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「考える力」を身につけさせるとは。(その1)
の続きです。
若者の理系離れというのが話題になります。先日コラボプラネットの事務所にお伺いした時、中1から中3の理科の教科書を見せていただきましたが、絶望的に印象的でした。
なんか、生活と関係ないのです。
大昔は理科というのは、学校の学問と身の回りをつなぐ役割だったのではないかと思います。学問の興味を引くための。
でも、今理科に出てくる植物は、こどもにとって理科で「初めて見る」ものなのです。しかも、であれば当然将来何の役にも立たないのは誰から見ても明白です。普通に街に暮らしていれば、知らなくてなんの問題もありません。
私ですらそれは少し言えて、ホウセンカは育てたけど、その後私の人生に出てきたのは、子供が学校で育てたときです(笑
それは笑話で済みますが、教科書を見ていて、あれこれあれこれ、どうでもいい子にとってはほんとどうでもいいよなあと思ったのです。これ全部覚えなさいと言われたら苦行だなと。
例えば星にしたって、都会に住んでたら、生活ではすでに見えないものです。生活で見ていないものを叩き込まれることにすぎません。
中学の理科の内容そのものがだめだと言っているわけではないのです。それは高校の化学などへの橋渡しであり、内容は履修すべきかもしれませんが、題材が、本来手段だったのに目的になってしまっているのです。
だからむしろ考える力は算数・数学の分野でやったほうが早いような気がします。「パズドラの400万モンスターの各レベルに必要な経験値はいくつか」を考えることを一応の目標にして、パスドラの背景にある数学を探る方が、子供にとってははるかに「身の回り」の題材です。パズドラは有名ですからそれこそそれらの答えは検索ででてくるでしょうが、であれば自分のやってるゲームの中で算数がどうなっているか調べてみたらとても面白いことでしょう。
理科にしても、まずは塾なんかはあらいざらい生活に密着した題材に翻訳すべきです。植物とか、普段食べてる野菜に翻訳出来ないでしょうか。身の回りの題材から学問に興味を持たせるという本来の理科の役割を実行すれば、子供達にとってもはるかに楽しいはずなのです。
ここで細心の注意が必要です。例えば子供が好きな野菜ランキング1位の「トマト」を題材に子供たちが食いつく授業をできたとして、でも、それがどう学校の理科の点数を上げるのに関わっているのか「目の前ニンジン」は用意しておかなければなりません。それをやったから、学校の問題のこの問題は解けるようになったと。
「考える力」を身につけさせたいと思う、塾や親(そして学校)はまず、このあたりに注力するといいのではないでしょうか。
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