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アパレル畑で培った感性を自転車に応用。小難しいカスタムのいろはも、コレで一発解決さ!|みんなの自転車
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アパレル畑で培った感性を自転車に応用。小難しいカスタムのいろはも、コレで一発解決さ!|みんなの自転車

2021-03-04 20:00
    「Pilgrim Surf+Supply(以下:ピルグリム)」では恒例行事のひとつとなった、BLUE LUGのポップアップイベント。

    第一回目の開催から間近で盛り上げてきたのが、ピルグリムのスタッフ西村さん。このイベントをきっかけに、これまで2台の自転車をカスタムメイドしてきた自他公認の自転車フリークなんです。

    彼いわく、自転車との出合いは、いまや暮らしにも仕事にも欠かせない“遊びと学び”をもたらしてくれたそうです。

    名前(職業):西村尚悟さん(Pilgrim Surf+Supply スタッフ)
    年齢:29歳
    愛車:SURLY 「CROSS CHECK」
    価格:25万円
    自転車歴:約10年


    上司からのひと言に、背中を押されて

    西村さんが初めてBLUE LUGを訪れたのは、第一回目のイベントの直後。

    その少し前にネットオークションでVIVALOのピストフレームを手に入れていて、それをベースに組んでもらったのだといいます。

    フレーム代は2万円くらい、それを10万円ほどかけてカスタムしました。

    そこから急速に自転車にのめり込むようになり、あっという間に、ピルグリムのなかでも“自転車キャラ”が板につくほどに。

    そうしてその自転車が西村さんの相棒になりましたが、翌年、再びBLUE LUGのイベントを開催するにあたって、現在の愛車にひょいと乗り換えたのだとか。

    その間、わずか1年ほど。どうしてそのタイミングだったの?

    ちょうどイベントを開催した直後から、世間でも自転車ブームが急加速したんです。それで、僕のまわりやお店のスタッフも、おのおの自転車をカスタムするようになっていました。まわりが最新のカスタムバイクを手にいれるなか、徐々に自分もまた自転車を組みたくなってきたんです(笑)。

    とくに、『太いタイヤ、かっこいいな!』と思っていました。ただ、VIVALOのフレームは細いタイヤにしか対応していなかったので、それなら新しく別のフレームで組むしかないなと。

    ふつふつと物欲が高まっていたところに、とどめのひと言を放ったのが、職場の上司でした。

    『次もイベントをやりたいなら、BLUE LUGで新しいのを組めよ』と、言われて(笑)。

    もちろん冗談なのですが、僕の背中を押すには十分でした(笑)。

    かくして、BLUE LUGで二代目の自転車をカスタムメイドすることになったというわけです。

    泥除けつきの自転車は、いわばクラシカルな“ジャケパンスタイル”

    そんな西村さんがフレームに選んだのは、SURLYの「CROSS CHECK」。VIVALOには入らなかった太めのタイヤにも対応しているのはもちろんのこと、SURLYの持ち味といえば、使いながら自分にあった一台に自由にカスタムしていける懐の深さにあり。

    とはいえ、VIVALOのようなシンプルな造形も好きなんです。

    シングルスピードも好みですし。その面影は、残すようにしました。

    最初はわりとシンプルめに仕上げたんです。

    でも、乗りはじめてみると、『荷物を適当に入れられるカゴがほしいな』とか、『雨の日は泥除けが必要だな』とか、徐々に必要な機能が明確になってきて。そして、いまの状態に。

    見た目もできるだけ面白くしたかったので、XLサイズのどデカいカゴを選びました。


    カゴや泥除けといった個性的なディテールは、ファッションでいうところの“ハズし”を意識したカスタムかと思いきや、そうではなく、どれも“必要だったから”。あくまで実用第一に組み上げたがゆえに生まれた最適解だということ。

    とはいえ、アパレル的な感性は、また別のところにしっかりと働いてもいるようです。


    泥除けをつけている自転車って、真面目なイメージがあります。

    クラシカルなジャケットとパンツの組み合わせ、みたいな。いっぽうで、サドルにつけた大きめのリフレクターは、ちょっと古めの企業モノのキャップのようなイメージ。ジャケパンスタイルなんだけど、キャップでハズしている、という感じですかね。

    たとえばBLUE LUGでカスタムするときも、そうやって洋服にたとえて教えてもらったりします。

    『これはリーバイスで言うと501みたいなもの』、『なるほど、じゃあ王道ですね』みたいに。そうすると、わからないこともスッと入ってくるんです。

    ついつい欲張ってしまい、しっちゃかめっちゃかになってしまったり、逆に、なにをつけたらいいかわからなくて、シンプルにまとまりすぎたりもする。自転車のカスタムって、一筋縄ではいきません。

    でも、洋服にたとえるだけで、あら不思議! ひとによっては、音楽でも料理でも、それぞれの得意分野に当てはめてみるといいかもしれませんね。

    自転車ライフは、遊びと学びが半々

    自転車のある暮らしの魅力について訊くと、「行きたいときに、行きたい場所へ行けること」ときっぱり言い放つ西村さん。

    行きつけの古着屋や飲食店に行くのはもちろんのこと、恋人とのデートにも、もっぱら自転車を活用しているとか。

    このあいだは、一緒に自転車を走らせて砧公園に行きました。

    ついでに、グーグルマップにピン留めしていた周辺のお店に寄ったりもして。

    別の日には、彼女が気になっていたという上町のカレー屋『サイゴン』に行きました。

    その帰りに『そういえば』と思い出して、BLUE LUG上馬店のスタッフがよく行っているというコーヒー屋に立ち寄ることに。

    電車や車では見逃してしまったり、行くのが億劫になったりしてしまう場所でも、事前の計画なしに、その場の思いつきでひょいと足を向けられるのは、小回りの利く自転車デートならでは。となれば、サイクリストたちの情報網ってすごそうだ!

    そうかもしれません。お店での接客のときにも、そうした引き出しが大いに役に立っています!

    また、毎日乗る自転車だから、なにかを我慢するのはご法度。自転車に乗る格好も、できるだけ普段着で。とはいえ、ピルグリムで扱っている洋服のほとんどは機能的なものなので、自然と自転車に適した格好になるのだとか。



    この日も、ゴアテックス採用のスニーカーに、ガゼットつきのパンツ、表地は天然素材でありながら防風防水シートを内蔵したショートコートなど、さりげなく機能をまとう。

    自転車に関する知識も、またしかり。サーフブランドだと思われがちなピルグリムですが、そのじつ、キャンプやサイクリングをはじめとしたアクティビティ全般を提案しています。それだけに、西村さんにとって自転車は、仕事の延長上にもあるのだとか。

    以前までは、趣味と言えるのは洋服くらいでした。でも、自転車という遊びを通して、多くを学んでいるところ。

    何かをお客さんに提案するには、やはり経験がものを言いますから。いまでは、もともとお客さんだった友人たちと伊豆大島まで行ってサイクリングすることもあるんですよ。

    恋人とのデートにも、お客さんとの会話にも、友人と過ごす時間にも、いまや西村さんの暮らしのうんと深くに根ざしている自転車。

    その深さのゆえんは、遊びと学びがちょうど半々くらい、相乗効果的に作用しあっているから。その健全なバランスのなすところが、どうやら大きそうです。

    Photographed by Masahiro Kosaka

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