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今回は、私もささやかに関わっているプロジェクトの紹介です。
『Whole Earth Intelligence』は、次世代オンラインマガジンで、関心空間などを開発したプラットフォームデザイナーの前田邦宏さんが代表を務めるユニークアイディ社から出版されます。10月初旬に公開とのことです。
現在寄稿者を募集していて、その第二回説明会が明日(といっても今日ですが)、第三回が9/25に行われます。
第二回『Whole Earth Intelligence』寄稿者募集説明会のご案内:9/18
これ読んで、寄稿に興味が出た人は是非参加してみてください。図書カードがもらえるそうです。
さて、この『Whole Earth Intelligence』、どんな内容かというと、
より複雑化する世界やリスク社会の中で、生き延びるための智慧を得るための分野横断的で、予見的な新しい“視点”を集積し、提供します。なんとこのミラフツと同じような方向です。特に、グローバル視点、普遍的課題、分野横断的、課題解決指向を重視するそうです。私自身はまだこのオンラインマガジンそのものには関わっていないのですが、テスト中の様子は見せていただいていて、読み始めると止まらないこと請け合いです。特にネットやニュースで見て気になったものについて、自分で調べ始めることってあると思うのですが、まさにそういう情報がタイムリーにあがってくる感じです。
そして、この壮大なテーマを扱うために使われるプラットフォームは、「シンクショナリー(Thinktionary)」と呼ばれます。実は、私が活動しているNPO法人未利用資源事業化研究会(略して未利研)は、今このプラットフォーム「シンクショナリー」を使って、未利用資源に関する次世代オンラインマガジンを構築中なのです。
この「シンクショナリー」というプラットフォームは、
集合知構築支援データベースと電子出版機能を融合したキューレーション・プラットフォームとなにやら難しそうな説明ですが、これ、NPOとかが使うのにとっても良くできているのです。
実際に未利研の場合で説明すると、まず未利用資源の情報を集めます。そういった情報を整理しながら、まとめの文をつけていきます。たとえば、通常捨てられている海藻を活用しているような事例を集めて、まとめをつけるといったことです。
そうやって、構造的に整理する一方、それらの情報を「あれ、これとこれ関係あるかも」とくっつけることもできます。たとえば全然違う分野の未利用資源の事例だけど、スウェーデンに具体例があった場合に、「どれもスウェーデンだ」とくっつけたりできます。
また、会員からのエッセイも収録できます。ご自身の未利用資源活用事例や、シンクショナリーに集められた情報に触発されて生まれるエッセイもあります。
さらに、これらの情報にコメントをつけていくことで、それぞれの話題で議論しながら、より内容を深めていくことができます。
そのように集合知が育っていく訳ですが、「電子出版機能を融合」とあるように、その育った集合知を簡単に出版していくことができます。集合知の中から紹介したいものを選択して、編集後記などをつけるだけで、自動的にレイアウトされ、HTML形式のメルマガとして、会員にメールを送付することができます。
こんな感じです。上記のイベント案内でもっと大きいサイズのが見られます。
こういうのがメールで届くのです。うちのNPOのを試験的に一部の会員に送ってるのですが、みんな「すげ」っていう感想が帰ってきます。
気になれば、リンクからシンクショナリー本体に飛ぶことができて、データベースをいくらでも散策することができます。
さらにさらにすごいのは、ここから簡単に紙媒体の会誌にもできるということです。もちろん編集作業はいるのですが、かなりの部分自動化できているので、雑誌編集のコストをかなり抑えることができるそうです。
これがそのサンプル。やはり上記のイベント案内から、もっとたくさん見られます。
なにやら、
現在、デザイナーと紙でハイパーリンクをどこまで実用的に表現出来るか実験中。試行錯誤の過程をチラ見せ。と書いてあるので、普通の雑誌とはちょっと違うようですよ? どんなものなのか、手に触れてみるのが今から楽しみです。うちのNPOもこんな感じで出せるといいです。どのくらいの予算が必要になるのかとっても気になるところです。
NPOにとって会誌というのはかなり重要なアイテムで、少なくとも年1回出せるとそれと一緒に会費納入のお知らせを送ることができます。メールでお願いすることもできますが、それだと支払いがなかなか進まなかったりしますし、とはいえ納入のお願いだけ郵送するのもちょっと厚かましいし、かといって、会誌を作るのもなかなか大変です。
しかし、シンクショナリーを作って、1、2ヶ月に1回メルマガを発行しておけば、年1回それらを合わせて再編集するだけで、会誌がだいたいできてしまいます。さらにいくらかオリジナルコンテンツや活動報告を増やせば、申し分ない分量の会誌の完成です。
ということで、このプラットフォーム、NPOの情報収集およびそこから刺激されて生まれるNPO独自のコンテンツ創作活動を大いに誘発し、またNPOの運営を強力に支援するのではないかと思います。
未利用資源事業化研究会として、データベースの構築というのは設立当初からの目標だったのですが、やるからにはできればデファクトスタンダードになりたいし、でもリソースが限られる中その見通しが立っていませんでした。しかし、シンクショナリーと出会ったことで、少なくとも挑戦はできそうになってきました。嬉しいです。
皆さんも、ぜひ次世代オンラインマガジン『Whole Earth Intelligence』の寄稿や、ご自身の活動のプラットフォームとしてのシンクショナリーの採用検討してみてください!