岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/04/28
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2015/05/03配信「ホリエモンを大いに語る」の内容をご紹介します。
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2015/05/03の内容一覧
- ホリエモンの自伝『我が闘争』を語る
- プラトンとソクラテスから考える「自伝の読み方」
- ソクラテス的な人間とプラトン的な人間の違い
- 自由を奪われたホリエモンの家族旅行
- 大学で麻雀、競馬、そしてパン工場のバイト、プログラミング
- 岡田斗司夫の万博ショックと「目標のみがあるホリエモン」
- 岡田斗司夫の「自由よりも無責任な責任感」
- 死から逃げるため、目の前にだけ集中するホリエモン
- 3種類のコーラ飲み比べ
- 質疑/まじかる☆タルるートくん/ホリエモンと家入さん/ホリエモンはかわいそう?/ホリエモンの文章/ホリエモンのキャラ
- 質疑/ホリエモンの祝辞/押井守批判/忙しかった時期/仕事できる人の見分け方/
- 質疑/文章が書けるようになる方法/松本人志の持論/
- 次回告知
岡田斗司夫の万博ショックと「目標のみがあるホリエモン」
『我が闘争』の後半がようやっと、皆が知ってるホリエモンの話になって行くんだけども。
前半ね、読んで思ったのが、ホリエモンが考えてるのは「ここはイヤだ!」とか「どこかに行きたい!」っていう話なんだよね。だから、言い出したら引き下がらないお母さんとか、あと父親と喧嘩ばっかりしてるとかさ。そういうようなことで、どこか今と違う場所に行ったら、自分の幸せがあるんじゃないか? と。
あと、大人の世界みたいなもののルールっていうのが凄い邪魔っけで、「もっと自由に出来たら!」っていうふうに思ってるんだよね。
読んでいて共感できるんだけども、やっぱり僕とは違うんだよ。
僕はあの、何でしょうね。
「ここは違うなぁ」って感覚はしてたな。僕、子供の頃は。
「皆と僕は、あんまり関係ないなぁ」っていうふうに思ってたんだよ。
何でかっていうと、ホリエモンっていうのは、健康な少年で、家が貧乏で、田舎に住んでて、自由度が低いわけだ。
僕は大阪市っていう、比較的都会に住んでいるんだけども、心臓弁膜症っていうさ、心臓の先天的な欠陥が僕はあったんだよね。
心臓弁膜症っていうのは、心臓の中の右心房と左心房。ま、心房と心室の間の弁が壊れちゃってるんだよね。未発達なんだよ。
なので、動脈の血液と静脈の血液が混ざっちゃうんだよな。
だから、激しい運動が出来ない。
激しい運動すると、もう普通の人だったら、ちょっとぐらい階段上がったぐらいでは心臓、ドキドキドキドキドキ! ってならないでしょ? 僕はね、すぐにドキドキになるんだよ。
これが先天的な欠陥だし、心臓の中心核にあるから、手術なんか出来ないんだよ。
心臓弁膜症自体の手術例っていうのがほとんどなかったと思うんだよね。
で、山田玲司先生いわく「王子様のような人格」になってしまったと。
いわゆるその、子供の頃から心臓に欠陥があるから、泣いちゃったりすると、バーッと心拍数が上がっちゃって、死んじゃうんだよね。
特に0歳から1歳の誕生日までは「泣いたら死ぬ」っていうふうに医者に言われたんで、母親がとにかく泣かさないように、泣かさないように、泣かさないようにって育ててくれたんだ。
おかげで僕は世の中のことに関して、まぁ「全能感」っていうんだけどさ、「自分の思い通りになって当たり前」って思ってるんだ。
それはもちろん僕だって、理性があるし馬鹿というわけではないので、自分の思い通りになるとは思ってないよ?
でも、ホリエモンみたいに「ここはイヤだ! どこかになれば自由があるに違いない!」じゃなくて、どちらかっていうと、自分がいるのは当たり前で、皆と自分とは、あんまり関係ないって。ま、神様的な視点にこう、ついつい、なっちゃうんだよね。
何かというと「やれば出来る!」と思うから、やらなかった子供だったんだよ(笑)。
ま、何せ心臓がスグに限界に達しちゃうからさ(笑)、運動は全然ないし。
あと勉強とかも、大学で何か、違う。
小学校で一番の優等生ではないんだよ。
ホリエモンはそうなんだ。ホリエモンはもう勉強なんかしなくても、いつも100点100点100点100点なんだ。
僕は100点っていうのがほとんどなくて、いつも微妙な点数。85点から95点の間ぐらいなんだよ。
それを勉強せずに取ってるから、「俺も頑張れば100点取れるよなぁ」とか「ちょっと勉強すりゃ100点取れんだけど、面倒くせぇな」ってふうに思ってたんで。
えんえん100点ってのを、僕、たしか生涯取ったことがないぐらいなんだよね(笑)。
なので小学校の僕の通知表っていうのはもう、1年生から6年生まで、ずーっと。1年生の時からだよ。「協調性がない」って、書かれっぱなしなんだよ(笑)。
あとで聞いたら、そんなの書かれてるの、同じ学年で一人も居ないんだよ(笑)。
「協調性に乏しい」とかさ、「もっと協調性を」とか書かれる子はいるんだけど。
「協調性がない」とまで書くのは、もう昭和30年代から40年代の小学校では、ほぼ、あまりないないよな?(笑)
そういうふうな子供だったのでですね。
何かその、ホリエモンと。
たぶん、「協調性がない」って書かれたらしいんだ。ホリエモンも書かれた。
そこは同じなんだけど、協調性がないところは同じなんだけども。
「ない」理由が、ホリエモンの優秀過ぎてまわりと会話が出来ない。つまんなく見えてしまう。
で、もっと優秀なやつがいるところに行けば、もっと自由がある所に行けば、もっと大人の制限を受けなければ、自分は色んなことが出来るのになぁっていうのが、ホリエモンの「協調性がない」なんだ。
僕の「協調性がない」のは、「協調する理由ないじゃん? だって俺様、皆と違うんだもん」っていう。「まぁ90点ぐらいだけど、やれば100点取れるよ?」という(笑)。
何かもう、自分のこと話しててイヤになるんだけど、「30年早かった、ゆとり世代」と自分で呼んでるんだけどね(笑)。
どっちもまぁまぁロクなもんじゃないんだけど。
ホリエモンでいうところの、サンシャイン60行って、でそのあと親が日光に行っちゃったことのショックみたいなものが、やっぱ僕も小学校6年時にあってさ。
小学校6年の時に大阪万博っていうのがあったんだよね。
大阪万博って、今では「凄かった!」「カッコ良かった!」とか、色んなことを言われてるんだけども。
あの当時の小学校6年の岡田斗司夫君に関して言えば、もう超ガッカリなんだよ。
本当に!
だってさ、パビリオンといわれる、建物はカッコいいんだよ。
でも、その建物に入っちゃったら、ただ単にコンクリートのハリボテなんだよ。ハリボテの前に物凄い行列があって。
「動く歩道」っていうっても、歩いたほうが早い。そりゃ「動く歩道」っていうはずだよ。
「歩く歩道」でも「走る歩道」でもないんだよ。動くだけだよ(笑)。
今、皆が考えてる、空港であの、人間を運んでるベルトコンベアあるんだろ? あれの4分の1ぐらいの速さで、ゆっくりこう移動するようなものだから(笑)。
そんなものしかないし、色んなもう、万博会場に、あれ4月から9月だから、基本、夏なんだよ。暑いんだよね。
色んな所にいる人が、とにかくクーラーのある所、クーラーのある所っていうように、こう行って、「スカンジナビア館はクーラーがある」っていうウワサで移動したりする(笑)。
物凄い田舎臭い場所で(笑)。
たまに水道とか出っ放しの所に行ったら、子供は真っ裸になって、水浴びしてるっていうね(笑)。
もうねぇ、今の中国人の観光客のことの悪口が一切言えないような、トンでもない環境で大阪万博があって(笑)「『人類の進歩と調和』って言っても、これは未来なんか来ないな」っていうふうに思ったんだ。
それまでずーっとSFとか読んで、サンダーバードも好きで、ウルトラマンとかも、ああいうのが大好きだった「未来」っていうのを信じ切ってた僕? 結局、子供の頃から「いや俺、皆と違うから」とか「あ、俺大丈夫だよ」とか思ったのは、「そのうち凄い未来が来たら、俺の心臓病なんか一発で治るし、いや全然運動なんか出来ないけども、いや未来の仕事はボタンを押すだけだよ」とか、すべてエアコンが効いてて都市はドームがあってっていうふうに思い込んでたわけね。
で、そういうのが「これはねぇな」っていうふうに、大阪万博ではっきりわかっちゃって(笑)。
これは未来になっても、ガワだけ綺麗なビル、ガラス張りのビルとかが50階建て60階建てとかがドーンと建つかもわかんないけど、そこまで絶対に満員電車で揺られて、皆、ゾロゾロゾロゾロ行って、やりたくもない仕事、ボタン押すだけの仕事っていうのは、とてつもなくつまらないボタン押すだけの仕事やってる違いないっていうのが、小学校6年ぐらいの時にバシッって頭の中に入って来てさ(笑)。
「ウワーッ!」って、思っちゃったんだよ(笑)。
そこから、僕の屈折がこう、人生の屈折が始まったんだけども(笑)。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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