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・クマムシさんの展開
抽選販売した薄毛ぬいぐるみファクトリー作のクマムシさんのプレミアムぬいぐるみ、ようやく当選したみなさまにお届けすることができました。受け取った方々から喜びの声をいただき、とても感動しています。クマムシさんのぬいぐるみ、今年末に一般販売を開始する予定ですので、ぜひ皆様に引き取って可愛がってもらえればと思っています。
クマムシさんを展開するにあたり、協力していただける仲間がだんだん増えてきました。これから加速的にクマムシさんを広めて行き、来年には国内で一大ブームを巻き起こせればとたくらんでおります。
とりあえず近いうちにクマムシさんとファンとの交流をもちたいですね。オンラインでのバーチャルでも、リアルでも。リアルでのイベントって難しいけど、やりようはある気がします。その前に、まずはクマムシさんにtwitterで人生相談をやってもらおうと思います。人生にお悩みの方は、なんでもクマムシ
さん@kumamushisanに聞いてみてください。
きっと、適当なアドバイスが返ってきますので。
★クマムシ研究日誌「クマムシと橋本聖子における共通点についての考察」
アメリカから帰ってきてから、東先生と修士論文のデータについて話し合った。
しかし、クマムシシンポジウムで発表した内容を広げていきたい、というこちらの意向は東先生によって完全に却下された。これでは修士論文として認められるようなクオリティではない、ということだった。
このときに初めて、自分の研究内容に対する客観的評価が、いかにできていなかったかを思い知らされたのだった。
これまでに取ってきたデータが使えないということは、これから新たにテーマを設定して実験をしなくてはならないことを意味する。このとき、すでに修士課程二年目の9月だった。修士論文提出まで4ヶ月ほどしか、時間がない。必至になって再度文献を読み返し、東先生を納得させられるだけのネタを考えた。
そして、クマムシのひとつの能力が気になった。それは、凍眠(クライオバイオシス)とう能力である。分かりやすくいえば、凍結に耐えられる能力のことだ。
南極や極域に棲むクマムシは、液体窒素のマイナス196度などで凍っても生存できることが分かっていた。ちなみに乾燥した乾眠状態ではなく、活動状態のクマムシが、である。
通常、生物が耐えられる温度範囲は、周囲の環境温度によって決まる。これは、環境温度が非常に強力な淘汰圧になるためである。寒い場所には低い温度に適応した生物が、暑い場所には高い温度に適応した生物が棲んでいるのだ。
しかし寒い場所に適応した生物、とりわけ動物では、環境温度の下限よりもはるかに低い温度にさらされると死んでしまう。
ところが、クマムシでは地球上に存在しないようなマイナス200度で凍っても生存できる。オーバースペックな凍結耐性もつわけだ。このクマムシのオーバースペックな低温耐性を、他の生物の凍結耐性とは区別して凍眠とよぶようになった。より正確な凍眠の定義は、クマムシのクリプトバイオシスのうち、低温で誘導される仮死状態である。
クマムシのクリプトバイオシス
さて、なぜクマムシはこのようなオーバースペック凍結耐性をもつのだろうか?そんな疑問を解決する鍵が、別の文献に書かれていた。
その文献は、凍結と乾燥が生物に及ぼす影響について解説したものだった。実は凍結と乾燥は、両方とも細胞内からの脱水を引き起こす。つまり、凍結耐性も乾燥耐性も細胞からの脱水に耐える共通のメカニズムがあると思われるのだ。
そこで、次のような仮説を立てた。クマムシは陸に進出する過程で高い乾燥耐性、つまり乾眠能力を獲得した。そしてその乾燥耐性のメカニズムが、凍結耐性のメカニズムにも応用されているのだろう、と。つまり、クマムシの凍結耐性は寒い環境に適応した結果ではなく、乾燥に適応したおまけとして、凍結耐性も同時に獲得したものと考えたのだ。
これは、アイススケートの練習を一生懸命した選手が、アイススケートだけでなく、自転車競技でも一流の成果を残してしまう現象と似ている。アイススケートと自転車競技では、共通の筋肉が効果的に使われているのだ。
抽選販売した薄毛ぬいぐるみファクトリー作のクマムシさんのプレミアムぬいぐるみ、ようやく当選したみなさまにお届けすることができました。受け取った方々から喜びの声をいただき、とても感動しています。クマムシさんのぬいぐるみ、今年末に一般販売を開始する予定ですので、ぜひ皆様に引き取って可愛がってもらえればと思っています。
クマムシさんを展開するにあたり、協力していただける仲間がだんだん増えてきました。これから加速的にクマムシさんを広めて行き、来年には国内で一大ブームを巻き起こせればとたくらんでおります。
とりあえず近いうちにクマムシさんとファンとの交流をもちたいですね。オンラインでのバーチャルでも、リアルでも。リアルでのイベントって難しいけど、やりようはある気がします。その前に、まずはクマムシさんにtwitterで人生相談をやってもらおうと思います。人生にお悩みの方は、なんでもクマムシ
さん@kumamushisanに聞いてみてください。
きっと、適当なアドバイスが返ってきますので。
★クマムシ研究日誌「クマムシと橋本聖子における共通点についての考察」
アメリカから帰ってきてから、東先生と修士論文のデータについて話し合った。
しかし、クマムシシンポジウムで発表した内容を広げていきたい、というこちらの意向は東先生によって完全に却下された。これでは修士論文として認められるようなクオリティではない、ということだった。
このときに初めて、自分の研究内容に対する客観的評価が、いかにできていなかったかを思い知らされたのだった。
これまでに取ってきたデータが使えないということは、これから新たにテーマを設定して実験をしなくてはならないことを意味する。このとき、すでに修士課程二年目の9月だった。修士論文提出まで4ヶ月ほどしか、時間がない。必至になって再度文献を読み返し、東先生を納得させられるだけのネタを考えた。
そして、クマムシのひとつの能力が気になった。それは、凍眠(クライオバイオシス)とう能力である。分かりやすくいえば、凍結に耐えられる能力のことだ。
南極や極域に棲むクマムシは、液体窒素のマイナス196度などで凍っても生存できることが分かっていた。ちなみに乾燥した乾眠状態ではなく、活動状態のクマムシが、である。
通常、生物が耐えられる温度範囲は、周囲の環境温度によって決まる。これは、環境温度が非常に強力な淘汰圧になるためである。寒い場所には低い温度に適応した生物が、暑い場所には高い温度に適応した生物が棲んでいるのだ。
しかし寒い場所に適応した生物、とりわけ動物では、環境温度の下限よりもはるかに低い温度にさらされると死んでしまう。
ところが、クマムシでは地球上に存在しないようなマイナス200度で凍っても生存できる。オーバースペックな凍結耐性もつわけだ。このクマムシのオーバースペックな低温耐性を、他の生物の凍結耐性とは区別して凍眠とよぶようになった。より正確な凍眠の定義は、クマムシのクリプトバイオシスのうち、低温で誘導される仮死状態である。
クマムシのクリプトバイオシス
さて、なぜクマムシはこのようなオーバースペック凍結耐性をもつのだろうか?そんな疑問を解決する鍵が、別の文献に書かれていた。
その文献は、凍結と乾燥が生物に及ぼす影響について解説したものだった。実は凍結と乾燥は、両方とも細胞内からの脱水を引き起こす。つまり、凍結耐性も乾燥耐性も細胞からの脱水に耐える共通のメカニズムがあると思われるのだ。
そこで、次のような仮説を立てた。クマムシは陸に進出する過程で高い乾燥耐性、つまり乾眠能力を獲得した。そしてその乾燥耐性のメカニズムが、凍結耐性のメカニズムにも応用されているのだろう、と。つまり、クマムシの凍結耐性は寒い環境に適応した結果ではなく、乾燥に適応したおまけとして、凍結耐性も同時に獲得したものと考えたのだ。
これは、アイススケートの練習を一生懸命した選手が、アイススケートだけでなく、自転車競技でも一流の成果を残してしまう現象と似ている。アイススケートと自転車競技では、共通の筋肉が効果的に使われているのだ。
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