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「千年の悠久」を超えても変わらないオトメの恋心
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「千年の悠久」を超えても変わらないオトメの恋心

2012-09-28 23:30
    恋するオトメに時代は関係ないのかもと思ってしまいませんか? でもそんな昔の人の恋愛観ってどんなものだろうと想像してもなかなか難しいと思います。 『オトメの和歌』には、4世紀ごろから、1300年代までの広い範囲の和歌が載っています。その中にある「男性とのあの手この手のやり取りの歌」を3つみてみましょう。 1:ちょっと意地悪な紀女郎(きのいらつめ) 戯奴(わけ)がため わが手もすまに 春の野に   抜ける茅花(つばな)そ 食(を)して肥えませ 茅花(つばな)というのは、当時滋養強壮に効果があると考えられていた草です。この和歌は、ちょっと乱暴な言葉をわざと使って、「お前のためにせっせと抜いてきたんだよ」といいながら、その後にわざと丁寧に「どうぞ、お食べになって、お太りくださいませ」という意味です。 現代でも、わざわざ嫌味のような言い方をして、愛情を表現することがありますよね。仲がいいからこそ贈れる和歌です。  

    【参照サイト・画像・動画へのアクセスはこちら】

    2:甘え上手な大伴の坂上大嬢(おおとものさかのうえおおいらつめ) 男性からの「君にあえなくて、死ぬほど苦しい」という歌への返事の和歌です。 大夫(ますらを)も かく恋ひけるを 手弱女(たわやめ)の  恋ふる情(こころ)に比(たぐ)ひあらめやも 「大の男のあなたでもそんなにつらいのなら、か弱い私の恋心がどんなに苦しいものか。きっと比べようもないほどだと思います」......という意味の和歌です。 男性の弱さを指摘しつつ、「自分はもっとか弱い女なのに耐えているの。わかってね。」という、男心をくすぐりそうな和歌ですよね。男性からしたら、守ってあげたい女性と感じるのではないでしょうか。 3:男性をやりこめる清少納言 「今夜会いに行く」という約束を破った彼に対して、清少納言は後日訪ねたかれを部屋へ入れなかったとか。その仕打ちに「つらい思いをさせるんだね」と彼から言われた返事が次の和歌です。 よしさらば つらさはわれに ならひけり  頼めてこぬは 誰か教へし 意味は「はいはい、そうですよ。確かにつらさを教えたのはわたしです。でもね、あてにさせておいて来ない、そんな誠意のないやり方は、誰が教えたんでしょうね」です。 すごく皮肉っぽい和歌ですよね。でも、なんとなく怒りがストレートなのではっきりしていて、そんなに後を引かない感じもうけませんか?  いかがでしょうか。何年たってもオトメの恋心はあまりかわりがないように思えます。 ちなみに、この「オトメの和歌」と同時に「サムライの漢詩」も発売されています。気になった方は、昔の時代を思い浮かべながら、和歌など読んでみるのもいいかもしれませんよ。 photo by Thinkstock/Getty Images (日向みるく)
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