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昨日、福岡市は糸島市で出張型学習塾ブランチや探求学習トランクを展開している株式会社コラボプラネットの事務所にお伺いしました。そこでいろいろ意見交換をして考え始めたら、堂々巡りになり始めたので、書いておこうと思います。
学校の先生とか、塾の先生は、子供達に単に試験の点数をあげるだけではなくて、「考える力」を身につけて欲しいと考えるのではないかと思います。
もちろん、学校の成績が悪くて来る子供と親にとって大事なことは、目の前の試験の点数です。ですから、塾側も試験の点数が上がるように指導します。そういう「目の前ニンジン」の対策もしつつ、「考える力」を身につけられるような指導も織り込んで、生徒がいずれ「ラットレース」から抜け出せるようにと考えたいものです。
しかし、問題はその「『考える力』を身につけられるような指導」というのは、その子の親にとってみれば、一見不要な、むしろ有害な指導に見えてしまうのではないかという恐れがあるのです。
ここまで「考える力」というのをぼんやり使ってきましたが、ここでは、未知の問題に取り組める力としましょう。参考書の正解が載っている問題ではありません。答えがあるのかないのかも、どの切り口で取り組めばいいのかも誰も知らない問題に取り組める力です。
その力をつけるために、もっともキーとなる力は自律です。
正解があるかもわからない問題に取り組むには、当然自律的な取り組みが必要です。答えを見れば解き方が載っている問題の解き方を探すのとは次元の違う話です。
さらに正解があるかもわからない問題に取り組むには、いろんな角度から問題に取り組むために、豊富な知識や経験が必要です。それは、ただ学校の勉強をこなしていればいいという問題ではありません。雑学も必要だし、いわゆる趣味と言われる分野もいろいろかじってある方が有利です。つまり旺盛な好奇心でいろんなことやってる人が得なわけで、自律的であることが間接的に大きく関わってきます。ある日特訓して自律的になればいいというわけではなく、より幼い頃から自律的にいろんなことに興味を持って取り組んだ蓄積が効くのです。ジョブズが学生のときに取っていたカリグラフィの授業が、Macintosh コンピュータを作るのに効いたのです。
親として、その話を聞いたら、子供にカリグラフィを習わせますか? 明らかに馬鹿げています。 「考える力」を身につけさせますという塾が、ジョブズがやってたからとカリグラフィを教えてたら任せられますか? いや、それはまずいですよね。
でも、それこそが「『考える力』を身につけられるような指導」の難しさの本質ではないかと思うのです。
つまり、「考える力」とは子供自身が自分で身につけるものではないかということです。親であれ、学校であれ、塾であれ、それをサポートすることはできるけど、それを直接教え込むことはできないのではないかということです。
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