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地方都市の魅力に迫ろう(その7)/気候・人付き合い・寛容
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地方都市の魅力に迫ろう(その7)/気候・人付き合い・寛容

2013-05-20 13:00

     人口75%が住む地方都市の魅力に迫るシリーズその7です。今回で一旦シリーズ最後です。

     大自然に近く、レジャーも混まず、生活も充分便利で物価が安い地方都市。もの作り(DIY・MAKERS)も手軽に楽しめます。さらに魅力を羅列を並べてみましょう。

    気候
     都会は朝蒸し暑いと感じているなら、地方に魅力を感じるかもしれません。

     気温と雨量の統計のページで、東京(実線)、福山(破線)の気温を比較すると、
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     福山の最低気温は随分低いです。というか、このサイトでいろんな都市を比較すると、東京や大阪は最高気温と最低気温の差が他と比べて小さいです。

     寒暖の差が少ないなんて、東京・大阪いいじゃないかと思うかもしれませんが、個人的には逆で、福山に来て、朝涼しくて快適です。東京住んでいて、ずっと朝熱こもってるなあと思っていました。
     さらに日中、日陰が涼しいです。昼夜寒暖の差があることで、日中でも日陰の温度はゆっくりあがるのでしょう。私のオフィスは北向きなので、基本的に温度が低く、今だに膝に毛布をかけたりします。もちろん日向はあっちいですが。過ごしやすいです。

    ほどほどの人間関係
     さて、都会と違って田舎は人間関係が面倒なんじゃと思うかもしれません。確かに人口の少ない田舎だとお互いやってることは筒抜けだし、それに伴っていろいろ気を使う必要もあります。

     しかし、たとえば人口50万人弱の福山市は、そんなことはありません。よほど大都市の方が近いです。うちは子どもがいて、うちの周りは子どもだらけで、自然に遊ぶので、母親もそれに合わせて交流というくらいには近所付き合いも起こります。でもDINKSが好むようなアパートやマンションであれば、挨拶程度だろうなと容易に想像付きますし、一人暮らしのところもそうでしょう。

     みんな昔の付き合いが濃すぎた時代を知っていますから、今の私たちは過剰な付き合いを避けたがります。それは都会だけでなく、地方都市でもそうです。田舎でも相対的に付き合いはより濃くなりますが、昔程ではないでしょう。

     逆に都会では、付き合いが希薄すぎることの弊害を嫌って、シェアハウスなどが流行り始めています。都会は希薄過ぎるし、田舎は濃過ぎると思うのであれば、その間の地方都市に自分にとってちょうどほどほどのところがあるのではないでしょうか。

    寛容
     また今都会に蔓延している極度の不寛容はありません。
     それを象徴する引っ越し直後の出来事です。子どもが新しい小学校に転入しました。一日目は「迎えに来てください、そこでいくつかお伝えすることがあります」と指示があったので、迎えに行きました。  が、応対に出た先生はあれ、そうでしたっけって感じで、それからあれこれ学内聞いて回っていろいろ伝えてもらえました。都会感覚で随分ずさんに思えたのですが、例えば賃貸契約とかいろんなところで同じようなことが起こりました。のんびりしているのです。実際それでなにも困ったことは起こりません。
     強いて言うなら、1分1秒刻みのスケジュールで動いていると、もっと効率よく対応して!と思いそうですが、少しのんびり生きていればまったく気になりません。いまやスマホで仕事できますから、時間が惜しいなら仕事することもできますし(しませんけど)。

     この時間の流れ方は、人口50万人弱、1700余りある市町村中36位の福山市ですら、大都市とはまったく違います。のんびりしています。
     でも本当の田舎から見れば福山市も随分忙しく見えることでしょう。朝の通勤時間帯に交差点の信号変わってももたもたしてたら、すぐクラクション鳴らされるくらいの慌ただしさはあります。

     今はクリエイティビティを要求される時代です。クリエイティビティを要求されるとは、1時間働けば、これだけ成果が出ると決まらず、毎時間、毎時間の成果にムラがあるということです。言い換えれば1日の働く時間を長くしても、成果が増えるとも限りません。必ずしも1分1秒に追いかけられるような働き方をしなくても良くなっています。地方都市なら、そういう働き方がよりしやすいです。

     そして、社会がのんびりしているということは、より寛容な社会です。東京で電車に乗る為には、無数のマナーを守る必要があり、余りの多さに、駅構内ではそれをポスターにして掲示するようになりました。そうでもしないと覚えきれないし、守りきれません。守らなければ容赦なく批難されます。
     電車に限らず、あらゆる場面でマナーが増殖し、それを一つでも守れないと攻撃される。大都市以外は、そこまで不寛容ではありません。

     東京にいた頃は、職住が近く自転車通勤していたので、いわゆる新宿・池袋といったターミナル駅はたまにしか行かないので、うまく歩けず苦手でした。
     東京を離れて1年がすぎました。最近は東京だけでなく京都の中心地でもちょっと歩くのが苦手になってきました。人が多いところ歩くのって実はめちゃくちゃ高度な技術です……。

     それくらいなら、都会は活気があっていいなあとも思えるのですが、最近は東京に来ると「うわ〜、みんなイライラしていて怖い」と感じるようになりました。仕事先の直接合う人たちは、みんなニコニコなんですが、移動中の人たちはみんなイライラしているように見えます。昔地方の人に似たようなことを言われたことがあるのですが、「そうかこのことか」と実感しました。
     
     移動する人のイライラに疲れたら、ぜひ地方都市や田舎を検討してみてください。

    まとめ
     普段余り話題にならない地方都市。
     都会でも田舎でもない中途半端のせいですが、バランスは取れています。

     大自然に近く、レジャーも混まず、生活も充分便利で物価が安い。
     今はやりのもの作り(DIY・MAKERS)も手軽に楽しめます。
     気候も過ごしやすいところがいろいろあります。
     人付き合いもほどほどですし、都会程イライラする必要もないし、不寛容でもありません。

     都会に住んでいて、いつか都会を離れたいなと思っていても、田舎はあまりに不便だよなと思う人は、ぜひ地方都市に目を向けてください。100万人近い都会に近い街から、1万人くらいの田舎に近い街までいろいろあります。きっと自分の肌に合う街がありますよ!

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