フリーCGツール「MMD」で全話作るというアニメが始まるそうです。

【ニュース】フリーCGツール「MMD」を使用した新アニメ『直球表題ロボットアニメ』が2013年2月からMXテレビ、とちぎテレビそして、ニコニコ動画で放送開始! 

 MMDは約5年前樋口優さんという個人が発表したフリーのコンピュータグラフィック(CG)ツール。正式名称はMikuMikuDanceと言って、最初は初音ミクだけが動かせるツールでした。
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 無償で使える上に、従来の高価なCGソフトにはない使いやすさで、爆発的に広まり、今ではとりあえず何でもできるところにまできています。しかもそこそこのPCがあれば、誰でもです。誰でも歌を作れる「誰でも化」は、初音ミクという商用ツールで起こりましたが、CGの「誰でも化」は個人のツールがきっかけとなったのです。

 それ以降の快進撃の様子は1年前に書いたこちらのエントリーか、

 創作ムーブメント CG編 ~MikuMikuDance の衝撃~

asciijp による超力作の解説、

3Dアニメに国境なし!世界が注目するMMD、その理由は?  

が参考になると思います。

 さて、今回そのMMDを全編に使う地上波初のフルMMDアニメ。その名は『直球表題 ロボットアニメ』。ものすごい直球・・・。

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 さて、いったいMMDを使うことにどんな意味があるのでしょうか。

 ツールがタダだから制作費が安く済む! ということがもしかしたらあるかもしれませんが、普通プロはプロのツールを使います。なんかあったときにツール会社に問い合わせとかできますし。

 そのメリットを棄ててまでMMDを使う理由。それは視聴者との新しい交流を目指しているのではないでしょうか。この「ロボットアニメ」が各ロボットのモデルや、作中での動きデータをどれくらい公開するのか確認できていませんが、可能な範囲でしてくると思います。そうすれば、視聴者も派生CGを作ることができます(公開されなくても誰かが作ってしまうと思いますが)。ある戦闘シーンを別アングルで再現なんてこともできるかもしれません。制作者も視聴者も同じツールを使うのですから、今までの対話と違って、作品そのもので対話することができてしまいます。

 そういった派生CGに刺激されて、本編になんらかの影響が出るかもしれません。派生CGの質が高ければ、本編は気が抜けない日々が続くことでしょう。

 制作者と視聴者の間でどんな共創が起こるのか目が離せません。第一話は2月5日(ニコニコ動画では2月7日)放送。楽しみです!

 ちなみに、ニコニコ動画上では、自主制作MMDアニメ「慟哭のナイトメア」が着々と準備されているようです。第一話は1月25日公開予定ということで、こちらも大変気になるところです。

・併せてどうぞ
創作ムーブメント CG編 ~MikuMikuDance の衝撃~】 

追記:
 『直球表題 ロボットアニメ』始まりましたね。戦闘ロボットはもちろん、非戦闘ロボットもモデルばんばん公開ですね! とはいえ、なんていうかそういう展開ですか。私は全然オッケーですが、アクションバリバリを期待しているとちょっとびっくりでしたね。タイトルに「直球」と入れてる時点でなんか臭かったですが。 オープニングとか、中盤とか、アクションバリバリなシーンも一応ありましたが、やはり最近発表された自主制作MMDアニメ「慟哭のナイトメア」と対照的すぎ…。

 個人的には来週からも楽しみです。