・ポルトガル最終日

 本日はポルトガル最終日。昨日あたりからようやく体調が戻りました。前号は頭がふらふらした状態で書いていたので、今読み返すとちょっとひどい文章になっていますね...。ああ、前号を削除したい。と思っても消せないのがメルマガの痛いところでもあります。

 さて、10日近く滞在していて気付いたポルトガルの良いところは、やはり食事ですね。揚げ物とか菓子パンとか少しヘビーなものが多い気もしますが、日本人の舌に合った味付けの料理が多いです。値段も安い。エクレアとかのケーキが75セントです。

 今回は残念ながら行けなかったリスボン、日本の消臭力のCMのロケ地になっているとかで、知名度が上がっているようですが、次回は絶対に訪れたいと思います。クマムシシンポジウムの余韻に浸りながら、これからフランスに戻ります。

世界のクマムシ研究グループその2

 今号は世界のクマムシ研究グループその2、スウェーデンのグループについてご紹介します。

 このグループの中心人物は、ルンド大学のインゲマー・イェンソン准教授。主に扱っているクマムシ種は、クマムシで最大の種のツメカザリチョウメイムシです。同種は体長が1ミリメートルくらいあります。

 彼は2000年頃からクマムシの乾眠についての生態生理学的な仕事を発表し始め、2005年あたりからはクマムシの放射線耐性の研究をはじめています。2008年にクマムシが宇宙空間で生き延びたこと発表しましたが、これもこのグループと欧州宇宙機構ESAの共同研究によるものです。

 イェンソン氏も僕も、クマムシについての生態学的研究からスタートして放射線耐性や宇宙生物学的研究に移行しているという点で、クマムシキャリアが非常に似ています。彼と僕は研究内容が非常にかぶっており、お互いにライバル関係にあります。

 そんなライバルのイェンソン氏には、単なるライバルとは思えないような不思議な因縁も感じます。

 僕がクマムシの放射線耐性の研究をしようと思いついたのは2004年だったのですが、1964年からそれまでの50年間は誰一人としてクマムシの放射線耐性の研究をした人はいませんでした。ところが、僕がクマムシの放射線耐性研究の実験データをそろそろまとめようと思っていた2005年に、突如としてイェンソン氏らがクマムシの放射線耐性の研究論文をInternational Journal of Radiation Biologyという雑誌に発表したのです。