伊東乾さんのこのタイトルにしびれました。
仮想通貨から仮想が取れたら戦争は激減する
確かに減りそうです。素晴らしいことです。
なぜ減るのでしょう。
国々の間で政治が不安定になると、当然為替も不安定になります。為替相場が乱高下するとか、暴落するとか。国債の価格も不安定になるでしょう。それによって経済が混乱しますから、ますます政治を不安定にするでしょう。つまり戦争を助長します。
しかし、ビットコインが普及したらどうでしょう。輸出入をする人々は、ビットコインを活用するでしょう。戦争とは関係なく、普段から為替はちょっとしたきっかけですぐ乱高下して、商売するのに迷惑極まりません。ビットコインが使えるとなれば、ビットコインで取引したほうが商売は安定するでしょう。通販では消費者も手軽にビットコインを使うようになっていることでしょうから、かなりの部分をビットコイン決済だけで運営できる企業もできるはずです。フリーランスの人にはビットコインで報酬を受けとる人も出てきて、生活の主要な部分をビットコインでやりくりする人も出てきます。(ニコ動でも、「ビットコインデビットカード」活用してる方おられるようです。)
こういう企業や人が増えてくると、為替に一喜一憂しなくて良くなります。そうなれば政治が多少不安定になったところで、経済への影響は少なくなり、より戦争が起こりにくくなるというわけです。
つまり、経済活動には統一通貨のほうが安定しているのですが、今までそれがなかったのは、技術的にできなかったからです。米ドルに統一しようと思っても、アメリカの都合で金利が上がったり下がったりしては、他の国は困ります。しかし、今ビットコインという政治からは切り離された通貨ができたのです。規模の小さい国では、自国の通貨をビットコインにペッグ(連動)するようなところが出てくるのかもしれません。
そして、その先の展開については、2年前に考えました。
[S]ビットコイン妄想。〜日本円がなくなる時〜
かつては同時ハイパーインフレーションの可能性が懸念されていました(岩井 克人さんの貨幣論 (ちくま学芸文庫) )。一国のハイパーインフレーションは、他の通貨にペッグするとかで食い止めることができるのですが、世界で一斉にハイパーインフレーションが起こったら止める手段が見当たらない、という危機です。
しかし、もう怖くありません。それが起こったら、ビットコインにペッグしてしまえばいいのです。
そして為替はなくなってしまうのです。だからといって、各国の通貨がなくなるわけではありません。いまでも、地域通貨がいろいろあるように、そのブロックブロックでの地産地消を促す役割があり、円やドルがビットコインが固定レートで取引されるようになっても円やドルはなくならないのです。
完全にお金の国境がなくなる瞬間です。戦争を誘引する一因が消えるのです。待ち遠しいです。
なかなか興味深い世界です。ぶっちゃけ、資金調達が全世界から行えます。マイクロファイナンスがますます活発になりそうです。
今行われているような金融政策は、ほとんど使えなくなりそうです。少なくとも、各国の通貨安競争はなくなりますから、それだけでもずいぶん世界は平和になりそうです。というか、通貨安競争こそ同時ハイパーインフレーションの引き金になりそうです。
戦争も減るけど、為替もなくなる。なかなか想像するのが難しいですが、楽しそうな未来です。
過去記事
たくさんのローカル通貨を使いこなす未来の普通
ビットコインの「ブロックチェーン技術」は私たちの暮らしを一変する
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 日本円は地域通貨として生き残れるのでしょうか。
フツクロウ: ホ?