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上手に寄付を売る時代
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上手に寄付を売る時代

2014-11-18 10:45

    (11月18日に公開する予定の記事でした。1週間遅れで配信です。申し訳ございません)

     学園祭で、寄付を付けたら500円のボールペンが良く売れたという話が話題になっています。

     女子大の学園祭で普通の2色ボールペンが1本500円で次々と売れたのはなぜか? |株ニュースの新解釈|ザイ・オンライン  

     500円だと子どもが買えなくて困っていたので、急遽募金箱を置いたら募金も集まったが、飴を付けるようにしたら、
     キャンデー目当てで子供たちが募金のリピーターとなったりした。
    と好評だったようです。

     元記事は、とても売れそうにない500円のボールペンをどうやったら売れるようになるかというテーマだったのですが、これを読んだ時思ったのは、逆に「もし、これを寄付だけを募ったら、同じくらい寄付が集まっただろうか」ということです。

     たとえば、ふるさと納税では、寄付すると地元の特産品がもらえるお土産付きがとても流行っています。kickstarterなどのクラウドファンディングでは、なにかガジェットを開発するのに最初の製品がもらえるタイプの寄付が人気です。

     寄付は仏教で喜捨とも言われるそうで、本来見返りを求めてはいけないわけですが、こんな風になにか見返りがある寄付が最近は普通にありますし、むしろ見返りを求めない寄付より広く行き渡りつつあります。そんなの寄付じゃないと言う議論はありますけど、本来の寄付は相手がどう使おうと勝手なのに、世の中の大半の寄付は目的を限定してますから、どっちもどっちです。

     なぜそんな風に流行っているのか。人々が寄付をした時に、それが本当に役に立っているか知りたいからではないでしょうか。ふるさと納税であれば、自分が寄付をして、自分のところに特産品が届くことで、自分の寄付金がそのふるさとの経済に貢献したことを体験できます。
     kickstarter では、物が届くことで、自分の出した出資金でそのプロジェクトが実行され結果を生み出したことを体験できます。もう少し待ってそれが商品化されればその方が安くなるかもしれませんが、開発を資金的に手伝ったという体験も得られるわけです。

     ボールペンによる寄付にしても、本当にそれがだれかに届くところを見るわけではありませんが、そのボールペンを見ることで、「ああ今頃だれかボールペンを手にしてるかな」と想像できるというストーリーを一緒に買っていますし、こどもたちがキャンディー付き寄付をリピートするのも、キャンディーなんて自分で買った方が遥かに安いことが分かっていても、その物語付きキャンディーを買いたくなっているわけです。

     以前のミラフツの記事

     【「ニートの歩き方」に見る社会の最新技術3】寄附をすると楽しく暮らせる 

     では、ニート代表の pha さんが互いによく寄付しあっている話を紹介しました。純粋に寄付なんだけど、
    他人にお金をあげるってコンテンツとして面白いというのがある。千円でマンガを買うよりも、千円をニートにあげてそいつがどう使うのかを見たほうが面白かったりする。つまんないときもあるけど。
     という楽しみ方をしているそうです。見返りは期待してないけど、それがどう使われるかは楽しむ対象になり、つまり勝手に見返りを回収しているわけです。

     たとえば、500円ボールペン記事でも例が出ている Table for Two。自分がそのランチを食べると途上国で誰かが1食食べられるという寄付付きのランチ。もし、これを食べた時、スマホで自分の顔を撮ると、次途上国で誰かが食事を受け取る時、その人の顔が見られ、しかも今度はその子の顔が撮られ、元の人が見ることができる、そんな仕組みができたとしたら、きっともっと Table for Two を食べる人が増えるに違いありません。食べる度に違う国、違う子の顔が届くのですから、繰り返し食べたくなること請け合いです。(もしかしたらもう実現されているかもしれません。だったら素晴らしい!)

     つまり、 
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