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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『未来のミライ』は、高級な『クレヨンしんちゃん』」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『未来のミライ』は、高級な『クレヨンしんちゃん』」

2018-08-15 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/08/15

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/07/29配信「アニメ界 夏の重大ニュース!『進撃の巨人』『この世界の片隅に』『未来のミライ』『シン・エヴァ』……」の内容をご紹介します。
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    2018/07/29の内容一覧

    『未来のミライ』は「高級な『クレヨンしんちゃん』」

     「『未来のミライ』が賛否両論」という話題です。

     もう公開から1週間くらいたったので、ちょっとネタバレしてもいいかなと思って、今から話すんですけど。
     『未来のミライ』って「金持ちの家庭」が舞台なんですよ。
     「あれは細田監督の生活だ」と思っている人がわりといるんですけど、とんでもない! 細田監督の程度の収入では、あんな生活は無理なんですよ。
     ……細田監督、すみません(笑)。

    (オモチャを見せながら)
     例えば、これはネフ社が作っている「ネフスピール」という積み木です。
     こんなカラフルな積み木なんですよ。独特な形をしていて、どんな組み合わせ方をしても積めるという積み木なんです。このネフスピールが、主人公のくんちゃんの家にあるんですけど。
     これ、実は1箱で2万円もするんですよ。積み木なのに。
     僕、映画館で見ていてビックリしたんですけど、主人公のくんちゃんという4歳児の家に、この積木がトミカとかプラレールと一緒に平然と置いてあるんですよね。つまり「そういう家」だということがわかるんですよ。
     こんな生活、世帯収入1千万円でも、たぶん無理です。

    (別のオモチャを見せながら)
     ここにもう1つあるのが、同じくネフ社の「キュボロ」っていうオモチャです。
     これ、デパートとかで見たことがある人もいるかと思うんですけど、四角いブロックに溝が掘ってあって、その中を玉がコロコロ転がるというオモチャです。藤井聡太君という天才将棋指しがいますよね。彼が子供の頃に遊んでいたということで有名になったという知育玩具なんですけど。
     これなんか、色も着いていない、本当に白木の塊なんですよね。ただ、メチャクチャ精密に作ってあるんです。
     これが、1箱3万5千円もするんですよ。
     その上、パッケージを見たらわかる通り、これはあくまでも「ベーシックキット」なんですよね。基本が出来るだけなんです。僕、一応、これの拡張版を持ってるんですけども。楽しく遊ぼうと思ったら、このベーシックに、さらに拡張版を買って、他にも、色の着いている積み木なんかを買わないと、なかなか楽しめないんです。大体、楽しく遊ぶのには10万円くらい掛かるんですよ。
     くんちゃんの家のおもちゃ箱には、こういうオモチャが山のように入ってるんですよね。
     「ちょっと待てよ! これは世帯収入が2千万円を超えてないと無理だぞ!」って思ったんですけど(笑)。

    「父親が斗司夫じゃないの?」(コメント)

     僕は自分の子供には、こんな高いオモチャは買いません! ディスカバリー号と同じく「自分のため」にしか買いませんから!(笑)
     「じゃあ、それがダメなのか?」というと。
     日本のアニメって、これまで散々「貧乏な家」を舞台にしてたんですよ。宮崎さんのアニメにしても、高畑さんのアニメにしても、貧乏な家か、もしくは庶民の家が多くて、金持ちの家を舞台にするアニメって珍しいんですよ。
     だから、「これはこれで面白いな」って思ったんですよね。
     トミカとかプラレールの他に、こんなオモチャをふんだんに与えられた4歳児のくんちゃんというのは、実はかなり「賢い子供」なんですね。
     そういった特徴は、実は、映画の中でも出てくるんです。

     『未来のミライ』というのは、実はかなり戦略的に作られた作品です。
     内容の戦略性は前回、「これは『千と千尋』のリメイクなんじゃないか?」という話をしました。この内容の戦略についての掘り下げに関しては、ちょっと後半で話します。
     ここで語るのは「マーケティング戦略」です。この『未来のミライ』って、マーケティング戦略に沿って作られているんですね。

     実は『未来のミライ』って、『クレヨンしんちゃん』の上位作品なんですよ。
     『クレヨンしんちゃん』がコンビニだとすると、『未来のミライ』っていうのは「無印良品」なんですね。
     「子供が無邪気な感じで周りの大人を巻き込んでいるように見えて、実は周りの大人たちが癒やされたり、トラウマが解決していく」という構造は、『クレヨンしんちゃん』の劇場版とまったく同じなんです。
     それを上位変換して、いわゆるコンビニの商品から無印良品に高級化させたのが、『未来のミライ』なんですよ。
     これ、狙い目としては、メチャクチャいいんですよね。安くて、下品で、「子供はおバカなものです」という『クレヨンしんちゃん』に対して、『未来のミライ』というのは、高級で知的なんですよね。

     映像にも高級感が漂っているし、主人公のくんちゃんも、すごいワガママで嫌な子供に見えるんだけど、実は理屈はすごく通じてる。理屈がわかるからこそ、「やだやだ!」って言うわけですね。普通の4歳児だったら、あんなふうに大人に説得されても、何もわからないだけですから。
     4歳児のくんちゃんというのは、5歳のしんのすけを知的にした感じなんですよ。
     例えば、しんのすけは自立してて、親の言うことを聞かなくて、一人でどんどん行っちゃうんだけど。くんちゃんは、甘えん坊で、なんか外に行かない。ずっとお母さんの近くにいる。
     しんちゃんはおバカでエッチなんだけども、くんちゃんというのは、どちらかというと知的で恥ずかしがりである。
     こんなふうに、対照的な性格に作られているんですね。

    (中略)

     こんなふうに、構造自体は、すごくうまく出来ているんですよ。

     こういった構造だけで言えば、明らかに『未来のミライ』は成功作なんですけど。
     ところが、それがうまく作動しないんですよね。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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