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今回は5年前のMMD金字塔、この動画を紹介してみようと思います。
【MMD】俺の春香がこんなにマイケルなわけがない【スリラー】
前回、
ひさびさにMMD見たら、フィギュアが踊ってた件
では、現実のフィギュアそっくりな質感のMMDが出てきたことに大変興奮しました。
今後のMMDの可能性にわくわくするあまり、5年前ではありますが、『春香スリラー』が当時どういう点であの傑作の本家を超えたか紹介してみようと思います。
本家スリラーは1983年で、それから人間も(その後のマイケルジャクソンも)めっちゃ進化してますが、MMDはどういうところが伸ばしやすいかというのにいい比較だと思います。(註:なお、スリラーは思春期にさんざん見て何度もちびりそうになったくらい感動してます。念のため)
比較動画はこちら。
春香がこんなにマイケル【比較してみた】
モーション比較するなら、音切るとよりやりやすいです。
原作がやりたかったことをやっている
『春香スリラー』は全編を通して、原作をトレースするのでなく、原作がやりたかったことを汲み取って表現しています。まずは何と言ってもバックの『腐った死体』たち。こんな頭でっかちでこれだけ踊れるのがいたら、マイケルは間違いなく使ったのではないでしょうか。マイケルも赤い衣装で目立ってますけど、スタイル抜群で美少女の春香の映えようには、マイケルも嫉妬ではないでしょうか。しかも、春香MMDもただの美少女でなくて、表情が異彩な、はまり役です。この後に派生動画がありますけど、遥かには全く歯が立ちません。
ひらひらと舞う髪・リボン・スカートも、原作にはない魅力です。マイケルも歯軋りしているのではないでしょうか。
そしてなんといってもダンス。人間は質量がありますから、すばやく動いてピタッと止まるにも限界がありますし、未来の動作のために、どうしても手前の動作が影響を受けてしまいます。
この制限をMMDは軽々と超えていきます。特にバックの『春香スリラー』たちは、あのがたいで原作のバックダンサーたちよりはるかにすばやく動きます。
春香にしても、両手を振り回すところとか、左右に振るとことか、マイケルの動きの幅を軽々と超えていき、しかも、ぴたっと止まります。直後の動作が全く準備なく始まります。
しかも、これはMMDのもっとも得意とするところですが、全員の動く止まるのタイミングがばっちり合います。人間の場合、それぞれ体格が違うので、合わせるのは至難の技なのですが、MMDにとっては楽なことです。
(なお、これをリアルにやったのが一人二役で合成したAKB48岩田華怜さんの
【ぼっちで】金曜日のおはよう 踊ってみた【一人二役】 。
同じ体格の人だから合わせやすいといえば合わせやすいですが、正確にダンスする技術がなければ到底無理。これはすごいです。)
ちなみに、ただ全員同じモーションにすればいいというわけではなくて、春香と『腐った死体』は同じように動いているように見えて、タイミングは合わせつつ、春香がより生き生きと踊っています。
でも人間味もある
だからといって、超人的な動きをしてればいいというものではありません。『春香スリラー』の最大の名シーン、にっこり笑って手を振るシーン、肘から先を振るだけでなく、その反動で体も振っていて、それは原作を倣っています。人間も無理に腕だけ振る振り付けもあるでしょうが、ここでは体も振ることで躍動感が出ます。
あるいはサビでは、『腐った死体』がぴたっと止まっている中、春香が歌い上げながら体が自然に動いて、リアルさを増しています。
この動画は、人間にはできない動作をしつつ、人間らしい動作も入れるバランスがずば抜けていると思います。
笑いながら楽々と踊る春香
そして、この動画見た人は誰もが感動する、春香の楽しそうな笑顔。原作はマイケルですら、気合入れて踊ってるぜ!感満載ですが(それがいいのですが)、春香は時折笑顔を入れながら、『腐った死体』も表情変えることなく(苦笑)、淡々と踊り切ります。超人です。
特に、にっこり笑ってこっちに手を振ってくれる場面。原作はそんなシーンではないですが、『春香スリラー』では、「ノシ」のコメがいっぱい付く楽しさ。見る人の心をつかみます。
MMD の欠点を上手に補っている
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