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ゾンビゲームの金字塔! 初代『バイオハザード』の規制と変更の歴史
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ゾンビゲームの金字塔! 初代『バイオハザード』の規制と変更の歴史

2015-01-26 22:30
    初代 バイオハザード 移植 規制 変更


    1996年から今なお色褪せない、初代の魅力。

    『バイオハザード』は、1996年にリリースされてからというもの、今でも続く息の長いヒット作ですよね。シリーズ化で新作がどんどん出てくるのも素晴らしいのですが、第1作目が名作すぎたためなのか、色んなプラットフォーム用にも移植されまくっているのもまた、このゲームの人気が伺えます。
     


    【大きな画像や動画はこちら】

    今回はそんな初代『バイオハザード』が、移植やアップデートの度に伴った規制と変更の歴史を振り返ってみたいと思います。どれもがアメリカ版のものなのですが、皆さんの思い出に残っているバージョンはありますでしょうか? 




    ■『バイオハザード』(プレイステーション用/1996年)

    今となっては、ゲーム界のクラシック・ホラーのように感じられる、この記念すべき第1作目。リリースされた当時は、そりゃぁもうリアルなゾンビや血生臭い描写に世界がド肝を抜かれたものでした。

    しかし北米版では、オープニングのムービーが残酷過ぎるとして規制がかかり、変更を余儀なくされてしまったのです。大まかな流れは同じですが、血しぶきやジョセフが死んでいる描写などに変更が加わっています。

    こちらの動画では、規制前と後とで比較できるようになっています。



    なるほど、大きな違いはフルカラーがセピア色になっており、番犬ゾンビのケルベロスへの直接的な射撃や、血が出るシーンなどがカットされています。この辺りは暴力的過ぎるという判断が下されたのでしょうね。事件の報告も新聞紙を映すことで、上手く差し替えられています。

    さらにはクリス・レッドフィールドがタバコをふかすシーンもカットされています。アメリカでは健全な青少年たちが真似をするような影響を与えてしまうことを危惧したのでしょう。


    初代 バイオハザード 移植 規制 変更

    クリスは愛煙家だと受け入れてもらえない


    1作目を有名にした、非常に印象深いゾンビとの遭遇カットシーンもまた、日本版とアメリカ版では変更がありました。

    ここでは、S.T.A.R.S. BRAVO TEAMに所属するケネス・J・サリバンが、顔の半分を食い千切られており、もがれた首が床にボトっと落ちるシーンなのですが、アメリカではゾンビが振り返るのみとなっています。





    ■『バイオハザード ディレクターズカット』(プレイステーション用/1997年)

    その後、2作目の開発を初めからやり直さないといけなくなったので、三上真司監督による『ディレクターズカット』版が登場しました。

    カプコンは日本国外のユーザーに向けて、残虐シーンが規制されていないバージョンをリリースするはずだったのですが、開発サイドによる海外向けのローカライズに間違いが起こったため、以前に海外で出回った規制版のまま出してしまったのだそうです。

    その後、ダウンロード・コンテンツとして残虐なカットシーンが登場し、ウェブサイトで確認できる運びとなったのです。


    初代 バイオハザード 移植 規制 変更---------------------------------------
    パッケージには最初アンカットや無規制シーンが観られると書かれていたのに
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    初代 バイオハザード 移植 規制 変更

    ミスで観られないからそのくだりがカットされました


    ゲームそのものとしては、弾丸の数が倍になる「ビギナーモード」や、アイテムの置き場所などを変更して難易度を上げた「アレンジモード」、倍の弾丸数と配置換えを同時に施した通称「イージーアレンジモード」が追加され、ちょっとだけ新しいゲームプレイが楽しめるようになりました。

    それにクリスとジル、レベッカの初期コスチュームがアレンジ版、オリジナルの物に変更されていたり、カメラワークも変更、足の速いゾンビの登場。

    ハンドガンの性能が上がり「ベレッタM92FSオートマチック ワン・オブ・サウザンド」を使用するようになりました。

    他にもアレンジモードでのベストエンディングでは、「無限コルトパイソン」を入手できるようになったり、オリジナルで観られた「残虐エンディング」が廃止になったりと、ちょこちょことした変更が加えられたのです。

    しかし何よりも、1作目を気に入ったファンたちが喜んだのは、2作目の体験版が同梱されたことかもしれません。




    ■『バイオハザード ディレクターズカット:デュアルショックver.』(プレイステーション用/1998年)

    その名の通り、デュアルショックに対応したバージョンがこちら。

    最近までは、このバージョンで新しくなったBGMは例の佐村河内守さんが作曲されたことになっていましたが、現在は当時ゴーストライターとして活動されていた新垣隆さんがクレジットされているようです。

    騒動があってから振り返ってみれば、まさかこんなところにまで!? といった感じですね。




    ■『バイオハザード』(ウィンドウズ95/98用/1997年)

    一般の家庭用コンピューターにも3Dアクセラレーターカードが組み込まれるようになったおかげで、ウィンドウズ版の『バイオハザード』はグラフィック性能がちょっとだけ向上して描写されたそうです。

    この時の変更点は、クリスとジルに新たな武器とコスチュームが追加されて、暴力シーンなどはノーカットとなっています。動画もチェックしてみてください。





    ■『バイオハザード』(セガサターン用/1997年)

    初代 バイオハザード 移植 規制 変更

    Game Raveによると、グラフィック性能もかなり違うと書かれています

    知る人ぞ知る、『セガサターン』版の初代『バイオハザード』。これには『プレイステーション』版とはちょっと違う要素が有るそうです。

    たとえばS.T.A.R.S.仕様に配色が変更された「とてもカッコイイコスチューム」の追加や、ハンターが出現する地下通路にはティックスというモンスターに差し替えられています。

    それに、タイラントが2体も登場するでビックリ! となるようです。

    さらにファンの方によるサイトによりますと、「バトルゲーム」というモードではゾンビ化したウェスカーと、金色のタイラントが登場するのだとスクリーンショットまで紹介されていました。

    ついでに10分でクリアしてAランクを獲るプレイ動画もどうぞ。





    ■『biohazard』(ニンテンドーゲームキューブ用/2003年)

    この作品から『バイオハザード4』まで、タイトルの英語表記が全部小文字となりました。そして特筆しているのは、グラフィック性能の大きな向上による美しい描画。

    全部を『ニンテンドーゲームキューブ』のために作り直したとあって、『プレステ』版の経験者でもほとんど別物という感覚でプレイできる作品になったのです、

    全体を通して現代的になっており、背景画像がプリレンダリングになっていたりと、変更点はたくさん有るのですが、イントロの実写ムービーがCGに差し替えられたり、新しいエリアが加わったのも大きな変化でしょうね。当然武器やコスチュームにも変化があります。

    ゾンビに捕まった時に、自動で発動するディフェンスもまた新たな要素です。ダガーナイフや閃光手榴弾、スタンガンなどがクリスとジルそれぞれに持たされています。

    敵キャラクターでも、倒したはずのゾンビが、クリムゾン・ヘッドとして復活するのも目新しいところでした。これは部位破壊や灯油をかけて燃やさないといけない厄介なものです。

    そして洋館を設計したジョージ・トレヴァーの娘、リサもまた不死身で厄介な敵ですよね。






    ■『バイオハザード Deadly Silence』(ニンテンドーDS用/2006年)

    『プレイステーション』用に初代がリリースされてから10年の月日が経ち、改めて『ニンテンドーDS』用にも移植されました。

    やはり『ニンテンドーDS』のメイン・ユーザーが低年齢だからでしょうか、オープニングのムービーは『プレステ』版と同じく、残虐性を低めに規制されたものになっています。

    実はカプコン、1999年にこの初代『バイオハザード』を『ゲームボーイカラー』でもリリースしようと動いたことがあったのだそうです。

    その企画は未完成のまま終わってしまったのですが、後々になって巷にROMが流出してしまったとか。



    「DS」の頭文字を取ってサブタイトルが付けられたであろうこの作品。

    『プレイステーション』版よりも操作性を向上させたクラシックモード、敵の出現バランスを変更して、DSの性能を活かしたリバースモード、それにマルチプレイが楽しめるモードが備えられました。

    『ニンテンドーDS』ならではの2画面を活用してパズルを解いたり、4人のプレイヤーで協力したり出し抜いたり、倒した敵の数を競ったりという遊び方は、この携帯機以外にはできない機能です。

    タッチスクリーンを使ったプレイでは、ペンを使ってナイフを操るアクションもできます。



    一人称視点で臨場感がありますね。マイクに息を吹きかければ、ゾンビの胃液を跳ね返すアクションも追加されています。

    他にもマップやアイテム画面がリアルタイムで表示されるのも2画面独特の機能ですし、攻略にかかっている時間が表示されるのも嬉しい追加要素として受け入れられたようです。

    『バイオ3』で初登場となった180゚回転「クイックターン」が出来るのも攻略の手助けをしてくれます。




    ■『Resident Evil Archives: Resident Evil』(Wii用/2009年)

    ニンテンドーゲームキューブ用『biohazard』を、ほぼそのまま『Wii』用に移植したものです。解像度を1080pに、そして音声を5.1chサラウンド・サウンドにしたくらいしか違いはないそうです。

    基本的に北米とヨーロッパでのみリリースされたものですが、英語版のウィキペディアによりますと、日本でも限定的に『プレイステーション3』用に出す予定があると書かれています。




    ■『バイオハザード HDリマスター』(プレイステーション4、Xbox One、PC用/2015年)

    BSAA(バイオテロ対策部隊)版コスチュームの追加が決定したばかりの、初代『バイオハザード』がHDリマスターで、しかもダウンロード配信版でもゲットできるようになった2015年。

    最初のリリースから20年近くが経とうと言うのに、まだまだ破竹の勢いは止まりません。



    最近のハードウェアが、昔のものから格段に高性能になっていることもあり、各ユーザーに改めて楽しんでもらえるようになったのは良いことですよね。

    もちろん家庭用のモニターも進化しているので、従来のように4:3でも遊べますが、ワイドに16:9でも楽しむことができるようになりました。

    ちなみに、表示しきれない背景部分は、プレイヤーの移動に合わせて上下にスクロールするという親切設計。



    ほかにも、原作と同じ感覚でプレイできるオリジナル操作はそのままに、アナログスティックを倒した方向へ移動できるアレンジ操作も選択可能。

    日本語吹き替え音声(クリス:東地宏樹氏、ジル:湯屋敦子氏、ウェスカー:中田譲治氏、バリー:屋良有作氏、レベッカ:小清水亜美氏)が新たに追加され、音声もサンプリングレートをアップし、リマスタリングしていますし、もちろん5.1chでの出力にも対応しています。

    過去のバイオハザードシリーズの特典として制作された『ウェスカーズリポートI&II』をリマスター収録しており、完全再編集された「ウェスカーズリポート Ⅰ」では15分以上の映像がお楽しみいただけます。

    これはウェスカーの音声ナレーションに沿って、ゲームでは語られていないシリーズを通した舞台の裏側を知る事が出来る特別映像。「ウェスカーズリポート Ⅱ」を選ぶと、全30ページ以上に及ぶ長編読み物が登場。ウェスカーの日誌形式で語られる、洋館事件に纏わる闇の深淵が垣間見れる特別読み物となっています。




    過去20年近くでこんなにも移植版やリマスター版が派生した、ホラーゲームの金字塔『バイオハザード』。こうした事例を振り返ってみますと、この先20年後でもまだ少しずつ違った形でリリースされ続けそうですよね。

    『バイオハザード7』もそろそろでは? というが聞こえてくる昨今ですが、これから数十年の内に初代同様『~2』から『~6』までのリマスター版なども登場したりしたら、コレクターは大変なことになりそうです。


    資料:Project UmbrellaResident Evil wikiカプコン公式サイト

    How The First Resident Evil's Been Censored And Changed Since 1996[Kotaku]

    岡本玄介

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2015/01/how-the-first-resident-evils-been-censored-and-changed.html
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