これまでにも「映画史上最高の格闘シーン10選」や「映画史上最も珍妙な格闘シーン27戦」といったリストをお届けしてきました、今回は「なるべく広く選んだ映画史上最高の格闘シーン15選」をご紹介します。
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以前のリストと被っているものや、「これは違うのでは? 」というものもあるかもしれませんが、今回のリストをまとめた米Kotakuによると、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ドニー・イェンやジェット・リーといった有名アクション俳優のシーンばかりに偏らないように、なるべく幅広い目線で集めたとのことです。
なお、一部ネタバレが含まれているので、ご注意ください。
■『影なき狙撃者』(1962年)
ハリウッドで初めて空手ファイトが使われた映画として知られる『影なき狙撃者』。観客はこのシーンに度肝を抜かしました。そして、後年に公開された『ベスト・キッド』同様、多くの映画ファンが空手を習いに行ったのです。
この格闘シーンは現代のものと比較すると、スピードも感じられなければリズムもありません。しかし、それだけにリアルで生々しいのです。
ちなみに、フランク・シナトラはこのシーンで誤って本物の机を叩き、小指を骨折しています。
■『座頭市血煙り街道』(1967年)
座頭市シリーズ至上最高と言われているのが、この対決シーン。また、これを見れば勝新太郎がどうして高く評価されているのかがお分りいただけると思います。
■『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)
ブルース・リーはその短いキャリアの中で、多くの名格闘シーンを残しました。どれも等しく素晴らしいため、「ベスト」を選ぶのは至難の技ですが、このリストでは『ドラゴン 怒りの鉄拳』の道場破りシーンが選ばれています。
1994年にジェット・リーが製作・主演で本作を『フィスト・オブ・レジェンド 怒りの鉄拳』という名でリメイクしていますが、その作品で見せたリーの演技も見応えがあります。
■『直撃! 地獄拳』(1974年)
日本が誇る映画スター、千葉真一がシャツと蝶ネクタイ姿で戦う本作。
海外の著名人からも熱烈なアプローチを受ける千葉真一のアクションは、その切れ味と多彩な技だけに限らず、熊との戦いやレントゲンパンチといったユーモアも持ち合わせています。
■『片腕カンフー対空とぶギロチン』(1976年)
クエンティン・タランティーノ監督の大のお気に入り作品として一気に知名度が上がった本作。
ジミー・ウォングが監督、脚本しているだけでなく、主役の片腕ドラゴンも演じ、後に『ストリート・ファイター』シリーズのダルシムに影響を与えることとなる敵・ダラシンと戦っています。
■『燃えよデブゴン7』(1979年)
ジャッキー・チェンの代表作が『酔拳』なら、サモ・ハン・キンポーの代表作は『燃えよデブゴン』シリーズでしょう。中でも、ユエン・ウーピン監督がメガホンを取った本作でのサモ・ハンの戦いは最高です。
■『スパルタンX』(1984年)
ブルース・リー同様、名アクションシーンを数多く生み出したジャッキー・チェンも「最高」を選ぶのが非常に難しいスターです。
しかし、どうしても選ばないといけないというならば、ジャッキー自身も「ファイティング・トップ10」の1位に選んでいる『スパルタンX』でのベニー・ユキーテとの戦いでしょう。他のジャッキーの格闘シーンとは異なり、道具をほとんど登場させず、お互いが持つ本物のスキルにだけ頼った戦いを見せます。
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(1992年)
素晴らしいマーシャルアーツというだけでなく、竹竿を使った動きがポイントです。
■『グリーン・デスティニー』(2000年)
『いつか晴れた日に』や『恋人たちの食卓』のアン・リー監督が、このような美しくも激しい格闘シーンを撮れると誰が予測できたでしょうか?
■『英雄(HERO)』(2002年)
疑いもなく、最も美しい格闘シーンの一つでしょう。
■『キル・ビル』(2003年)
特殊効果やワイヤ、カメラトリックが多用されていますが、本リストに入れるのに十分なほど見応えがあり、スタイリッシュかつ激しいシーンとなっています。
なお、ユマ・サーマンに刀で突き刺されるクレイジー88の構成員役を演じたのは、千葉真一と野際陽子の娘である真瀬樹里です。
■『マトリックス リローデッド』(2003年)
ネオが鉄パイプ無双し、エージェント・スミスが飴に群がる蟻のごとくワラワラと次から次へとやってくるあのシーンではありません。個々の敵キャラがハッキリしていて、アクションを追うのが簡単な方のシーンです。
テンポが良く、振り付けもよく練られています。ワイヤでわざとらしく吹っ飛ぶのがイマイチですが、『マトリックス』シリーズのお決まりなので、良しとしましょう。
■『トム・ヤム・クン!』(2005年)
トニー・ジャーの約4分に渡る長回しアクションシーンは圧巻そのもの。セットの修復が必要となるため、撮り直しは1日に2回が上限だったそうです。
■『イップ・マン 序章』(2008年)
ドニー・イェンが詠春拳を使って複数の黒帯の空手家を叩きのめすシーン。イェンによると、内なる怒りと家族の元に帰るという生きる意志を同時に表現しなくてはならず、一番苦労したシーンなのだとか。
■『ザ・レイド』(2011年)
狭い廊下でこれでもかと強さを炸裂させるシーン。本作は『オールド・ボーイ』と比較されますが、大きな違いは『オールド・ボーイ』は力と凶暴さの格闘で、『ザ・レイド』はダーティーさとマーシャルアーツの要素がより強いところではないでしょうか。そして、身の回りにあるものを利用する点では、ジャッキー・チェンの影響も強いです。
■おまけ
上の15選のほかに、コメント欄で挙げられていたオススメの格闘シーンをご紹介。
チャウ シンチーの『カンフーハッスル』
ドニー・イェンの『SPL/狼よ静かに死ね』その1
ドニー・イェンの『SPL/狼よ静かに死ね』その2
ウー・ジンの『拳陣 FATAL CONTACT』
[via Kotaku]
(中川真知子)
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