ミライ: ゼロから学ぶロングテール(その7)です! 今回は……、「∇型人間」? フツクロウさん、なんですか、これ。そもそもなんて読むんですか?
フツクロウ: その記号は数学で使われるもので、「ナブラ」と読むから、かっこよく読むなら「ナブラ」型人間じゃな。「T」の形に対して三角の形を示しているから、「三角」型人間と読んでもいいぞ!
ミライ: Tの形と三角の形で何が違うんですか?
フツクロウ: そこが今日のテーマじゃな。T型人間というのは聞いたことあるかの?
ミライ: はい。えーと、狭く深く物事を追求する研究者に対して、それだけではタコツボな研究になる危険があるから、広く浅い知識も合わせ持ったT型人間を目指せという話ですよね。
フツクロウ: その通りじゃ。I型でなくT型を目指せなんて言われ方もするの。さらには、二つ専門を持つΠ(パイ)型が良いとも言われるの。
ミライ: はい。聞いたことあります。
フツクロウ: じゃが、本当にT型でええんじゃろうか。
ミライ: え?
フツクロウ: 狭く深く最先端の研究をしとる研究者に必要なのは、あらゆるクイズに答えられるような大量の雑学じゃろうか。
ミライ: ……。うーん、いやちょっとそういうイメージでは。
フツクロウ: じゃろ。たとえば、将棋の棋士なら囲碁もかなり強いし、人狼も強い、そして博学であるみたいなのがええじゃろ。
ミライ: はいはい、そういうイメージです。
フツクロウ: つまり、求められているのはT型の文字そのもののような、狭く深くと広く浅くの二つの組み合わせではないんじゃよ。
ミライ: むむむ、言われてみれば。
フツクロウ: 求められる知識の構造は、ずばり様々なレベルの知識をバランス良く持つ、次のようなものじゃ。