バイラルメディアが作った癒しメディア空間(その1)の続きです。
バイラルメディアは「短期間で爆発的なトラフィックを集める」ことを目指す物ですが、そうしたら、煽りや炎上というネタではなく、秀逸な日常ネタ、少し癒されるようなネタが中心となりました。人々がちょっとした隙間時間に拡散するのはそんな記事だったのです。
癒しネタを何度も流通させるバイラルメディア
さらに、バイラルメディアは、内容は他のメディアと同じでも、再び見てもらうための努力は惜しみません。たとえば、タイトル。先日こんな調査が話題になりました。同じネタでの各メディアでのタイトル比較です。バイラルメディアがこぞって「溺れたカラスを熊が助ける動画」を取り上げていたので、タイトルのつけ方を比較してみた | netgeek
ブログはタイトルが命とか言いますし、どっかのメディアは毎回25個タイトル考えるとかどっかで読んだし、タイトルは生命線です。
その生命線についてはパクることなく、各メディアらしさを維持しつつ読まれるタイトルをつけることに心血を注いでいるのです。
また、それを消費する読者もその状況を楽しんでいます。なんか知ってるような気がするタイトル見て、クリックして「そうそうこれこれ、見た見た」とまた小さな癒しネタを楽しむのです。「同じようなネタばかりでうんざりする」人もいますが、それがいい人もいるわけです。
現時点でバイラルメディアは雨後の筍状態ですし、飽和してきたように見えるので、これからはしばらく淘汰の時期が来るかもしれません。それにつれて繰り返しパクられる量もどこかに安定するのでしょう。
しかし、私は一般のメディアのネガティブ率の高さにうんざりしてるけど、世の中にはそれでいい人がいるのと同じように、バイラルメディアもこれからも需要のある分だけ、パクりあいをするでしょう。一部の人はそれにうんざりしますが、世の中に需要はあるのです。
既存メディアは癒しネタを流通させることができなかった
一方、このような需要は今までのメディアも気付いていました。バズったyoutubeの動画はツイッターやfacebookなど各種SNSで拡散しますし、テレビでだって紹介しています。でも人々の欲求はとてもそれでは満たされなかったのです。リツイートやシェアのようなやり方でキュレーションするバイラルメディアによってようやく「うんざりする」人が出るくらい十分な癒しネタ供給ができるようになったのです。画して、満遍なくメディアに触れると、一部ポジティブ、一部ネガティブ、大半小ネタという実生活に近い比率になりました。メディアが日常の隅々まで浸透した結果だと思いますし、そのおかげでメディア全体は以前より快適になりました。煽りや非難などイヤな記事の比率が適性に減ってくれたからです。
今後の展開
以上のように、既存のメディアには流通させることのできなかった小ネタを流通させることに成功したバイラルメディア。しかし、今のところいわゆるパクリではないかという問題を抱えており、解決していかなければなりません。根本的には今の著作権法が時代についていけてないことが問題ですが、そこはなかなか変わらないでしょうから、なんとか今の法律の範囲で対応していくしかありません。
しかし、これだけ需要があります。これからは著作権の問題にきちんと対応していく体力があるメディアが生き残っていくことになるでしょう。
パクリとまで問題視されるくらい手軽なキュレーションによって人々の欲求が満たされているのも確かです。適切な形でバイラルメディアが発展し、メディア全体がさらに心地良い空間になってくれることを願っています。
さて今後バイラルメディアの淘汰が進むとすると、さらにもう一つ疑問が生まれます