イスラム国「過激主義との戦い」が複雑になった理由が悲しすぎる。 - NAVER まとめ 


 普段私たちが見聞きする欧米視点ではなく、中東視点でまとめられています。普段断片的に見聞きしていたことが網羅的にまとめられています。全部鵜呑みにするかはともかくとして、大変参考になります。

 これを読んで改めて思い知らされるのは、この長い泥沼にいかに石油が深く関わっているかということです。

 私たちの生活を支える石油。一方で、その石油の奪い合いが私たちの世界から平和を阻害しています。

 そんな状況は私たちが生まれる前から続いていますから、世の中なんてそんなものかと考えてしまいがちですが、世界は変化し続け、ついにその悪しきジレンマから逃れられるかもしれない兆しが見えてきました。

 兆し1: 低迷する石油価格

 先日も原油価格が一時的に40ドルを切りました。昨年100ドルあたりから急落してから、今年は結局上がるようで上がりませんでした。もちろん相場は上がったり下がったりですから、このままということはないでしょうが、上がりにくい要因が次々に現れています。

 兆し2: 省エネによる経済成長

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 で紹介したエネルギー白書2015のグラフを見るとわかるのですが、日本のエネルギー消費量は減り始めています。それでもGDPは増えています(ここ二期下がってしまいましたが)。昔はエネルギー消費が増えるほどGDPも増えましたが、今は、むしろ省エネ技術を発達させることで、原価を下げて儲けるという流れになっています。

 それは例えばドイツもそのようです。

 つまり、昔は石油の価格が上がっても景気が良くなれば買わざるをえませんでしたが、今は省エネ技術がどんどん発達し、上がれば上がっただけ、省エネ技術の導入がますます進みます。それが成長につながるとわかっただけになおさらです。

 兆し3: 代替エネルギーの発達

 さらに、その必要なエネルギーについては代替エネルギーがどんどん発達しています。

 都会はともかく、世界各地、ローカルにのんびりやっている地域にとって、石油価格の乱高下などはた迷惑この上ありません。いくらたまに安いからといって、地元で太陽エネルギーや間伐材使ったバイオエタノールが安定して手に入るなら、石油の最安値より多少高くても、よっぽど頼り甲斐があります。そういうところはもともと、石油製品の輸送コストもかかりますからなおさらです。

 石油への依存を減らそうとしている地域は、世界中にいくらでもあるでしょう。石油の値段が不安定である限り、代替エネルギーへのシフトのモチベーションは高まります。

 兆し4: 石油に頼る国々

 石油の販売に頼っている国がロシア、サウジアラビアはじめたくさんあります。本来生産量を調整して価格を調整したいところでしたが、その仕組みはすっかり崩れてしまいました。どの国も自分たちの石油を少しでも売ってお金を手にしようと価格競争が始まっています。

 昔はそれを上回る需要の成長があったのですが、もう先進国は消費が伸びなくなりつつあり、もはや中国の景気で決まるような勢いです。

 これらの要素が重なっているため、簡単には石油の価格は上がらないでしょうし、たとえ上がったとしても、そのときは、石油がエネルギーの中心でなくなっている国が出来始めていることでしょう。

 そうなるとどうなるでしょうか。

 石油を取り合う時代が終わるのです。