るタスクで全体的に低い結果を出しました。他のタスクでは大幅に低い結果を出していない一方で、それらの数値は測定可能なほどに低かったと研究者は語っています。


例えば、ウィルス保持者は、紙に書かれた丸で囲われた数字の順に線を引くスピードを測るテストで、平均して9ポイント近くも下がり、注意力を測るテストでは、平均して7ポイントも低い数字を出しています。


ウィルスの影響を明らかにする為に、研究者たちは複数のマウスに感染させ、人間の認知機能における影響を測るのと同様に、マウス用にデザインしたセットでパフォーマンスを解析しました。すると、このウィルスに感染したマウスは、感染した人間と同じように、感染していないマウスと比較して空間定位と視覚処理に影響が出ているという結果が出たのです。


具体的には、迷路に新しく設置された入り口を認識するのが困難であったり、新しい物に注意を払うのが得意でなく、感染していないものと比較すると探索する時間が30パーセントも短く、また、注目する時間も短ければ被転導性も非常に高いということが分かりました。


研究者は、人間とマウスを直接的にリンクさせて考えることは危険だとしながらも、相似した結果が出たことは印象的だったと述べています。


また、ウィルスに感染したマウスの脳のサンプルを解析した結果、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の海馬にある複数の遺伝子の発現に変化が見られることも発見しました。


これらの変化の幾つかは、脳のドーパミンに対する脳の反応を調整する遺伝子だけでなく、免疫細胞を調節する遺伝子にも関与します。複数の遺伝子の関与の発見は、今回の研究で観察された多数の影響について説明できる可能性を持つ幾つかのメカニズムを示唆していると、研究者は語っています。


そして、人間の認知にどれくらいの影響を与えるのか、またこのような影響を起こす具体的で正確な仕組みを明確にするために、詳細な実験が必要だとも話しました。


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頭を悪くするというのも恐怖ですが、感染経路が明らかになっていないのも恐ろしい話です。もしかしたら、「以前よりもトロくなったなぁ」とか「昔より落ち着きがなくなった」なんて些細だけれど、イライラさせられることがこのウィルスが原因かもしれないということですよね...。このウィルスに感染した場合の治療法が見つかることを切に願うばかりです。

Chlorovirus ATCV-1を深く知りたい方はPNASの記事を読むことをお勧めします。


[via io9

中川真知子

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2014/11/virus-that-makes-us-less-intelligent-has-been-discover.html