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【馬】マイルドヤンキー論の限界と使い方
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【馬】マイルドヤンキー論の限界と使い方

2014-03-21 00:00

     久々に【馬車目線】(?)でお送りします。

     最近「マイルドヤンキー」という言葉が流行ってますね。ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体  という本がきっかけだそうで、まだ読んでないんですけど、ネットでの紹介を見ているとマーケティングとしてはとても重要な点を押さえていて、私も参考にしていました。

     そこまでは良かったのですけど、その後、いろんな人がどんどんいろんな話を書いていて、どんどん乖離しています。話題になってるような記事は一通り見ていると思いますけど、話題になっている記事には、地方在住の方が書いたのはなさそうに見えます。

     昔東京にいて今地方にいる立ち場でこれらの記事を読んだ感想を淡々と書いておきます。たとえばここにマイルドヤンキーの特徴というのが載っています。

     マイルドヤンキー賞賛とその先にあるもの、、、

    ざっくり言って、マイルドヤンキーの特徴は以下の通りです:
    ・生まれ育った地元指向が非常に強い(パラサイト率も高い)
    ・郊外や地方都市に在住(車社会)
    ・内向的で、上昇指向が低い(非常に保守的)
    ・低学歴で低収入
    ・ITへの関心やスキルが低い
    ・遠出を嫌い、生活も遊びも地元で済ませたい
    ・近くにあって、なんでも揃うイオンSCは夢の国
    ・小中学時代からの友人たちと「永遠に続く日常」を夢見る
    ・できちゃった結婚比率も高く、子供にキラキラネームをつける傾向
    ・喫煙率や飲酒率が高い
     こういう人はいると思いますし、この項目がいくつか当てはまる人は結構いると思いますけど、このあたかもステレオタイプと思われる項目が全部当てはまる人は、決して多数派ではありません。二つの保育所と小学校の運動会などの行事やら地域の運動会や祭りやらに行って、大勢の人を見てますけど、これ全部揃ってたら、目立つと思います。これは典型ではありません。

     都会が多様化しているのと同じように、地方だって多様化してます。地方にもステレオタイプはありません。

     都会から地方の消費パターンが見えなかったという意味で、元々の「ヤンキー経済 消費の主役」といったテーマで地方でのマーケティングに切り込む方法ができたという点で画期的な本だと思います。その方法でマーケティングすれば、そこそこいい成績も出るだろうなとも思います。

     だからといって、そうやって生まれた商品を買っている人が全員そこに書いてあるような人かというとそれは全く違います。

     地方は地方で必死にマーケティングしています。
     例えば回転寿司。地方でも人気で、おかげで回らない寿司はひん死状態ですが、回転寿司の中でもお互い熾烈に戦っています。 廻鮮寿司しまなみというチェーンは広島県福山市中心にしかありませんが、他よりも高めで、でも地元で捕れる生海苔を使ったコラボ商品を期間限定で出したりとか、ちょっと高級系で差別化に成功していて、1時間待ちとかざらな大変な人気です。上記のステレオタイプだけでのマーケティングでは、これら回転寿司同士の差別化競争はできません。

     都会の人がグローバル化の号令の元、海外ばかり意識していたけど、実際には日本中に商品を売らなくてはならず、でもうまくいかないと思っていたら、全く知らない消費パターンの人たちがいて驚いている、今そういう状態なんだと思います。これをきっかけに都会の人が地方にも意識が行くようになり、よりいい商品ができることは素晴らしいことです。
     が、じきに上記のステレオタイプだけでは地元でシビアにマーケティングしてる企業には勝てないことにも気付くでしょう。そしてさらに深い理解へと進んでいくのだと思います。

     一方で、マイルドヤンキーがこれから地方の主流になると仮定して、未来では社会がこんな風になる、たとえば二極化が進むといった予想には慎重になった方がいいと思います。

     たとえば上記のステレオタイプについて、いくつかマイルドヤンキーにとどめず考えたい項目があります。 
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