熊本県・大分県で発生した地震の被害により亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
起きた地震は阪神大震災級。その時の死傷者数と比べてしまうと被害の規模が小さく見えてしまいますが、九州新幹線の復旧が全く見通しが立たないことに始まり、被災者への支援がまったく足りていないなど、被害の大きさは阪神大震災級です。さきほど、732の避難所に11万人以上の避難者がいるとニュースでありました。阪神大震災では、1153の避難所に約31万人というそうですから、同じくらいの非常事態と言えます。災害対応はこれからです。私もできる限りの支援をしたいと思っています。
本震の起こった4月16日の深夜は、私が住む福山も少し揺れたことで目が覚め、スマホを見ると震度6強とあり、(なんて大きな余震なんだ)と驚愕しながらも再び眠りにつきました。
それが余震などではなく、阪神大震災級の地震であることを知ったのは次の朝でした。
この地震は、47年間生きて来た私にとって、東日本大震災よりも大きな衝撃でした。私はそのような地震をまったく知らないからです。
東日本大震災は、もちろんとてつもなく大きな被害を出しましたが、子供のころから散々その可能性を聞かされていたものです。たくさんの犠牲が出たことは悲しいことですが、起こったこと自体は、言われていた通りのことでした。
そのときに原発事故をも起こったことは必然的ではありませんでしたが、原発の事故も子供の頃から指摘され続けてきたことであり、ロシアやアメリカの事故と同じような事故が起こる可能性自体は覚悟していたものです。
しかし、今回の4月16日の本震は、私の47年の防災意識を根底から揺さぶるものでした。それはそれだけで極度のストレスです。隕石が落ちてくることだってありえるけど、それは滅多に起きることではないので備えても仕方ないなど、生まれてきてこれまで地道に積み上げてきた、リスクとその対応のバランスがあります。いわゆる経験則です。
それは生きれば生きるほどそれは高く積み上げられているわけですが、震度7の地震の後に規模としてははるかに大きい地震がくるなど、全く想定に入っていない現象を目の当たりにし、つまり、その高く積み上げられたリスクバランスが根底から揺らいだのです。
もうおっさんど真ん中の私にとってリスクバランスは大事な武器です。若い頃は、何から何まで一から考えて最適解を突き詰めるなんてことができますが、これくらいの歳になると、今までの経験をもとに直感で判断するようになります。ですから、その直感のもとになる経験則が打ち破られることは、一大事なのです。
16日の朝から私はテレビやネットで状況を収集し続けました。まずは自分たちの福山にまで被害が拡大する可能性があるのかという喫緊の問題もありましたが、自分が家族を守っていくための拠り所にするためのリスクバランスを立て直さないと不安でたまりません。
結果として16日に集めた情報やその時考えたことは、すでにネットでいろいろまとめ始められています。
さらに大きな地震の可能性が否定できない 熊本地震はごく一部の活断層が動いただけ
それこそ、地震に携わっている方々は、今ものすごい勢いで調査・考察されていることでしょう。明らかにこれはこれからの防災のあり方から問い直すことになります。
それは別の話として、私は、その時私自身に起こった奇妙な出来事を記しておこうと思います。
それは猛烈な睡魔に襲われたということです。午前と午後二度昼寝しました。
赤ちゃんは、起きている時間が短くすぐ寝ます。あれは、誕生直後は五感を通して膨大な情報が流れこんできます。誕生直後はそれらを頻繁に整理する必要があって寝る必要があるのだと思います。
それと同じことが自分の身にも起こったのです。私にとって、通常の情報は、もちろん知らない情報はいろいろ入ってきますが、それはもはや私の中の経験の蓄積を微調整する程度です。ニュースを見て眠くなるなんていう体験は、まったく覚えがありません。
しかし、16日は違いました。小1時間情報集めると眠くなって仕方ありません。二度ほど昼寝をすることになったのです。頭の中では、いままで築き上げたリスクバランスを一度壊して再構築するくらいの大作業が行われたのでしょう。
この歳になってから、自分の中の常識をひっくり返されると、体にこんなことが起こるのかと貴重な体験をしました。
しかし、同じことが社会にも言えます。今まで地震といえば、最初が一番大きいものでした。しかし、これからは後からさらに大きな地震が来る可能性を考えなければなりません。
しかも、すでに発表されているように、今の所大きな地震が前震なのか本震なのかを判断するのは難しいとのこと。
さらには、一つの地震が近隣の地震を誘発するという事態も発生していて、こちらも予測は今の所難しいとのこと。
しかし、社会や行政は、これからはこのような事態も想定して備えなければならないのです。可能性があるからといって、注意を呼びかけるくらいは何て事はありませんが、では、少し離れたところでのイベントを中止するのかとか、いったん地震が起こった以上、建物の診断をするまでは自宅に戻らないというのを徹底するようにするのかなど、考えなければいけないことは山のようにありそうです。今回の地震を契機に活発な議論が始まることでしょう。
とはいえ、まずは災害支援体制の確立が急務です。いろいろと課題は山積みです。今回の被害の大きさは阪神大震災級です。トヨタは全国で工場の操業が一旦止まるなど、実体経済への影響が出るほどです。
私たちはまた新たな課題をつきつけられたのです。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 熊本県・大分県で発生した地震の被害により亡くなられた方に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
こんなことってあるんですね・・。