過去に大失恋したり、大好きな人に傷つく言葉を言われると、次の恋に臆病になってしまいます。
それは、ショッキングな体験をしたとき、うまく解決できないままトラウマになってしまっているからだそう。
でも、安心して! 今回は、トラウマを乗り越え、次の恋へのステップに変えることができる「アハ体験」をご紹介します。
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■なぜトラウマになるの?
トラウマに詳しい、一般財団法人 日本心身統合医療推進財団の臨床心理士、牧野有可里先生によると、
「突然ショッキングな出来事が起きた際、人は、戦う(闘争)、逃げる(逃走)、凍りつく(凍結)の3つのうち、いずれかの行動を取ります。
そこを生き延びるための大きなエネルギーが体の内に湧き起こっているのに、闘争も逃走もできず『凍りつく』反応しかできなかったとき、エネルギーが噴き出し口を失って、神経系も過度に興奮したままで瞬間冷凍保存のようになってしまい、トラウマになってしまいます」
とのこと。
トラウマが原因で生じる反応は、不眠、フラッシュバック、パニックなど、トラウマの内容問わずほぼ同じで、自分でコントロールできる範囲ではないもの。
過去の恋愛の悲しい経験に引き戻され、そのときの感情やイメージや感覚が甦り、心臓がバクバクしたときは、次のことにトライしてみるといいそうです。
■トラウマの対処法
1. 目をしっかり開けて、眼球を動かして、辺りをグル~リと見渡してください。キョロキョロはしないで、周囲の情景を目に映して。周囲をゆっくりと見渡して観察。そして自分にとって心地いい色や、物、人、を探してください。
2. たとえば、心地いいものとして目が観葉植物を見つけたら、その観葉植物を眺めながら、「あ...頬っぺたの筋肉がゆるんでる!」「手が温かくなってきた!」など、いまの自分の体が心地よさをどのように感じているのかに気づいていきます。
3. さっきのトラウマ反応(心臓バクバク)は、いまどうなっていますか? やわらいでいるはずです。騙されたと思って、ぜひやってみてください。ポイントは「ゆ~っくり」です。
この方法を何度となく繰り返していくと、ある瞬間、「なんでいままで過去のトラウマをこんなに怖がっていたんだろう...」と思え、ハッとします。
この「ハッ!」という気づきの瞬間こそ、脳科学者、茂木健一郎さんが監修して大ブームになった「アハ体験」と同じ状態なのです!
■「アハ体験」の効果を得るためのポイント
「ただ、頭で『分かったつもり』でいることとはまったく異なります。頭で分かったつもりになっているときは、トラウマへの体の反応は変わりません。『アハ体験』が起きたときから、トラウマは、人生勉強、経験としてとらえられるようになり、次の恋愛へのステップへと変わっていきます」
と、先生。
しかしながら、いたずらにトラウマを思い出すと、再トラウマを引き起こす恐れもあるため、深刻なトラウマは、牧野先生のような「臨床心理士」がいるカウンセリングルームを利用することをおすすめします。
photo by Thinkstock/Getty Images