この記事のある1文にしびれました。
社員もパートも幸せな「持たざる経営」の秘密 世界トップを走る中小企業には総務部がない | ワークスタイル - 東洋経済オンライン
スマホや自動車、家電などの製造に欠かせない「精密位置決めセンサー」のメーカーである「メトロール」社を紹介する記事です。
実はメトロールには総務部、人事部といった管理部門がない。組織図にあるのは開発、製造、営業といった付加価値を生む直接部門のみ。そのため、全社的な業務はすべての社員でシェアしてこなすという暗黙の了解がある。マーケティング担当者が人材採用もこなし、営業担当者が会社説明会を運営する。聞こえはいいけど、そんなのめんどくさいなあ、自分たちのことに集中したいからそういうのちゃんと専門部隊作ってよと思います。ベンチャーなんかにいると特に。
でもITの発達でそういう管理部門の業務ってどんどんコンピュータでできるようになっています。だから、経営側としてはそういう取り入れて経費をなるべく減らして、その代わり直接部門の人の手間は少し増えて迷惑がられて、という綱引きのような現状があります。
しかし、そんなことはなんと些細なことだったか。次の一文にしびれました。
「直接部門の人を幸せにしたい。そのために間接部門が権限を持つ組織であってはいけない」間接部門をなくすのは、経費の削減とかそんなちっさな話ではなく、直接部門の人を幸せにするためという大事な大事な目標のためなのです。
それはこんな風にも書かれています。
「管理部門が肥大化するとカネを生まない余計な仕事やルール・規則が増え、人間が創造性を発揮できなくなる」ITが発展してきた今、管理部門の業務はどんどん楽になり、したがって管理部門を持つことのこのような弊害の方が問題視される時代になってきたということです。
このような理念があれば、管理部門をもたないための工夫もやりがいがあります。「マーケティング担当者が人材採用もこなし、営業担当者が会社説明会を運営する」んだそうです。
そんなの考え方によっては面倒なことかもしれませんが、会社も社員も、管理部門を持たない理念を共有していれば特に問題はないでしょう。私は一人会社やってて、そりゃ総務的な作業は面倒ですけど、もちろん自分でやるしかないから自分に文句言うわけでもありません(苦笑
このようなアプローチが、知られるにつれ、企業は特に中小企業から我先にと管理部門を廃止するようになるでしょう。管理部門を作りそこに人を配置すれば、管理部門と直接部門の間でどっちが偉いかを張り合ってしまいます。これからはヒトの時代であり、ヒトをどう置くかというのは、極めて重要な問題として扱われることでしょう。
「メトロール」社では、管理部門の問題だけでなく、ヒトをどう配置するかに最新の配慮をしているように見えます。