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おすすめアイテムをシェアしていきます。

住みやすく、センスのいいショップが揃う駅として若者を中心に人気のある東急東横線・学芸大学駅。

駅前の商店街を抜け、15分ほど歩いた場所にある、築48年の中古マンションで暮らすのが、今回の主役である小林剛蔵さんです。

名前:小林剛蔵さん
職業:会社員
場所:東京都世田谷区
面積とLDK:49.5m²(1LDK+WIC)
購入金額:約3,200万円
リノベーション費用:約1,000万円
住宅の形態:マンション
築年数:48年

小林さんはご実家を出てひとり暮らしを始めようと賃貸物件を探していましたが、理想の部屋に巡り会えず、最終的に中古マンションを購入。

そこを、自分好みにリノベーションするという決断をされました。

賃貸から購入へのシフトをキッカケに、“好き”のかけらを思いっきり集めたこの部屋は、アメリカ西海岸を思わせるカラフルなポップさと、インダストリアルな無骨さ、シックな北欧テイストなどが共存した、オリジナリティあふれる空間でした。

お気に入りの場所

ソファを置くために広く設計したLDK

日当たりの良いLDKが小林さんのお気に入りの場所。部屋が10階以上の位置にあるので、見晴らしも最高です。

この場所の主役は、福岡の家具ブランドHIRASHIMAの「CARAMELLA Counter Sofa」。

こちらはなんと、ソファとダイニングテーブルの機能を併せ持ったユニークなカウンターソファです。

小林さんは、このソファのあるリビングで、過ごすことが多いといいます。

「ダイニングテーブルで食事をしたり、仕事をしたり。グダグダするときはソファに移動したりと、ここが生活の中心ですね。

風呂上がりに腹筋や腕立て伏せをするときは、ソファの前の床でトレーニングしたりもしますよ」

このカウンターソファの後ろには、こだわりのキッチンが。

「サブウェイタイルに憧れていたので、値は張るものの、せめてここだけでもと思いキッチンの壁に使いました。

キッチンはもっとブルックリン調にしたかったんですが、他の部屋とのバランスを考えて無骨と可愛いの中間くらいの感じを意識しています」

寝室と、寝室のデッドスペースの隙間

玄関から入った廊下の右手には、隠れ家のような寝室が。この寝室が小林さんのもうひとつのお気に入りのスペース。

「狭いところに閉じこもりたかったので、しっかりと壁で区切られた寝室を作りました。リビングはオンの空間、寝室はオフの空間です」

リビングと行き来する通路は空気が抜ける分、冬の寒さを防ぐための工夫としてロールカーテンを準備。

寝室には人が一人座れるデッドスペースがありました。

「この隙間に腰掛けて音楽を聴きながら本を読むと、なんだか落ち着くんです。

のちのち、ここも収納にしようかなぁと思ってはいますけど、今はこれがお気に入りなんですよね(笑)」

この奥のクローゼットからリビングを見た景色。

土間の脇に作った作業スペース

玄関の土間を「自転車の寝床」と呼ぶ小林さん。

その脇には合板があって、これを下ろすとベンチになる仕組みになっていました。

このベンチに座って靴を磨いたり、自転車をメンテナンスしたりする時間が至福なのだとか。

寝室のデッドスペースに続き、ここでも隙間がお好きな小林さんです。

この家に決めた理由

以前は学芸大学にあるご実家で暮らしていた小林さん。

ひとり暮らしを始めるにあたって、リノベーション済みの賃貸物件を何軒も見てまわったといいます。

「“帰りたくなる家”というテーマを自分で決めて、1年間くらいリノベーション済みの賃貸物件を見てまわりました。

『渋谷、赤坂、青山くらいまでは自転車で出かけられる圏内』、『自転車を置いて、靴磨きなどの作業もできるような広い土間がある』、『クローゼットがある』などを条件に色々見たのですが、自分の生活スタイルや好みと合致するところがなかなか無かったんです」

「そこからは中古のマンションを買って、リノベーションすることも検討し始めましたね。

将来のこと、資産価値、リノベーション費用などを計算した結果、『買った方がいい!』という結論に至って、数ヶ月後にこの家の購入を決めました」

その決断の決め手は何だったのでしょうか?

「まず、見晴らしの良さ。玄関を開けてすぐに窓から陽の光が入ってきたのが気持ちよかったんです。

もうひとつは、140世帯が入っている歴史あるマンションなので、コミュニティがあること。老若男女、世代が違う人と関わることができるのが楽しく、一人暮らしでも寂しくありません。

入居してすぐマンション全体の大規模修繕が始まり、理事会にも参加しているので、住民のみなさんと住みやすい環境作りについて話し合っています」

ジャンルに囚われない部屋づくり

西海岸を思わせる明るい玄関と、北欧調にまとめたシックな寝室。そして、ブルックリン調のキッチンに、国産のカウンターソファーが主役のリビング。

一言で言いあらわすことのできないこの住まいは、いかにして生まれたのでしょうか?

「リノベーションはリノベるさんにお願いしたんです。

玄関はロンハーマンみたいな明るい感じに、寝室は北欧調になど、僕の好きなテイストをデザイナーさんが形にしてくれました」

「カフェや雑貨が好きなので、行った先々でいいと思ったアイテムをチェックしたり、直接パーツを集めたり。

あとは、ピンタレストを見ながらイメージを固めたり、毎週どこかのショールームに行ったりですね。アメリカンなテイストを見に、横須賀や福生にもよく行ってました」

「好きなモノを集めたらカラフルでかわいい部屋になったので、家具などで可愛くなりすぎないようにバランスを取っています」

ジャンルには囚われないけれど、騒がしくなりすぎないようにバランスを考える。

そう言ってしまうことはカンタンですが、それを実現するための情報収集には、膨大な手間がかかっていることを忘れてはいけませんね。

残念なこと、気になるところ

洗濯機の上の棚に手が届かない

「洗面スペースの中に洗濯機を置いていて、その上に洗剤などを収納する棚を作ったのですが、奥行きがあるので奥のほうまで手が届かないんです」

「それと、洗面台の横にアメニティ類を収納するスペースを作ったのですが、その分洗面台が狭くなったので、2人並んで使えないのはちょっと困っています」

お気に入りのアイテム

HIRASHIMAのカウンターソファ

「この家に真っ先に入れたいと思ったのが、『HIRASHIMA』の『CARAMELLA Counter Sofa』です。

ソファとダイニングテーブルの一体型なので、日本の狭いリビングにもってこいだと思います。このソファはサイズがいくつかあって、最初は幅168cmのツーシーターを買おうと思っていたんです。

でも、幅189cmのこのソファを見たらこっちが欲しくなったので、設計の段階でこのサイズに合わせてリビングを広く取り、その分、クローゼットを狭くしました」

なんと、一目惚れしたソファのために間取りも変えるとは!

それにしてもこのカウンターソファ、本などが収納できる棚も付いていて、機能面もバッチリですね。

寝室天井の埋め込み型スピーカー

「寝室の天井にBluetoothスピーカーを入れました。音楽や野球中継、ラジオを流すことが多いです」

寝室天井のライト

「いやらしいとオシャレの狭間で。

入射角を計算したりとこだわってつけたのですが、残念なことにスイッチの位置が高く、ベッドに寝っ転がりながらライトを調節できないんです」

寝室のガラスに描いたイラスト

寝室のガラス窓には「GROW YOUR MUSCLE TREAT OF WORKOUT」のメッセージとともに描かれたイラストが。これは一体……?

「『WHW!』さんにお願いして描いてもらいました。個展をされていたときに作風を気に入って、お願いしたんです。

リビングは食っちゃ寝をしがちな空間なので、自分を甘やかさないようにするために『筋肉にも筋トレというご褒美を与えなさいよ』というメッセージにしました。

たるんだ生活をするなという自分への警告ですが、今後、別の気づきがあったらこのメッセージは変えるかもしれません」

暮らしのアイデア

ボックスでサイズを区切って、中は自由にしまう

好きなモノに囲まれて暮らしているのに、不思議と散らかって見えない小林さんの部屋。

その理由はボックスの活用方法にありました。

「リビングでもキッチンでもボックスの使っていますが、サイズだけ決めて、中は自由にしまっています。そうするとゴチャゴチャしたモノはすぐに片付くし、見栄えも悪くなりません」

家の中にロッカーを作って隠す

リビングの隅にある細長い扉。開けると中には、掃除用具やルーターが収納されています。

「トイレの背中側に奥行きがあったので、そこを掃除用具やルーターなどを隠す場所にしました。ルーターなどの配線を隠すためには、最善に近い手段だと思っています」

デッドスペースだと思いこんでしまった場所も、アイデアひとつでうまく活用できる。これもリノベーションの醍醐味と言えるのかもしれません。

これからの暮らし

「今は一人暮らしですが、今後結婚して子供ができたらクローゼットを潰して子供部屋にしてもいいかなぁと。でも、実際に住み始めてみると、この広さでは狭いかな。

この家に愛着があるので7〜8年は住みたいと思っていたんですけど、もうちょっと短期間になるかもしれません」

インテリアも、家具も、納得のいくモノを時間をかけてひとつひとつ揃えていった小林さん。

細かい部分にまでメッセージが詰め込まれたこの部屋には、暮らしを楽しむためのポジティブな空気感が満ちていました。

理想の部屋がどうしても見つからなかったら、物件を購入して自分好みにリノベーションする。

部屋探しに迷っているなら、その選択肢も頭に入れておいてもいいかもしれないな、と思うのでした。

Photographed by You Noguchi

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