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税金の社会から寄付の社会へ
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税金の社会から寄付の社会へ

2015-10-23 23:45

     最近こんな記事を見かけました。

     時事ドットコム:子どもの貧困で寄付呼び掛け=政府  
     政府は19日、子どもの貧困対策を議論する「子どもの未来応援国民運動」の発起人会議を首相官邸で開き、1日に創設した基金への寄付を呼び掛ける決議を行った。基金は、経済的に厳しい子どもを対象としたNPOの生活支援事業などに活用する目的で設立。政府は今後、基金を運営する日本財団とともに個人や企業から寄付を募る。
     子供の貧困に対応するために基金を作り、寄付を呼びかけるというものですが、この記事が出た直後からさっそく「こういうのは税金でやるべきではないのか」という声がたくさん聞かれました。

     確かに一瞬そんな気がしましたが、でも時代の流れを考えるとこの方がいいのかなと考え直しました。

     なにしろ国のお金というのは、国民の税金ですから、基本的に「誰も文句言わない」ように使わなれなければなりません。子供の貧困に関しても、子供より高齢者の介護問題を優先しろと考える人は社会にいますから、たとえばその使われ方に問題があれば、それが些細なものであっても激しく追及されることもあります。しかも何年も遡って。

     個人的な基準として、お金の適正な使い方について、領収書とか見積もりの取り方については、普通の営利企業がやってる程度が基準だと思っています。あまり細かいとそれをチェックするのにコストがかかってしまうから営利企業は適当なところまでにします。その辺がコスト的に一番効率的なのです。

     しかし、税金となるとそれよりはるかに厳しい基準になってしまいます。ですから、普通の企業より、ずっとそういうコストがかかってしまっているわけです。実は人口減少のこの局面において、それは役所にしても仕事が減るわけですから、そういうよりコストのかかるチェックというのは、自分たちの仕事が確保されるという意味で悪いことでなかったりします。

     そんなわけで、国の予算の執行はますます厳格になり、非効率になります。

     でも、そんなお金の使い方じゃ、こんな0GDP成長の時代に、まともに働かないんです。

     ですから、こういう寄付に頼るやり方が効率的になります。

     寄付する人は、子供の貧困に理解のある人ですから、その支出の選びかたにしても、理解が得られやすいです。支払いについても過剰な手続きまでする必要はありません。

     一方、寄付をした人は、たとえばその40%分は税金を減らしてもらえます。つまり、そういう形で、国もお金を出してくれているわけです。でも、直接税金を出しているわけではなく、税収が減るという間接的な形でのサポートであり、税金の使い方に目くじらをたてる人からの目をある意味逃れることができます。一方基金方はよりコスト意識のあるお金の使われ方をすると。まあもちろんこのこども基金の運営がひどいことになることもありますが、そういうのはこの世の中がしっかり監視できるよう、透明性は確保されなければなりません。

     税金はその使い方がとても非効率な現状では、この寄付文化はまだまだ奨励されていいでしょう。

     最近、外食店に予約をすると、寄付をしてくれるアプリを知りました。

     飲食店予約で途上国に給食支援 立教大生のアプリ広がる:朝日新聞デジタル 
     
    スマホで日本の飲食店を予約すると、途上国の貧しい子どもたちに給食が支援される――。そんなスマホ向けアプリ「テーブルクロス」が若者を中心にじわりと広がりつつある。
     こういう気軽できる少額の寄付もこれからどんどん盛んになることでしょう。これも是非一定以上寄付したら寄付金受領証明書を発行するようなサービスを入れるといいと思います(もう入っているかもしれませんが)。そしたら確定申告である程度戻ってくるわけですから、ますますやる気になりますよね。

     こんな寄付もあります。

     ひとり親家庭支える塾、塾長も同じ悩み体験 大阪で5年
    「渡(わたり)塾」。通常、週1コマ(70分)の個別指導で月1万2千円の塾代が、ひとり親の子どもは半額の6千円。さらに経済的に厳しい場合、主に個人からの寄付金をもとに作った奨学金制度によって、半年から1年間、無料になる子もいる。
     この奨学金は寄付金によってまかなわれますが、これだけ直結していれば、 
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