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中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話
2018.10.02【Vol.224】


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■目次
┣1.うさぎ的日常日記
┣2.女王様のご生還
┣3.うさぎの図書館(ネタバレ上等)
┣4.うさぎとそうしの英会話レッスン
┣5.動く中村うさぎ
┣6.著作一覧
┗7.運営事務局から一言

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── 1.うさぎ的日常日記 ──


2週間ぶりにこんにちはーー!

今月は連休続きだったわね!

みなさんはどんな連休だったかしら?

私はいつもとまったく変わらない日常だったわ!


そう!いつものとおり、出前三昧よ!www

でもね、新しいお店を出前アプリで見つけたの!

バインミーシンチャオっていう名前の、ベトナムサンドイッチのお店よ!

https://bit.ly/2OsFj0Q


みなさん、ベトナムサンドイッチはお好き?

私は大好き!!!(≧∀≦)

そもそもベトナム料理自体がめっちゃ好きなのよね~!

東南アジア系では一番好きかも!

タイやインドネシアよりね!


ベトナムサンドイッチは、かつてフランス領だった名残で、フランスパンを
使ってる。

フランスパンに、ベトナム風の具材を挟んで食べるんだけど、これがまた美
味しいのよねー!

でわ、さっそく写真を!

https://bit.ly/2IsUC49

https://bit.ly/2Rdg8xZ


ううーーん、相変わらず写真が下手でちっとも美味しそうじゃな
いーーー!!!(>_<)

ここのサンドイッチの私のオススメは、「ヌクマム漬け豚肉サンドイッチ+
目玉焼き(オプション)」と「焼き豚肉サンドイッチ+目玉焼き(オプショ
ン)」なの!

ヌクマムはベトナム風魚醤。魚を発酵させたソースで、ちょっとクセがある
から、ダメな人はダメでしょうね。

でも、私はヌクマム大好きなの!

ここのヌクマム漬け豚肉は、ほんと美味しかった!


もうひとつの焼き豚肉は、甘辛風味。醤油と砂糖の味付けで、日本人にもお
馴染みの味よ!

オプションで目玉焼きがトッピングできるのが卵好きの私には高ポイント
ね!

パクチーの量も調整可能だし、チリソース抜きとかもできるの。

辛いの苦手な私はもちろんチリソース抜きよ!


パンは、そりゃまぁフランスパン専門店みたいにはいかないけど、どっちか
というとふんわりタイプで食べやすかったわ!

パリパリの香ばしいタイプも好きだけど、私、最近は年のせいで歯抜けババ
アだからさ、硬いパンは食べられないのよwww

年取るといろんなところにガタが来ちゃってダメねぇ(>_<)

でも、出前アプリのおかげで、こうやって家にいながら美味しい食事ができ
るのは望外の幸せ!

足が悪いとひとりで外出できないから、出前に頼ってしまうのよ~~!


ところが、そんな私に、再来週から大きな試練が降りかかるの!

なんとマンションのエレベーター工事で、14日~24日までエレベーターが使
えないの!!!Σ(゚д゚lll)

うちは9階だから、階段は絶対無理!

出前配達の人にも、階段で9階まで来いなんて、とてもじゃないけど酷で言
えない!

だから、その間は外出も出前も我慢しなきゃ!

コンビニで食料買い込んで食いつなぐしかないわね(汗)

さて、その10日間の食生活はどうなるのか!?

またレポートいたします!

でわでわ、みなさん、また来週!


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── 2.女王様のご生還 ──


「新潮45」が休刊になると聞いて、ちょっと驚いた。
一連の騒ぎは知っていたし、例の寄稿文にはまったく賛同できなかったもの
の、まさか掲載誌が休刊にまで追い込まれるとは思わなかったからだ。

政治的・思想的に偏った意見を掲載するなというなら、もっと偏った雑誌や
新聞は他にもあるでしょ?
たしかにあの原稿は批判を浴びて当然だと思ったが、そういう意見の持ち主
もこの世に確実に存在するのだということを世間に知らしめ、議論を喚起す
るのも、ジャーナリズムのひとつの使命ではないかと私は思う。
こういう言論を片っ端から封じていったら、この世にLGBTに偏見を持つ人は
いないのだ、という錯覚を生んでしまい、それはLGBT当事者のためにもなら
ん、という気がする。
一部のLGBT関係者たちの中には、あの原稿でハッと目が覚めた人たちもいる
のではないだろうか?

LGBTもフェミニズム活動もそうだが、当事者が頑張って差別をなくそうとし
ても、残念ながらこの世から差別が完全に消えることはない。
その人たちが自らの偏見に気づいてくれればいいのだが、それには両者が感
情的にならずじっくりと話し合う機会が必要だ。
しかるに、今回のように掲載誌まで休刊に追い込むのは、「差別をなくす」
という観点から見るとまったく逆効果な気がするのである。
そんなの、ただの口封じだ。言論弾圧と言ってもいい。
差別をなくすには、相手の口を封じるのではなく、むしろ相手の口を開かせ
るべきではないか?

私は日頃からLGBTに肩入れしている立場だが、みんなが差別から目を背け、
そんなものまるで存在しないような顔して生きてる社会など望んでいない。
今回のあの寄稿は、改めて「LGBTに対する根強い偏見」について、また「生
産性とは何か?」という問題について議論する格好のチャンスであったのに、
潰されてしまって残念だ。
何人かの作家が「今後、新潮社とは仕事せん」と宣言したらしいが、彼ら彼
女らは自分が「LGBTの味方」だとでも思っているのだろうか?
だとしたら、そのやり方、逆効果じゃない?
このままじゃ、LGBT差別と戦ってきた団体が単に「ぎゃーぎゃーうるさいか
ら触らんとこ」みたいな地雷的存在になるのではないかと私は危惧している
よ。
そんな「触らぬ神に祟りなし」的な扱いをされるようになったら、水面下で
ゲイヘイトがどんどん広がっていく気がするの。

今回の「新潮45休刊」は、「表現規制反対」の立場から見ても、やはり喜ば
しくない。
たとえ間違っていようが偏見に満ちていようが、どんな人にも言論の自由は
ある。
「こんな差別的な文章を平気で載せる雑誌はこの世から排除すべきだ!」と
いう考え方は、「こんな女性差別に満ちたエロ雑誌はなくなってしまえ!」
と叫ぶ一部のフェミニストたちとなんら変わらない。
抗議するのもいいし、「そういう本は買わない」という選択を個々がするの
も自由であるが、「この世から排除しよう」という動きはきわめて弾圧的で
危険だと感じるのだ。

弾圧されていた側が力を得た時に、自らが弾圧する者になってどうするのだ。
ゲイや女性に発言権なんか与えられなかった時代に、必死で声を上げて戦っ
てきたのは、何のためだったのか。
自分たち以外の声を封じるためか。
そうじゃないでしょ?
どんなマイノリティでも声を上げられる社会を作るためでしょ?

「保毛尾田保毛男」騒動の時も、私は言ったと思う。
フジテレビは即座に謝罪するのではなく、今この時代にあえてあのコントを
取り上げた理由を明確に表明すべきだった、と。
我々は、都合の悪いことはすぐに忘れてしまう生き物だ。
今はLGBT活動のおかげであからさまにゲイをからかう表現は批判に晒される
が、つい30年前まではみんながこれで笑ってたんだよ、という「我々の黒歴
史をなかったことにするな」的スタンスから保毛尾田保毛男を取り上げたの
であれば、逆に「フジテレビやるじゃん!」だったかもしれないのだ。

今回も、私の意見はあの時と同じ。
物議をかもすのを承知で掲載したのなら、謝罪や休刊なんて処置ではなく、
そのスタンスを堂々と表明すべきではなかったか。
それがジャーナリズムの誇りというものではないのか。
その覚悟なくあれを放映・掲載したのなら、フジテレビも新潮社もダメ過ぎ
るだろ。
反省すべきは、掲載したことではなく、掲載する時の覚悟の無さだ。
私が上司なら、次の号に杉田議員とLGBT関係者を呼んで、「生産性とは何
か?」というテーマで討論させるね。
そして、どちらに軍配を上げるかは、読者の判断に委ねる。
それがジャーナリズムってもんじゃないんですかぁ?




── 3.うさぎの図書館(ネタバレ上等) ──


映画「グランドフィナーレ」を観た。2015年の作品だ。

主人公は年老いて引退した高名な指揮者・作曲家の爺さん。スイスの療養所
でセレブな老後を送っている。療養所には、長年の友である映画監督も滞在
中。こちらも年老いているが、主人公よりはまだ創作意欲に燃えており、自
身の遺言となる最後の映画を製作している真っ最中だ。
この二人の爺さんがスパに入ったり食事をしたりしながら、自分の心境や家
族について語り合う。が、二人とも、己の心に抱えている苦悩については決
して語らない。「良い友とは、良い話しかしない」というのが二人のモッ
トーだ。
と、こんな物語なので、はっきり言って、非常に冗長である。爺さん二人の
老後生活の話だからね。だが、何故か途中で投げ出せず、最後まで観てしま
った。そして、最後まで観てよかった、と、心の底から思った。

この映画はラスト30分のためにある。過去の栄光を捨てたい主人公と、過去
の栄光を取り戻したい親友。その二人の爺さんがとりとめのない話をしてい
るばかりの映画かと思ったら、ラストの30分で急展開が起こるのだ。
ネタバレになるのでここでは詳しく書かないが、往年の名女優ジェーン・フ
ォンダが登場したあたりから、爺さんたちの穏やかな日々はぶち壊される。
そして、思いもよらない悲劇が起こる。その悲劇をきっかけに、主人公は頑
なに拒んでいた仕事のオファーを受け、最後の指揮棒を握る。彼が親友にも
家族にも言わずにひた隠しにしてきた「秘密」とは何だったのか? それは
「失った妻に対する愛と悔恨」だったということが後半になってわかるのだ
が、その妻は死んでしまったわけではない。彼女は認知症になり、抜け殻の
ようになって老人ホームにいるのだ。

映画のラストで、かつて彼女が主人公の指揮で歌った歌を、別の女性歌手が
朗々と歌いあげる。主人公が妻のために作った「シンプルソング」という愛
の歌で、大ヒットした曲だ。指揮棒を振り終えた主人公の姿が映った後、遠
く離れたベネチアにカメラは飛び、老人ホームの窓際に座っている妻の顔が
アップになる。
その顔が、凄い。目をカッと見開き、あんぐりと口を開けて、恐怖とも憎悪
とも見える恐ろしい表情を浮かべたまま、彼女は微動だにせず凍りついてい
る。それはもはや、人間の顔ではない。鬼か亡霊か、その類の顔だ。
認知症とともに、彼女は愛すべき妻から、悪鬼の形相のまま凍りついた人外
に変貌した。それは、音楽のことしか頭になく妻も子供も顧みなかった主人
公への罰なのか。彼女の顔に貼りついた恐怖と憎悪は、主人公に対する彼女
の本音を吐露しているのか。
二人は本当に愛し合っていたのか? 世界的にヒットした「シンプルソン
グ」は彼が妻のために作った愛の歌だが、そもそも二人の間に「愛」なんて
存在したのか? 存在してたとしても、それはいつから失われ、いつから妻
は心に憎しみの悪鬼を飼うようになったのか?

この作品を「感傷的」と評した批評家もいたようだが、これは全然ロマンチ
ックな話ではない。老人の絶望の物語だ。今まで何のために生きてきたんだ
ろうと愕然とする物語だ。おそらく彼の妻も、同じ絶望に気づいて愕然とし
た瞬間があったのだろう。だから、あんな恐ろしい恐怖の表情のまま固まっ
てしまったのだ。そして、彼の親友も……。

「グランドフィナーレ」は、こういう映画だ。退屈する人もいるだろうし、
あまりお勧めはしない。が、最後の妻の顔のアップだけは見る価値がある。
で、その顔に込められた意味を理解するためには、映画を最初から全部観る
必要があるのだ。


グランドフィナーレ [DVD]
https://amzn.to/2Iw6baN




── 4.うさぎとそうしの英会話レッスン ──


今号は、ママス&パパスの名曲「California Dreamin'(夢のカルフォルニ
ア)」を題材に、英会話レッスンを進めてまいります。


・「うさぎとそうしの英会話レッスン」LESSON 42

動画はコチラ(期間限定のメルマガ会員優先公開)
https://bit.ly/2Rbke9T

・優先公開期間終了後はコチラでどうぞ。
中村うさぎオフィシャルチャンネル
http://bit.ly/2b1CJMv




── 5.動く中村うさぎ ──


8月19日(日)に開催しました「第24回うさぎのメルマガオフ会」ダイジェ
スト版を、期間限定メルマガ会員様優先で動画配信させていただきます。

ゲストに作家の森 奈津子先生をお迎えした対談形式のイベントの様子を、
お楽しみください。


・「第24回うさぎのメルマガオフ会」ダイジェスト版 3

動画はコチラ(期間限定のメルマガ会員優先公開)
https://bit.ly/2zGcxlb

・優先公開期間終了後はコチラでどうぞ。
中村うさぎオフィシャルチャンネル
http://bit.ly/2b1CJMv




── 6.著作一覧 ──


現在、好評発売中です!

「エッチなお仕事なぜいけないの? 売春の是非を考える本」
出版社:中村うさぎ 発売:ポット出版プラス
発売日:2017年9月13日
単行本:344ページ
http://bit.ly/2iZ0IQW

「死を語る(PHP文庫)」
出版社:(PHP研究所)
発売日:2017年8月3日
文庫本:253ページ
http://bit.ly/2w9fGIZ

「信じる者はダマされる うさぎとマツコの人生相談」
出版社:(毎日新聞出版)
発売日:2016年11月23日
ソフトカバー:240ページ
http://bit.ly/2f0VyAn




── 7.運営事務局から一言 ──


大変お待たせいたしました。
「うさぎの図書館」を延期配信させていただきます。

お楽しみください!

次週10月8日月曜は、祝日のため休刊となりますので、次回の配信は10月15
日になります。

それでは、明日10月15日にお会いしましょう。




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