森友学園問題は、もうあまりに稚拙な詐欺っぷりで、でも毎日新しい映像が出てくるエンターテイメントとなっていて、楽しいですね。

 さてそんな中、「教育勅語」がスポットを浴びています。「教育勅語」の精神は取り戻すべきだみたいな発言が大臣からあったり。

 ということで、「教育勅語」を改めてチェックしました(以降、引用は wikipedia から)。

 まあ別に、大半はいいこと言ってるわけです。

父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
とか。

 でもその最後に、

一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ (国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)
 
 こんなことが書いてあったから、国が利用しちゃったわけじゃないですか。多分、「教育勅語」ができた時にはそこまで考えてないですよ。

 だから、その危険さゆえに、戦後、これを捨てたわけで。

 それをまた、「その精神は復活すべき」とか。

 もちろん「教育勅語」の大半は素晴らしい話です。そんなの当たり前です。でも、その中の「ごく一部」が問題を起こしたのですから、そこスルーするわけにはいきません。

 なんてことは、初歩中の初歩中の初歩で、「教育勅語」の精神は復活すべきなんて言いだしたら、当然問題になります。

 別に、
父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)

が大事なら、「新・教育勅語」を立ち上げればいいわけで、ほんとにできたら、歴史に名前が残ります。

 でも、その

一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ (国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)
 
 こそ、国の為政者たちにとって、心地よいフレーズです。国がやばいときは、国民全員力を尽くせと。

 裏を返せば、

 今、国が今まで担っていたいろんな役割がどんどん不要になっていて、力が弱まっています。

 当事者たちにしてみれば、それは由々しき問題であり、なので、かつて国をまとめあげた「教育勅語」に憧れてしまうわけです。

 で、そこにつけこんで「森友学園」が生まれました。そういう人たちの琴線に触れて、金や便宜が集まったのでしょう。

 20世紀が生み出した「国」は、今急速に意味を失い始めています。では、私たちのこれからの「国」はどうあるべきなのか、真剣に検討するべき時が来ているのです。


《ワンポイントミライ》(

ミライ: というのに、すでに答えが見え始めているというのが、

 安倍首相のお礼ツイートが見せた真・民主主義の潮流(その1)  

のシリーズだったんですよね!

フツクロウ: ホッホッホ。まっことその通りじゃ。政治家たちは、自身の政治活動を透明化してリアルタイムに