ニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送中のThe All Star Leagueが先週お休みだったため、コラムを書かせていただくこととなりました。
解説&観戦記担当の鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)です。よろしくお願いします。
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前回のコラムで、序盤のポイントとして次の2つを挙げた。
【序盤のポイント】
1.役牌→オタ風の切り順はリーチ手順
2.数牌の後の字牌手出しがあったら、数牌のマタギは安全度が上がる
今回は、序盤に引き続き、中盤の手出し・ツモ切りについて。
【中盤のポイント】
1.切っている牌の手出し(トイツ落とし)でチートイツ否定
2.ターツ落としで速度と形を計る
3.リーチ宣言牌が字牌なら、またぎは通りやすい
1.切っている牌の手出し(トイツ落とし)でチートイツ否定
特に中張牌が多く切られた濃い捨て牌のプレイヤーがいる場合などには、すでに自分で切っている牌を手出ししたかどうかを見ておくとよい。
なぜなら、「チートイツを否定できるから」だ。
チートイツを否定できることは、実はかなり大きい。
他のアガリ役と違って、チートイツは「アガリ形」だからだ。
例えば、三色の場合、カンチャンもシャンポンも両面もあるが、チートイツの場合には単騎だけ。
これが厄介で、単騎は自分で選べるため、普通通ると思われる牌が通らなくなる。したがって、それを否定できると、切れる牌がかなり多くなるのである。
例えばこの局面。
園田が1巡前に切っている7pを手出しした。
濃い捨て牌ではあるのだが、この段階で園田のチートイツはいったん意識の外に置いていいだろう。
仮にこの7pを見逃したとしても、その後の1s手出し。
これでもチートイツは否定できる。
これを見ておけば、1枚切れの字牌などをトイツで持っているなら、安心して安全牌として切っていけるというわけだ。
2.ターツ落としで速度と形を計る
トイツ落としと同様に、ターツ落としが入っているかどうかも見ておこう。
速度と形をある程度想定できるため、非常に有益だ。
例えば、ペンチャン落としが入ったこの局面。
ターツ落としについてわかるのは、基本的に「落としたターツよりも良いターツが残っている」ということである。
ペンチャンならば、落としたペンチャンよりも良いペンチャン以上のターツが残っているはず、ということになる。
これは、裏を返せば、両面ターツを落としてきたプレイヤーがいたら、そのプレイヤーは両面以上のターツしか残っていないということなので、スピードもあるということになる。
両面を落としてきたプレイヤーからリーチが入ったら、両面以上の待ちである可能性が高いため、真っ直ぐに押しにくい。
リーチだけではなく、仕掛けも同様だ。
園田が、7s8sという両面落としと同時に5pをポンした場面。
実際にはイーシャンテンなのだが、これはほぼテンパイだと思って対応したほうがいいだろう。
7s8sという両面を払って、ポンできる形を残したのなら、それより良い両面。この場合にはタンヤオになりやすい両面になっているはずだからだ。
このとき、石井がピンズのホンイツで3フーロしており、ピンズを押さえた愚形テンパイやイーシャンテンの可能性もあるのだが、いずれにしても、ポンして戦火の中に飛び込んだのだから、警戒しておいたほうがいいだろう。
3.リーチ宣言牌が字牌なら、またぎは通りやすい
なかなか手出しを追えないという方もいると思うが、そんな方でもほぼわかる手出し牌がある。
それが、「リーチ宣言牌」である。
リーチ宣言牌は、手出しのケースがほとんどであるし、とにかく目立つため、ここだけは見逃すほうが難しいぐらいではないだろうか。
中盤のリーチでたまにあるのが、「宣言牌が字牌のリーチ」である。
中盤では目一杯に構えることが多いはずで、字牌(安牌)切りリーチのようにスリムに構えるケースはあまり多くないと思われる。
であれば、字牌が宣言牌の場合には、その2、3巡前までに切られた牌のまたぎは通りやすいのではないだろうか。
例えば、このリーチには、2p5p、5p8p辺りは勝負しやすい。
これも、5m8m、3m6m辺りは通していける。
これは、ドラの5mは打たないまでも、7mまたぎの8mや6m9mは打っていきやすい。
なお、終盤に入ってしまうと、スリムに構えて字牌を持つケースも多く想定されるため、字牌切りリーチでも先切りのまたぎは、中盤ほど安全ではないと考えられる。
中盤付近では、上記のようなポイントを見ておくと、押すときやオリる際のヒントになる。
ぜひこのような観点を持って、麻雀放送を観ていただきたい。当てはまるケース、当てはまらないケースなどの発見があるだろう。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
第6節は、3/1(水)11:00よりニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送予定!