最近、人文系学部を整理せよみたいな話題で持ちきりですが、うまくアピールすれば、これから入ろうとする学生にとっては魅力的な学科になるのではないでしょうか。
来年、再来年の話としての話ではありません。これから中長期の展望を見ながらです。
まず、この瞬間は若者の就職率に毎年やきもきしていますが、基本的に少子化傾向ですから、就職率は悪くならないでしょう。
そんな中、いったい大学が何を学生に提供するかという問題が出てきます。今は大学に対して、高等専門学校などが低く見られがちですが、技術を身につけるというなら、中途半端な大学に行くよりも実践的でしょう。それでも大学が提供できる価値はなにか。
それはより普遍的な価値ではないでしょうか。日本は高度成長期を終え、低成長期となっていますし、ここミラフツでは0GDP成長でも経済は回るのではないかということを繰り返し考えています。
つまり、社会は持続的な経済活動への移行を目指しています。そのためには、今を見ることも大切ですが、江戸時代など過去に学ぶことも大切でしょう([S] 勤勉でなくても回ってた江戸時代 )。なにしろ昔はもっとゆっくり時間が流れていましたから、より持続的な経済活動に近かったことでしょう。
私は工学系を卒業しましたが、新しい技術を見つけ出していく分野であり、持続的な社会を作るという意味では、基盤が極めて脆弱であることを痛感させられました。「持続的な社会を作るために新しい技術を生み出す」というのは、ある意味自己矛盾しています。学生の頃から、工学系ではない人と話していて、その矛盾を指摘されることはしばしばあり、うまく反論できずにとても悔しい思いをしていました。
今悔しいかというと、ある意味諦めています。というか、そういうところは、工学ができなくても、今はコラボの時代。他の分野の人がカバーしてくれればいいわけです。実際、こなれた技術を活用して、持続的な事業を立ち上げている人は今たくさんいます。技術というと常に諸刃の剣的な不安を抱えつつ開発するというジレンマを持ってしまいますが、いまや、様々な技術を誰でも活用できる時代です。社会はほとんどが善意の人ですから、より多くの人が技術を活用するほど、その技術が善意に使われる可能性が高くなります。
昔よりはるかに「安心して」技術を開発できる時代になったのです!!
さらに、人間のより普遍的な考え方、持続的な社会を作るための基盤となるための考え方は、人文系の人が担えば鬼に金棒です。