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国家戦略特区法案審議入り、地域底上げ型の政策が必要
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国家戦略特区法案審議入り、地域底上げ型の政策が必要

2013-11-12 17:30

    畑浩治総合政策会議議長 衆議院本会議質問(2013年11月8日)

    20131108衆院本会議(畑)

    衆議院本会議にて、新藤義孝担当大臣より「国家戦略特別区域法案」について趣旨説明があり、これに対して生活の党からは畑浩治総合政策会議議長が代表して質問に立ちました。
    質疑全文は以下の通りです。

    【質疑全文】

    生活の党の畑浩治でございます。生活の党を代表して、ただ今議題となりました「国家戦略特別区域法案」に対して質問をいたします。

    国民生活の向上に結びつく適切な規制改革を推進することは当然のことであります。ただし、これまで15年を超えるデフレの原因は国内の需要が乏しかったこと、すなわち、供給力に比して需要が少ないというデフレギャップにありました。国内需要を高めることこそ必要です。一方、特区は、構造改革の手段であり規制を緩和・撤廃して競争を促進し供給能力を強化する施策であります。現にこの間構造改革特区及び総合特区施策が講じられてきましたが、経済成長及びデフレ脱却に役立ったという事実はありません。今回の国家戦略特区はこれまでの特区施策の効果をどのように検証した上でのことかお答えください。

    併せて、総合特区制度において、国際戦略総合特区があり、この特区制度により本法案の狙いとするものは達成できると思われますが、これによらず国家戦略特区という新たな特区制度を構築しようとする理由をお答え下さい。

    私は、特区を作り外国の投資を呼び込み、グローバルな大都市の国際競争力を高めなければ日本が立ちゆかない、東京を強くしなければ日本がダメになるという発想には強く違和感を感じています。そのような発想は、発展途上国型経済の発想です。一部の大都市は良くなるかもしれませんが、そこだけが成長しても、その効果は地方に及ばずに、都市と地方の格差が開くことが危惧されます。むしろ、地域の発想を生かした地域底上げ型の政策が必要だと考えますがいかがでしょうか。

    本特区関連法案等に盛り込まれる規制の特例措置の内容にかんがみれば、今後さらに抜本的な規制改革を推進する観点から新たな募集を行い、新たな規制の特例措置を講じていく必要がある場合も想定されます。本法案第5条第7項には、「内閣総理大臣は必要があると認めるときは、提案の募集を行うものとする。」と規定してあるのみであり、提案に対する応答義務の規定はありません。今後、新たな規制緩和の特例措置を積極的に講じていくべきであり、どのような方針の下で提案募集を行い、どのような検討体制の下で、さらなる規制緩和を講じていこうとお考えか伺います。

    さらに、国家戦略特区制度で行われる施策については、その効果を検証しつつ全国的に広げて行われるべきものもあると思われます。本制度で実施された施策を全国的な一般制度として広げるお考えはありますか。

    そもそも、国家的に必要な規制改革であれば、国家戦略特区という形ではなく、全国的な規制改革を当初から行う仕組みを構築すべきだと考えます。このことが日本全体の発展という面では効果的であるとともに、地方が大都市圏と競争上不利となることを防ぐことにもなります。この点いかがお考えでしょうか。

    本法案において、国家戦略特区の進め方のスキームの適正さにおいてかなり疑念の残る部分があります。それは、国家戦略特別区域諮問会議において議員として民間有識者が入ることになっている点と国家戦略特別区域会議において内閣総理大臣が選定した民間事業者が入ることになっている点です。もとより民間有識者等の意見を聞く事は必要なことでありますが、この有識者や事業者が日頃主張している自らの事業分野に係る規制緩和を提案して自ら審議するという自作自演ともいうべき事態が発生しかねません。派遣業を行うものが労働者派遣規制の規制緩和の議論に参画するとか、解雇規制に係る規制緩和の議論に経営者団体の者が参画するような場合です。このようなものが自分の関係する分野について規制緩和の議論、提案を行うとすれば利益誘導ともなりかねません。このような自己の利害に関係する場合には、そのような民間有識者、民間事業者を選定すべきではないと考えます。この選定方針について、本法案上どのように規定され担保されるのでしょうか。

    我々は、国民生活の向上に資する規制改革は適切に推進していくべきだという立場に立っています。本法案がそのようなものとなっているかどうか慎重かつ厳密に審議していくことを申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。

     

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