衆議院本会議討論(2013年12月6日)
衆議院本会議にて、安倍政権の強権的な国会運営に対し内閣不信任決議案が提出され、討論が行われました。生活の党を代表して鈴木克昌代表代行・幹事長が賛成の立場から登壇しました。賛成討論全文は以下の通りです。
【賛成討論全文】
私は、生活の党を代表して、安倍内閣不信任決議案に賛成の立場から討論いたします。
これから参議院本会議での採決を強行しようとしている特定秘密保護法案には、国民世論の多くが反対であります。
法曹界からは、憲法違反の疑義が指摘され、報道、出版界からは、報道、取材の自由が侵害されるとの抗議の声が上がっています。
しかし、安倍内閣と与党は、昨日、参議院特別委員会において、こうした不安、懸念、疑念を抱く国民の世論を踏まえ、慎重かつ丁寧に時間をかけた徹底審議を求めていた野党議員の声を無視して、衆議院に続いて、参議院においても、特定秘密保護法案の採決を強行いたしました。
与党が、数の力で、こうした国民の声を封じ、採決を強行したことは、極めて遺憾であり、断じて容認できるものではありません。このような議会制民主主義を否定する国会運営を主導した安倍内閣の責任は、極めて重いと言わざるを得ません。
特定秘密保護法案については、戦前の治安維持法よりもさらに基本的人権を侵害するおそれがあると言われるほど問題があることから、徹底的に審議を尽くさなければなりません。
基本的人権にかかわる制度をつくるときには、とりわけ慎重に、その侵害を防ぐことができるような配慮が必要であります。
しかし、森担当大臣のぶれた発言からも、また、与党も容認した修正条項の多さからしても、本法律案の雑でいいかげんな内容は、明らかであります。
にもかかわらず、国民の代表として、国政を信託され、行政をリードするはずの安倍内閣と与党は、官僚主導を強化し、国会の権能を弱め、国民の基本的人権さえないがしろにする同法案を強行に採決しました。
なぜこんなに急ぐのでありましょうか。巨大与党のおごりであるばかりか、憲政史上に大きな汚点を残す乱暴きわまりない国会運営は、余りにもひどい。
これまで、ねじれ国会が、何か、決められない政治の元凶だと、悪い政治の例えと言って参議院の与党勝利に結びつけてきたが、本当にそうなのでしょうか。
民主主義は、適正な手続と、少数意見の反映、説得が根幹。むしろ、自民党一強体制こそ、いかに国民の目と耳を塞ぎ、独善に道を開く危険な政治体制であるかということを示したものと言わざるを得ません。我々野党の責任はますます重くなっており、安倍内閣を信任するわけにはまいりません。
国民の代表たる国会議員が、多くの国民の心配の声を無視して、慎重な審議を行い議論が尽くされるよう努めるべきみずからの使命を果たさないで採決を強行するのは、まさしく民主主義をないがしろにする行為そのものであります。
生活の党は、このような与党の横暴な国会運営を主導する安倍総理の政治姿勢を、断じて容認できません。
以上、安倍内閣不信任決議案に対する賛成の討論とさせていただきます。