先日、アルベルト・アインシュタインが着用していたレザージャケットがクリスティーズのオークションに出品され、11万500ポンド(約1500万円)という高値で落札されました。
お洒落にかける労力は研究に使う
アインシュタインがレザージャケットを着ていたなんて意外ですが、たしかにそのレザージャケットを着たアインシュタインの写真がたくさん残っています。
クリスティーズによると、そのジャケットには今でも「刺激的な匂い」が染み付いているとのこと。パイプを吸う習慣のあるアインシュタインが、そのジャケットを毎日毎日着ていたからだそうです。それにしたって、彼の死後60年以上経った今でも匂いが残っているなんて相当なもの。
このジャケットがそこまで着倒されていた理由は、アインシュタインと同じプリンストン大学の物理学者、レオポルト・インフェルトの回想録に書かれていました。
アインシュタインは当時「物質的な制約を最小化」すべく、髪を伸ばして床屋に行く回数を減らしたり、このレザージャケットを毎日着ることで「コート問題を解決」したりしていたそうなんです。
つまり、お洒落にかける労力を限りなくゼロに近づけていたということですが、アインシュタインがやっていたと聞くと、なんだかかっこよく感じられるから不思議。
お洒落に力をいれないことがかっこよく見える
同じようなことを実践していたのがAppleの創業者、スティーブ・ジョブズでした。
彼はある時期から、イッセイ・ミヤケの黒いタートルネックニットにリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーしか着用しなくなりました。
また米国のバラク・オバマ大統領も「他に判断すべきことがあまりに多い」という理由で、毎日グレーかブルーのスーツしか着ないそうです。
彼らに共通しているのは、お洒落以外のやりたいことが明確ということ。自分のエネルギーの使い道に優先順位を付けて、切り捨てるものははっきりと切り捨てる。他の人にはなかなかできないその決断ができているから、お洒落に力を入れていないことが逆にかっこよく見えるんでしょう。
仕事が忙しくて新しい服が買えなかったり、ネイルサロンに行けなかったりすると「忙しくて、時間がなくて」とつい言い訳してしまうことがあります。
でもそれが自分にとって本当に大事な仕事で、そこにエネルギーを集中させようと決断できていれば、お洒落に全力投球できていなくても別にいいのかもしれません。
そしてそんなときは「忙しくて髪も切れない」と嘆くより、「今は仕事を優先させてるんだ」と思った方が、気分的にもポジティブになれそうです。
©Christie's 2016
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