その中身には、持ち主のリアルな生活がつまっています。
今回は、感度の高い人が多いミートパッキング地区のオフィスで、グラフィックデザイナーとして働く女性のスマホをのぞいてみました。
ブルックリン在住グラフィックデザイナーのスマホの中身林亜季(はやし・あき)さん
職業: グラフィックデザイナー
NY在住歴:10年
単身渡英し、ハリー・ポッターさながら、高校時代をイギリスの寮で過ごしたあと、テキサス、そしてシカゴの大学に進学、その後ニューヨークへ。
アメリカ生活だけでも通算16年というコスモポリタンな亜季さん。34歳。
じつは今月、8年間お付き合いした建築家の彼と、日本での挙式を控えています。しかし高校から海外で暮らしているため、日本風の式や披露宴に慣れておらず、少々戸惑い気味の様子。
そんな、挙式の準備と仕事で慌ただしい毎日を過ごす、彼女のスマホの中身は...。
――いちばんよく使うアプリは?
メールやFacebookのメッセンジャーです。LINEはあまり使ってなくて、日本の人とだけ。アメリカの人はLINEをほとんど使っていないので、メッセンジャーでのやりとりが多いですね。
――暇つぶし用のアプリは入れてる?
すぐ飽きちゃうので、ゲームはそんなに入れてません。いちばん見るのはInstagramかな。最近流行っていたSnowやSnapchatで遊んだりもします。
あとは、「Pinterest(ピンタレスト)」。デザインのインスピレーションを探すのに便利なので、気に入ったものをピンしてイメージを整理するのに使っています。フォントのスタイルや、ポスターのデザインを参考にしたり。関連するものがどんどん提案されるので、広がってくのがいいですね。
仕事以外ならファッションもすごく好きなのでスタイルを見たりします。
Googleのイメージ検索だとワードに関連したものがランダムに出てきてしまいますが、Pinterestはある程度方向性をカテゴライズしているのが良いんです。
――ホームスクリーンはどんな画像にしてる?
いつも買っているアート雑誌『Hi-Fructose Magazine』で見つけた気に入ったイラスト。ダークなアートが好みです。いまだに手に本を持って開いて見るのが好きなんですよね。
大学でアートやデザインの勉強をしていたので、雑誌のレイアウトやデザインが気になります。最近スマホでもファッション記事を見られるけど、私は雑誌を買ってしまいます。決まった雑誌を買うわけじゃなくて、本屋さんに行くのも好きなので、気に入る雑誌との出会いを求めて行ってます。
――朝イチでチェックするアプリは?
メールかな。アイコンに未読件数のマークが付いているのが嫌なので、未読メールはありません。基本的にすぐ見てすぐ返信します。朝は日本からのメールが溜まっている時間帯ですよね。
あとは、ニュースを読むのが好きなので、気になったニュースを、Safariを使って色んなサイトでチェック。もともと日本にいたときから新聞を読むのが好きで、同じ事件を新聞各社がまったく違う視点で書いているのを比較しながら読んでいました。
アメリカのサイトなら『CNN』、『The New York Times』、『ハフィントンポスト』、日本のものはYahooニュースやライブドアニュースとか。
俗っぽいのも意外と好きで「2ちゃんねる」のまとめサイトも見ます(笑)。最近は大統領選を検索してよくチェックしていますね。
――寝る前にベッドでチェックするアプリは?
夜もニュースサイトを見ます(笑)。世界のニュースや話題をいつもチェックしているので、世界中の人と何かしら話ができるかも。
前は新聞社やニュースのアプリを入れてたんですけど、特定のメディアだけでは物足りなくなって、結局アプリは使わずに、検索しながらチェックするスタイルにしました。
好きなのは政治ネタ。ライブドアがやっている「BLOGOS(ブロゴス)」とかで、政治家のコメントを見たりしています。
――音楽を聴くアプリと、いま、いちばん聴いている曲を教えて。
スマホに音楽がほとんど入っていないんです。電車のなかや家の外でイヤホンしながら聞くのが好きじゃないので。外にいるときは街の様子を観察したいんです。
音楽は家で聞きたいかな。彼の趣味がDJなので、家では彼の流す音楽を聞くことが多いです。ほかに家でなんとなく聞くのはクラシック。モーツァルトが好きですね。
昔から好きなアーティストはマイケル・ジャクソン。自分の作品をつくるときはマリリン・マンソンを聞いています。シカゴにいたとき、レコード会社で働いていたので、当時はいろんなアーティストを聞いていました。
あとは、YouTubeでカラオケの練習用に中島みゆき、山口百恵、加藤登紀子、ピンクレディ、ザ・ピーナッツなんかの昔の歌謡曲っぽいものを検索します。ゲンズブールも好きです。
――天気や時計で登録している都市は?
ニューヨーク、東京、メキシコシティ、ロンドン、バルセロナ、イプスウィッチ。ここ1、2年で訪れた街が登録したままになっています。
バルセロナは住みたいと思うぐらいの場所で、街がとにかくきれい。日本人の好みに合うシーフードもあるし、お酒が好きなので、タパス・バーも魅力的。イプスウィッチは高校時代を過ごしたイギリスの街です。
――いちばんお気に入りのアプリは?
やっぱりInstagram。あとは「NYC Subway」。地下鉄マップや乗り換え検索、スケジュール変更が確認できます。ニューヨークは、サービスの変更が頻繁に起こるので、電車に乗る前にチェックするようにしています。
――FaceTimeは使う?
日本に帰ったときに、ニューヨークで使っている携帯を使い、Wi-Fiを使ってFaceTimeで電話をするので、よく使います。家族と話すことが多いですね。
――お気に入りのInstagramのアカウントを教えて。
Celeste Barberさん(@celestebarber)が投稿した写真 - 2016 6月 9 5:44午前 PDT
いくつかあります。「@celestebarber」は、コメディアンの女性が、セレブのポーズを真似しているアカウント。一般人がやると、まったく別物になるのが親近感があっておもしろいです。
「@higu_nichi」 は、猫5匹とパグ犬1匹のアカウント。動画が多いんですが、みんな仲良しですごく癒されます。パグの子がとくに好きです。
あとはファッション系の「@assemblynewyork」、「@theautepursiot」、「@figtny」とか。とくにモノトーンが好きで、コーディネートの参考にしてます。それとミュージアム系のアカウントもフォローしています。
ニューヨークにある、骨と剥製を集めたミュージアム「@morbidanatomy」もフォローしていて、観察対象として見ています。人体の構造を学んだりするのが大好きで、科学、生物系は常に興味がありますね。
――最近一番ウケたメッセージは?
最近OSをアップデートしたら、メッセージにハンドライティング機能が出来て、ちょっと遊んでいました。必要性がよくわかりませんが...(笑)。
――アラームって使ってる?
目覚ましは7時15分にセットしています。でもだいたい、鳴る前に起きています。あとは、洗濯は共同のランドリールームに行く必要があるので、洗濯と乾燥の終了時間にタイマーをセットしています。
――スケジュール管理はどうやって?
Appleのカレンダー。彼と共有しているので互いのスケジュールが分かるようにしています。
――SNSはどんな頻度でチェック?
FacebookとInstagramを一日4回くらいです。Facebookの投稿は一切しません。Facebookそのものより、メッセンジャーで連絡を取るのに使っていることが多いかな。友だちがギャラリーやアーティストのイベントをFacebookで招待していることが多いので、週末の情報などをチェックします。
――最近「Lyft」でどこ行った?
ニュージャージーの友人宅からブルックリンまで帰宅するのに、深夜になったので使いました。橋の通行料を除いて、大体17ドルぐらいだったかな。Uberより安くて、最初に値段が確約できるので安心です。
――好きな絵文字は?
インベーダーゲームのキャラクターです。Akiの署名代わりに使っています。
お父さんからもらった歯をキーホルダーにしたり、マリリン・マンソンを聞きながら骨にアートを描いたり。自分の髪の毛や、抜け落ちた猫の毛を瓶に入れて保管していたり。
自分の一部である歯、骨、髪などパーソナルなものが、ひとたび、体を離れると禁断とされるのはなぜか、に興味があるという亜季さん。
そんな個性的な彼女ですが、意外にも、ひと通り新しい機能や話題のアプリは試してみるのだそう。
「でも本屋さんに行くのが好きだし、音楽もCDを買うのが好きだから、結局アナログに戻ってしまうんです(笑)」
その結果「スマホはほとんどメールやスケジュールのチェック等の基本機能でしか使わないかな」と語ってくれました。
お気に入りは、セントラルパークに近いオーガニックカフェこの日、亜季さんとフィアンセの譲さんと待ち合わせたのは、話題のカリスマシェフ、ジョナサン・ワクスマンのカフェ「Jams(ジャムス)」。
セントラルパークサウスから1ブロック、1 Hotel Central Parkのなかにある緑豊かな居心地の良い空間です。
日曜日のビュッフェブランチはステーキあり、デザートありで品数豊富。しかも一品一品の彩りが鮮やかで目移りしてしまいます。
クロワッサンはパリパリで、とても美味。
挙式では白無垢の花嫁になる予定の亜季さん。なんと地毛で日本髪を結い上げるそう。
真っ白な肌と漆黒の髪、そして静謐でパーソナルな式は、スマホから垣間見る彼女の世界観にもマッチしていそうです。
【参照サイト・画像・動画へのアクセスはこちら】