前回も取り上げたポケモンGO。アメリカでは公開3週間となり、大手遊園地 Six Flags ではポケストップのガイドマップが作られるなど、遊園地側も積極的に活用しているようです。
一方気になるのはディズニーランド。従来であれば自分たちのものではないキャラが園内をうろつくなど許し難いのではないかと思うのですが、今の所黙認されているようです。水面下では削除しろと NIANTEC にいうものの、NIANTEC もじゃあ Ingress のポータルも消すぞ、嫌なら設置料払えとか、激しい交渉が行われているのではないでしょうか。
さて、そんなつば迫り合いはともかく、ポケモンGOはこれらテーマパークにとって破壊的なイノベーションです。
たとえば、このプラットホームで、何かのアニメの聖地巡りができるようなゲームを作れます。アニメに登場するシーンの場所に「ポータル」を設置したり、アニメのキャラをポケモンのように集められたり、それで敵キャラと闘えたりできます。「ポータル」は主要なものは最初にアプリ側が用意するにしても、あとは Ingress のようにユーザーに申請してもらえばいいでしょう。
さて、これであるアニメの聖地について、いわば「テーマパーク」ができるわけですが、ここまで作る費用、遊園地やディズニーランドに比べて、破壊的にやすいです。ディズニーランドは建設費に1000億以上かかるし、運営費だってすごいでしょうから、入場料も7000円以上します。
一方「あるアニメの聖地」GOは1000万円もあれば何かできちゃいますし、それで広大な街一つをテーマパーク化できてしまいます。だからアプリも無料でもちろん課金もあるでしょうが、5000円も課金したら大富豪のような遊び方ができるのではないでしょうか。
お土産だって食事だってその地域の特産を楽しめます。食事は遊園地やテーマパークより恵まれているといっていいでしょう。
「あるアニメの聖地」GOは、アニメに限る必要もありません。「真田丸」GOでもいいです。いくつもの地域にまたがるものができれば、コンプリートの難易度もあがり、コアなファンの満足度を高めることでしょう。
直近では、遊園地などは、どうポケモンGOを入場者アップにつなげるかという話題に目を奪われることでしょうが、この位置情報ゲームというプラットホームが顕在化した今、真の恐怖は位置情報ゲームに顧客を奪われることです。
ですからたとえば福山の「みろくの里」というテーマパークだったら、福山全体をフィールドにした位置情報ゲームを提供しつつ、聖地は「みろくの里」自体にするといった、積極的なアクションが必要かもしれません。
ソーシャルゲームが大発展したように、今後位置情報ゲームは、大発展を遂げることでしょう。 Ingress とポケモンGOだけでは、まだ想像が難しいかもしれませんが。
そういった位置情報ゲームとうまく連携がとれるテーマパークはこれからも生き続けることができるかもしれませんが、桁違いのコストがかかることはこれから大きな足かせになるでしょう。
今後はニュータイプのテーマパークが出てくるのかもしれません。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: これ、テーマパークより先に、ニュータイプの博物館とか科学館ができそうですね。
フツクロウ: ホ?
ミライ: ある街一つとか商店街で博物館作るんです。各地、各店舗で、一つとか少しだけ展示するんです。各店舗の一部をただで間借りして展示していくので、まとまった場所や建物がいらなくなります。その展示場所ごとにポケストップ置いてもらうだけで、あっという間に街ごと博物館のできあがり。
フツクロウ: ホホウ。