出張中のホテルでたまたまつけたNHKのクロ現+が衝撃的でした。

 19のいのち  ~障害者殺傷事件・16万アクセスが語るもの~ | NHK クローズアップ現代+   

 19人が殺された障害者殺傷事件。その方々の名前は公表されていません。

 殺人事件の犠牲者数としては、戦後最悪とされるこの事件で犠牲者の名前すら伝えることができなかったNHK。そこで、そのかわりに "19のいのち" というサイトを開設し、犠牲者一人一人の「生きた証し」をたどったのです。

 加害者は
 障害者は不幸を作ることしかできません。
とか
障害者なんていなくなればいい
などと主張しています。

 それを(確かにそれはそうかもしれない)と思う人は残念ながら大勢いることでしょう。

 そんなことは根本的に間違っているにもかかわらず。

 さて、実名報道をすればそれが少しでよくなるでしょうか?

 情報が少なかった昔は、匿名ではなく名前が分かるだけでも、より共感を呼び起こす効果があったかもしれませんが、これだけメディアが発達した今、実名なんて何の効果もありません。

 そうではなく「生きた証し」をしめさなくてはいけないのです。

  "19のいのち" のサイトを見て、(はあん、こいつらはやっぱりいなくなるべきだった)と心底納得する人は、まあなかなかいないでしょう。

 現代で報道すべきなのは、それなのです。

 実名すら報道できないという歯ぎしりの末、では「生きた証し」を報道しようと、実名なしで報道したのです。

 しかも、ウェブを通して。

 19名の「生きた証し」を丁寧に報道することは、テレビではなかなか難しいものがあります。逆に言えばだから実名を出すべきだという話にもなるわけです。

 しかし、ITの発達した現代。ウェブがあります。

 NHKはテレビでの困難をかわすために、19人の「生きた証し」を報道するためにウェブを活用しました。そして、その内容をもとにそれを簡潔に印象的に示すためにテレビを活用したのです。そうすることで、実名ではなく、本当に報道すべきことを報道したのです。

 「金字塔」と呼ぶべきものは、以前にすでにあるのかもしれません。私が無知なだけです。しかし、このような手法は、新しいマスコミの姿になっていくことでしょう。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: 「うんちゃらかんちゃらをうんちゃら鑑みて、実名報道に踏み切ることにいたしました」。

 かーーーーーっぺっ。

フツクロウ: www

ミライ: ほんとむかついてたんですよ。実名報道することが正義みたいな。実際はほとんど益がないのに、害はたくさん。

フツクロウ: ホウじゃな。