2月28日はなんの日だかご存知でしょうか。この日は麻雀界の歴史が変わる日だと思ってます。
タイトル戦の決勝は常に光と影があります。栄光を勝ち取った優勝者の影で、ほぼ常に「目無し」の選手が存在します。みなさん、タイトル戦の優勝者は覚えているかと思いますが、決定戦の4着の選手の名前を言えますか?
決定戦最終戦で卓上の4者全員に「目がある」、ということはとても少ないように思います。
タイトル戦の決勝最終戦。万策つきて、優勝の目がなくなったら選手はいったいどう打てばいいのか?
トータルの優勝とは関係なく、トップを目指して打つという打ち手もいます。麻雀はミクロで見ればトップを取るゲームです。たとえ優勝がなくても、その半荘のトップを狙うというのも一つの打ち方でしょう。
では、トップすら狙えない点棒状況だったらどうしましょう。何も迷惑をかけることなく、他者の決着を待つ、という選択が多いのではないでしょうか。
「振らない」「鳴かせない」「アガらない」。完全エアー。
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何年か前の最高位戦のプロテストの論述問題に以下のような問題が出題されました。
【ある時あなたは下家のホンイツ仕掛けに3副露させてしまった。それに対して対局後、
上家「あんなミエミエのホンイツに3副露させるなんて他家の迷惑を考えろよ」
と言われた。これに対する最も明確な反論として以下に続くコメントを考えよ。
自分「仮に私が牌を絞ったとすると・・・」】
目無し問題の一つの回答として、面白い問題だと思います。
みなさんは答えられますか?
この問題の模範解答は
【自分「仮に私が牌を絞ったとすると下家に対して迷惑をかけたことになります。】
誰かの打牌は誰かの利となり、また反面誰かの迷惑になる。一元的に見るのはおかしい。という理論です。
故・飯田正人プロは目無しになった際は、オーラスであろうと、同卓者が誰であろうと「普段通り」アガリに向かっていったそうです。
完全エアーも誰かの迷惑になっているという考え方です。
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【ルールの不備?】
高校野球で松井が敬遠されました。スタジアム上は大ブーイングの嵐でしたが、ルール上はなんの問題もありません。
ですが、現実問題として、敬遠を選んだピッチャー・監督には非難?の嵐が飛びました。
観客は松井のホームランを見たいのです。何年先も夢に出るような、奇跡の大逆転のドラマを見たいのです。
勝利を選択するのであれば、ピッチャーは敬遠した方がいいでしょう。怪物と無駄に闘うことはありません。ですが観客は勝手なもので、勝利云々よりも見た目の派手さを選び、怪物の暴れっぷりを見たいのです。
ブーイングする方が、マナー的に問題ありとされるべきところではないかと思うのですが、「トップ争いの邪魔をしない」という考え方は、「空気を読んで」の選択ではないかと思うのです。
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2月28日、RMUが画期的なルールで決定戦を開催することになりました。
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新決勝方式【仮称】について 今回のRMU CUP決勝は、 決勝2回戦まで通常通り行い、 その後は、新決勝方式で行う
1.新決勝方式開始時の規定 場決め、親決めは、通常通り 2回戦までのトータルポイントを点棒に置き換えて、各自の点箱に入れる なお、4位のポイントを0点に置き換え、その差の点棒を入れる場合もある
2.場所決め、局の規定 全局を東1局とし、南入やオーラスといった概念はない 新決勝方式では5局消化毎に、場替えを行う
3.順位点の規定 この新決勝方式は、オーラスの規定がないことから、着順という概念がない そのため、順位点は存在しない
4.新決勝方式終了規定 ・アガった人がトータルスコアトップになった場合、終了 ・それ以外の場合は、すべて続行する
5.親の規定 ・開局時は、通常通りの親決め規定に則る ・2局目以降は、アガった人が親番になる
6.流局時の規定 親がノーテンなら親流れ テンパイ者の中から、親に近い方が次の親となる よって全員ノーテンのときは親に一番近い南家が次の親となる
7.成績管理の規定 新決勝方式の部分は成績管理対象外
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このルールだと座巡以外は完全に平等となりますし、ラス親の有利さも解消されます。かなり薄い目であろうとも、完全に目が無くなるということはないわけです。
エクストララウンドが、開始5分でトップ目がアガって終了ということもあるでしょう。
あるいは、トップ目がアガることはなんとしても避けなければならないので、あからさまな差し込みも続出するでしょう。ひょっとすると阿佐田哲也の名作『東1局52本場』のような、延々と終わらない東1局が見られるかもしれません。
RMUはプロ団体の中では、まだ新しい団体です。由緒溢れるプロ団体というわけではありません。それだけに今回のようなチャレンジングスピリットに溢れた今回のようなルール変更を取り入れられるのでしょう。代表の柔軟な考え方が浸透している素晴らしい団体だと思います。
RMUの多井隆晴プロというのは、誰よりも麻雀に真っすぐで、誰よりも研究熱心な麻雀プロの1人だと思っています。タイトルを多数獲得し、解説にも長け、カリスマ性もある。
彼のような人が麻雀界を変えていくのかもしれません。
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麻雀界の風雲児、多井たかはる。革命のダンス
2月28日は麻雀界の歴史に新たな一歩が刻まれる記念すべき日になるでしょう。
麻雀に「リーチ」が誕生した正確な日はわかりません。
「一発」が初めて登場した日も不明です。
ですが、決定戦の概念を変えるこの日は、麻雀界の歴史にきっと残る日になるでしょう。
この放送をスリアロで放送できるのは麻雀業界にかかわる者として、大変光栄に思っています。
2月28日、RMUCUP14:00からスリアロチャンネルで放送です。
ドンミスイッ!