重なって聞こえてくるのは、「一生あなたのためにおいしいごはんをつくる、という意味があります」と話す司会者の声。
しあわせそうな姿に感動はするけど、ちょっと違和感を感じていました。
このとき感じていたなんとなくな違和感を、すっきりさせてくれたのが、ウーピー・ゴールドバーグ。
Times誌のインタビューで、結婚についてこんな風に語っています。
パッケージ化された人生「結婚はそんなに関心がないのよ」
「ひとりでいる方がしあわせ。だれかと好きなだけ一緒に時間を過ごすということもできるけど、だれかと一生共に過ごすとか、一緒に住むとかはないでしょうね」
「そろそろいい人いないの?」そんな風に言われることの多い日本にいると、「結婚に興味がない」とはっきり言葉にするウーピーの言葉がとても新鮮です。
また、彼女はインタビュー中に「自分は結婚には向いてない」と語っているのですが、その言い回しがユニーク。
"I' m a round peg in a square hole."
直訳すると「私は丸い栓で、結婚は四角い穴」。
英語では一般的には「丸い穴と四角い栓」という言い回しで「場違いなもの、不釣り合いなもの」という意味で使われます。たとえば「丸い穴に四角い栓を入れることはできないのよ」という風に使います。
でもあえて、ウーピーは結婚を「四角い穴」と表現しているのです。
ふたりの人生を伝説のように語ってもらう結婚式に、子ども、お洒落な家、家族がよろこぶおいしいご飯...。
こうして見ると、たしかに、結婚って四角い箱にパッケージされた商品みたいに思えてきます。
完璧じゃない。でも楽しい結婚というしあわせを手に入れるのも楽しいけど、予定をキャンセルしてベッドでひとりダラダラと過ごしたり、恋人に「まだ帰らないで~!」とねだってみたり。そんな風に「完璧じゃない=丸い私」をじつは心の奥底で楽しんでる部分があるかも。
誰かのためにがんばらなきゃ、と思っているとそんな気持ちは見えにくくなってしまいますが、もしかしたら素直に「結婚には興味がないの」って言うことって、すごくクリエイティブなことかもしれません。用意された商品ではなくて、自分の心が丸く、弾む方へ歩んでいく。
はっきり「結婚に興味がない」と言ってみていいかも。なんて、ウーピーの姿を見て思いました。
写真/Krista Kennell / Shutterstock.com
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