今日週末ですけど、感動したので、【号外】を。代わりに月曜はお休みします(てへぺろ

 前回、イギリスの国民投票を取り上げたばかりですが、

 イギリス離脱がターニングポイント。世界はより自律分散へ  

 感動しました。この声明。

 EU「英国はなるべく速やかに離脱を」、未練断つ共同声明 
英国に対して「離脱の手続きは困難を伴うかもしれないが、英国民が今回出した結論をなるべく速やかに実現」するよう強い口調で呼び掛けた。
 イギリス国民が離脱を選んだ後の最悪の展開は、本当に離脱するのかどうかが決まらずにずるずるすることです。

 たとえば TPP。日本が交渉に参加するかとかは 2010 年からやってますから、もう6年です。でこんだけ時間かけて一応合意したけど、すでに次期アメリカ大統領候補は反対を明言していて、もはや、むしろやらない可能性の方が高い始末。

 この間、例えば酪農の人は、次の手が打てないのです。やる・やらないが決まれば、それに合わせて腹くくって次の投資をしたりできるわけですが、わからないうちは現状維持しかありません。6年もそんな時期が続くと、その間に設備がだめになるわ、そんなところに後継者は来ないはジリ貧です。おかげで毎年のようにバターの「緊急輸入」って、もう「緊急」が「通常」状態です。

 今回も、離脱の直後から、「それでも結局離脱はできないのではないか」というストーリーがわんさか出てきています。特に日本を始め外野は現状維持を望みがちです。

 しかし、もし、離脱するのしないので揉め始めたら、それは経済に深刻なダメージを与えます。その間身動きが取れません。離脱してしまった後は、経済にダメージを与えると言われていますが、それよりもはるかに深刻なダメージです。

 たとえば、イギリスに展開している日本企業。離脱するとはっきりしていれば、撤退か維持か腹をくくれますが、どっちかわからないとなったら、いったいどうすればいいのでしょうか。

 ですから、EU は速やかに声明を出しました。結果が出た次の日、しかも週末のうちに出してしまうという電光石火。

 すごいです。予兆はありました。

 英EU離脱交渉今すぐに、待つ意味まったくない=欧州委員長  
委員長は「英国民は昨日、EUからの離脱を決めたが、離脱の条件を交渉するのに10月まで待つというのはまったく意味がない。今すぐ交渉を開始したい」と語った。
 と委員長はすぐに言ってましたから。

 確かに、イギリスは通貨は独自とか、始めからEUとは微妙な距離でしたから、EUとしてはイギリスなんて出てっても仕方ないよね! と開き直ったほうがやりやすいでしょう。

 一方で、EU の仕組み自体にいろいろ問題があるのも確かで、
ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相とフランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、英国との衝撃的な決別を乗り越えるためにEUに改革を要請した。
 ともあります。

 今後のEUにとっては、イギリスよりもそれのが重要でしょう。時代に合わせた改革が間に合わなければ、かつてのソ連のように崩壊の運命にあります。そのためには、イギリスとはきっぱり決別し、自分たちの問題に注力しなければなりません。

 国民投票だったというのも象徴的です。イギリスの政治家たちが離脱をちらつかせるなら、同じ政治家同士、いろんなネゴシエーションが始まったことでしょう。

 しかし、今回のメッセージは結果が出てしまった国民投票です。いくらEUがキャメロン首相にどうにかしろとせまったところで、投票の結果は覆りません。仮に引き止められたとしても、イギリス国民は二度とEUを信頼することはないでしょう。

 キャメロン首相もすぐに辞意を表明しました。

 EUやイギリスの政治家は、時代が変わったことを瞬間的に察知したのです。

 この分析力と決断の速さは、さすがヨーロッパ人のリーダーです。別の言葉で言えば民主主義の本当の主人公が誰かを知っているのです。

 ということで、日本や世界がとやかくいい始めたのを尻目に、イギリスの離脱は確定しました。

 週明けからはイギリスがEUが世界が一丸となって離脱に向け進み始めます。日本の関連企業なども腹をくくって動き始めます。

 新しい秩序に向けて。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: かっこいいですね。

フツクロウ: すがすがしいの。