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また間が空いてしまいましたが、残りは2回。ここからは将棋ファンにはたまらないシーンの連続で、将棋をよく知らない人も「なんかわからんけどすごい!」となることうけあいです。
第四局 いざ決戦の舞台へ
いよいよ団体戦の決勝大会。歩は来る日も女王様のスパルタ教育を受け、見違えるほどレベルアップします。とはいえ、相手は最強中学生の西本。勝てるかどうかはまったくわかりません。
女王様から与えられた唯一のアドバイスは、先に攻撃を仕掛けること。将棋というゲームはプロ間でも若干先手の勝率が高く、すなわち先に攻撃を仕掛けることは、多くの場合よい展開をもたらすのですね。
しかし西本と勝負する前に、準決勝を戦わなくてはなりません。ここで作者さんは非常にユニークな相手を用意してきました。
入玉の和也!(本名:笹月和也)
将棋界にはこの手のネーミングはよくあるんですよ。ググってみたら棋士の愛称・キャッチフレーズというページを見つけました。俺棒でも「奇襲の金子」なんてキャラを作りましたし。
入玉に関してはWikipediaを参照していただくとして、このVS笹月戦は読み応えありましたね。やはり棋譜も局面図もないのですが、何となくその情景がわかってきます。じわじわと進行してくる敵玉、それを押しとどめようと秘術を尽くす歩。双方が十全に描かれたと思います。
そして桂香の相手は中学生女子名人の篠塚清美。VS笹月戦に劣らない魅力ある対局描写に期待が高まりますが、作者さんは期待に応えてくれました。どんな内容か書いてしまうと、これから読む人の楽しみを削いでしまうと思うので、白文字にしました。ネタバレでも構わないという人は、反転してご覧ください。
打ち歩詰め回避の飛車不成(←ネタバレ)。
入玉作戦といいこれといい、単調に棋譜を文章化するのではなく、将棋ファンを楽しませる仕掛けを、逐一織り交ぜてくれる。それがこの作品の美点ですね。
次回、いよいよ決勝戦です。