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特定秘密保護法案審議入り、民主主義の危機を招くと批判
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特定秘密保護法案審議入り、民主主義の危機を招くと批判

2013-11-12 17:00

    村上史好国対委員長代理 衆議院本会議質問(2013年11月7日)

    20131107衆院本会議(村上)

    衆議院本会議にて森雅子担当大臣より「特定秘密の保護に関する法律案(特定秘密保護法案)」、そして民主党提出の「行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(情報公開法改正案)」について趣旨説明が行われ、これらに対し、生活の党を代表して村上史好国会対策委員長代理が質問しました。
    質疑全文は以下の通りです。

    【質疑全文】

    生活の党の村上ふみよしです。
    私は生活の党を代表して、ただ今議論となりました「特定秘密の保護に関する法律案」「情報公開法改正案」に対して質問をいたします。
    「特定秘密保護法」は、国民世論の60パーセント以上がこの法律に反対であります。また、法曹界からは憲法違反の疑義が指摘され、報道・出版界からは報道の自由・取材の自由が侵害されると抗議の声が上がっております。
    さらに、与党内からも国民の知る権利を著しく制約することへの懸念が表明され、自民党内には「先にやるべきことがあるのに、なぜ安倍総理の趣味をやるのか」と発言される良識ある議員もおられます。

    本来、このような国民の基本的人権を制約するような法案、世論を二分するような法案は、世論の成熟を待って提案されるべき法案です。
    なぜ、安倍総理はこのような多くの国民の懸念や反対を押してまで、この法案を強引に通そうとされるのか?また、この国民世論、懸念をどう受け止めておられるのか?まず伺います。

    本来、国家機密に触れる立場、知りえる立場の者は、政府関係者及び関係省庁の官僚です。従って、秘密を漏えいする可能性があるのは行政側の問題です。要するに、機密漏えい問題は、政権による官僚組織へのガバナンスの問題といえます。
    何も「国民の知る権利」や「報道の自由」を制約するような法律を作らなくても「自衛隊法」や「国家公務員法」などの関係法令の改正・強化で十分対応できるのではないでしょうか。
    なぜ、安倍総理は既存の法令の改正ではなく、新法にこだわるのか?民主主義の根幹を揺るがすような多くの危険を孕んだ新法でなければならない理由は何でしょうか?お答えください。

    本案の第二十一条(この法律の解釈適用)で、国民の知る権利の保障、報道又は取材の自由への配慮、をわざわざ書き込まなければならないこと自体、この法案が、極めて危ういということを自ら示しています。
    「国民の知る権利」は憲法が保障する基本的人権であります。「特定秘密」との関係で、「知る権利」に軸足を置くのか「特定秘密の保護」に軸足を置くのか、その基本スタンスが問われます。
    安倍総理は、どちらに軸足を置いておられるのか、お答えください。併せて、「情報は誰のものか」という基本的な認識について、お考えをお聞かせください。

    いうまでもなく、国会は国権の最高機関であり、議員は国民の代表であります。ところが、本法案の第十条によれば、国会が特定秘密の提供を受けられるのは、「特定秘密を利用し、または知る者の範囲を制限すること、当該業務以外の当該特定秘密が利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し、または知る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置」が講じられ、かつ、行政機関の長が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき」に限られており、しかも、これらの要件を満たした場合でも、提出するかどうかは行政機関の長の裁量に委ねられております。
    このような制度では、国会審議が行政府にコントロールされる恐れがあるのではないでしょうか。
    また、国会が講ずべき措置について行政府が規定するのは、越権行為であり、三権分立の観点から問題があるのは明白です。
    これは、民主主義、三権分立の基本にかかわる重大問題です。安倍総理のご見解を伺います。

    安倍総理は、先の参議院予算委員会で「閣僚は特定秘密の指定と解除の権限がある。政権交代で新閣僚が誕生すれば、改めてその適否を判断することもありうる」と答弁されました。
    政権交代によって指定と解除が繰り返されるようでは、特定秘密の指定の統一基準が有っても無いに等しく、特定秘密の範囲・指定が時の権力者によって恣意的になる懸念を裏付けるものではないでしょうか。
    さらには、政治家には政権交代や内閣改造による異動があります。
    そこで、常に残っているのは官僚であり、特定秘密を官僚が独占する危険性があります。
    政権交代時における、「特定秘密」の引き継ぎ、指定の取り消し等についてのルールの必要性、ルールの確立について、改めて総理のご認識を伺います。

    国家の安全保障に関する重大な情報を厳重に管理することは、国家の存立にかかわる重要な課題であり、機密が必要な限りにおいて、守られていなければならないことを、否定するものではありません。
    しかし、国家の安全保障と国民生活の安心安全のために特定秘密を保護するという名目で、国民の基本的人権を制約し、民主主義の危機を招くような法案であってはならない、という立場であります。

    特定秘密をはじめ、すべての情報は時間の経過を含め公開が原則です。この原則の上にこそ秘密が守られるということを申し上げ、併せて、徹底審議を求め、私の質問を終わります。

     

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