いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める短い記事[S]です。 

 こんな記事を見かけました。

 松本人志 膨大な時間と費用をかけたハーバード大学の研究結果に呆れ

とある研究の紹介です。
 ハーバード大学は最近、「どのような男性が将来性があり仕事で成功するのか?」という研究の結果を発表した。

(中略)20億円という研究費と、75年間という長い期間が費やされた。

(中略)発表によると、「将来性」は、IQや生活習慣とは関係なく、幼少期に母親と温かい関係を築けていたかどうかに左右されるという。
本文は、盛り上げる必要もあってか「当たり前とも思える結果」にみんな呆れるという文脈ですが、この論文ものすごい結果ですよね。

 気になるのですが、すぐに元論文見つけられなかったので、とりあえず[S]にしておきます。

 結果はその他に、
「結局、周囲と良い関係を築ける男性が社会的に成功する」

「簡単に言うと、両親が健在で、たっぷりと愛情を注がれたらできる男になる…」
ということだそうです。

 「当たり前とも思える結果」とか書いてありますけど、これっぽっちも当たり前じゃないです。この結果伏せて、街で「どのような男性が将来性があり仕事で成功するのか?」のアンケートとって、当たり前のように「人間関係」がトップになるでしょうか。

 もしこのハーバードの結果が正しいとして、アンケートの結果も「人間関係」がトップではないとしたら、社会はまだまだ最適化されていないことになります。

 もし、幼少期に母親と温かい関係を築くことが幼児教育でもっとも大切なことですというコンセンサスが社会全体でとれたら、社会はどう変わるのでしょうか。

 働いているいないにかかわらず、ゆったりとリラックスした状態で母親と子供がつきあえる時間が、しっかり取れることが大切になります。

 残業減るでしょうか。育児中の人だけ残業少ないのは不公平で、なので社会全体で減らさないといけません。それで、介護の人や、短時間労働の人も働きやすくなります。

 特段の理由がなくても、一時的に子供を預けられるサービスを行う自治体があります。ママがリフレッシュできるようにということで、このようなサービスにもお墨付きを与えることになりそうです。

 そのサービスに限らず、母子二人きりだと煮詰まりかねないところになんだかだと関われるようなサービスが定着するかもしれません。実際すでにいろいろあるのですが、問題は、そういうのが必要な人程、そういうサーヒズを知らない、知ろうとしないことで、なので、社会全体がそれが当たり前、知らずにいられない状況にまで持っていく必要があります。

 今注目されている早期教育というのに、一定の指針が生まれるかもしれません。何をするにせよ幼い頃の方が効果があることは確かで、ですが、では幼児期に何を教育すべきかということは、非常に難しい問題です。少なくとも私はいわゆる読み書きそろばんを詰め込むことだとは思っていません。

 それに対してこの論文は、「幼少期に母親と温かい関係を築く」ことが重要というわけですから、幼児教育に投資するとすれば、その構築が促されることに割けばいいということになります。それが教育なのかピンと来ないところもありますが、それゆえ、この問題はまだまだこれからです。

 また、「周囲と良い関係を築ける」というのも非常に面白いキーワードではないでしょうか。一見「コミュニケーション能力」と見間違えそうですが、別に全然喋れなくたって、家族や職場で良好な関係を持っていればいいわけですから、「コミュニケーション能力」だけの問題ではありません。

 つまり、今「コミュニケーション能力」が求められ、授業でも訓練するような時代ですが、大事なことは、「周囲と良い関係を築ける」ことです。むしろ「コミュニケーション能力」ばかりに注目するあまり、「コミュニケーション能力」がないだけで、周りとの良い関係を築き損ねているようなことが起こっていないか、とても慎重に見極める必要があります。