場所:和歌山県和歌山市
広さ:3LDK / 120㎡
建築費:2,800万(土地代、外構費込み)
築年数:8年
住宅の形態:一戸建て(持ち家)
間取り図:
編集部作成
観葉植物が所狭しと並ぶ浜島さんのお宅ですが、家の建設当初は植物に関心はなく、目指していたのはむしろ物数少ないシンプルな住まい。
ところが1つの観葉植物をきっかけに、植物の成長に適した温暖な和歌山の気候も後押しして、今では室内外問わず緑溢れる空間へと変身しました。
緑溢れる庭やリビングについての話を中心に、浜島さんご家族が暮らすお部屋についてお話を伺ってきました。
お気に入りの場所
開放感と充実感のあるリビング住まいを建てる際のオーダーの1つだったのが、リビングに吹き抜けをつくること。開放感が生まれると同時に光がたっぷり入り、人にも植物にとっても居心地のいい空間になっていました。
「吹き抜けの開放感と植物がばっちり合っているのが、いつ見ても心地いいですね。自然光に加えてファンも付いているので風通しがよく、植物にとってはいい環境になったなと思います」(浜島さん)
「吹き抜けにはライトレールしかついていなかったので、自分で植物を吊るすためのフックをつけました」(浜島さん)
最初からスッキリとした空間を目指していたこともあり、植物をディスプレイするにも十分かつ自由なレイアウトがとれるスペースがあったようです。
BBQ場から植物の成長を見守る場所に変わった庭こだわりのお庭は当初、BBQを行うために十分な広さを用意した空間でしたが、今では主に植物へ水やりをする場へと様変わり。
「春から秋にかけては基本、お庭で植物の成長を楽しんでいます。当初、BBQなどの洗い物を楽にするために高めに設定した手洗い場が、水やり作業にも役立っていますね。座って水やりをされる方が多いと思うのですが、立ってやる方が絶対に楽なのでオススメです」(浜島さん)
森への入り口のような玄関アプローチSNSの投稿で印象的だったのが、民家とは思えないような緑溢れる玄関アプローチ。浜島さんのお気に入りの植物を中心に、大切に手入れされているスペースです。
「住まいの顔とも言えるため、植物の背の高さなども考慮しながらレイアウトしています」(浜島さん)
「自分のお気に入りでもあり質問をいただくことも多いアガベ・アテナータは、寒さに弱い植物ということもあり、温暖地域である和歌山だからこそ育てやすい植物です。それでも冬場の気温には耐えられないため、ポールを立て、ヒーターを入れてプチビニールハウスのようにして、大切に育てていますね」(浜島さん)
この部屋に決めた理由
地元で室内外ともにスッキリとした空間もともと、今の住まい近くの賃貸に住んでいたおふたり。住まいを建てるにあたっては、ご主人のご友人である建築士さんにお願いしたのだそう。
「土地は、妻の実家とも自分の仕事場からも近いということで選びました。建てるにあたっては吹き抜けと庭が必須で、妻の希望でパントリーもつくりました。あまり複雑ではなくスッキリとした空間がよくて、それ以外は友人に任せましたね」(浜島さん)
住み始めて8年。当初は全く関心のなかった植物が住まいに広がる様子には、建てられたご友人も驚かれているのだとか。
「物は極力置かないように、なんて話していたので、まさかこんな空間になるとはという感じで驚かれますね(笑)」(浜島さん)
残念なところ
住む中でもう少し欲しくなったリビングの広さお部屋時間の憩いの場であるリビングだからこそ、広さがもう少しあればとどうしても思ってしまうのだそう。
「最初はこんなに植物があることを想定していなかったからということもありますが、広さに関しては憧れがありますね。階段下は収納になっているのですが、玄関土間のように仕切りなく広い空間をつくったり、逆に玄関の幅をもう少し狭くして、その分1メートルでもリビングに充てられたらなぁなんて思っています」(浜島さん)
台風の度に心配になる植物と窓土地柄避けて通れないのが台風の被害。毎年、台風の季節が近づくと植物の避難と飛来物への対応が気になるところだといいます。
「庭の景色を見やすいようにシャッターを付けていないんですが、ここ数年の台風の威力を見ると何か飛んできて窓が割れたりしないかと毎回不安になりますね」(浜島さん)
「植物への影響も気になるところです。毎回ロープでくくりつけて対策はしているのですが、台風の前日が晴れの日はともかく、雨が続く日にはなかなかしんどいですね。前に風が強い日の夜にレモンユーカリの木が倒れないか不安になって、他の植物を巻き込まないように夜中2時からノコギリで伐採したこともありました」(浜島さん)
お気に入りのアイテム
イベントで一目惚れした植物棚リビングにある、たくさんの植物がディスプレイされている植物棚は既製品ではなく、もともとイベントで見かけたものを浜島さんが手を加えてつくり上げられたインテリア。
「植物を住まいに増やそうと考え始めていた頃、フリマイベントで什器として使われていた鉄のアイアンを偶然見かけて、出展者に相談して譲ってもらったんです。そこから木材をホームセンターで購入し、塗装して組み立てました。
この棚をいっぱいにするくらいの気持ちで始めましたが、今ではスペースが足りないくらい充実してますね(笑)」(浜島さん)
後ろからのフォルムに惚れたソファリビングで植物に囲まれるように置かれているのがCRASH GATEのソファ「オピアム」。特徴的なフォルムが購入の決め手だったそう。
「ダイニングからソファの裏側を見ることになるので、背面もおしゃれなソファを探してました。壁付にされる方が多いと思うのでなかなか好みのものが見つからなかったのですが、これを見たときは夫婦揃ってビビッときましたね」(浜島さん)
ソファは愛犬の大福ちゃん、小福ちゃんにとっても憩いのスペースになっていました。
住まいに合わせて購入したチェアダイニングのアーコールチェアは、住まいを建てた際に合わせて購入したもの。キッチンの色合いとも馴染んでいい感じ。
「大阪のアンティークショップで購入したものです。座り心地はもちろん、アンティークな色合いがとても気に入っています」(浜島さん)
アウトドアへの関心とともに手に入れたカーミットチェア昨年からキャンプを始めたという浜島さんが、キャンプ用品を集める中で気に入ったと話すのがカーミットチェア。チェアとしてはもちろん、室内でディスプレイするのも好きだというアイテムです。
「実用性はもちろん、雰囲気も住まいに合っていて好きですね。座り心地も最高なのでついつい庭でも使いたくなってしまいます」(浜島さん)
暮らしのアイデア
植物の溢れる空間で非日常な雰囲気を今では住まいのいたるところに溢れる緑も、最初はここまで集めるつもりはなく、雑貨感覚で観葉植物を置いたところから始まったと話す浜島さん。
「1つ置いてみたときに住まいの雰囲気がよくなった実感があって、そこから徐々に増えていきました」(浜島さん)
「今では植物を中心としてインテリアを楽しんでいますが、リビングをたくさんの植物で囲むことによって非日常な雰囲気を出しています。植物を飾るときはできる限り明るい窓際で、風通しのいい場所に置くのがオススメです。そうすることで虫もつきにくく、元気に育ってくれますよ」(浜島さん)
室内の植物はご自身で毎日水やりをし、愛着を持っている浜島さん。購入時には、住まいで元気に育ってくれるかどうかもしっかり確認されたのだそう。
「事前にネットやお店の方に話を聞いて、日光や寒さなどへの対策が必要かは必ず確認していますね」(浜島さん)
リビングに対して、キッチンのドライフラワーは奥さんが育てたものが中心なのだそう。
「主人の植物好きにつられるように、庭で育てた花をドライにして吊るしています。室内の植物はなかなかついていけないのですが、庭の植物は一緒にお店に行って自分でも好きなものを育てていますね」(奥さん)
これからの暮らし
庭を森に変えていきたい今年からお庭にパーゴラを立てたことで、より植物の世話が行いやすくなったそう。今後に向けてはさらに背の高い植物を増やし、外との視界を遮ることでより緑溢れる空間にすることが理想にありました。
「庭に植えている木が大きくなるのに合わせて庭づくりを考えることで、もっと緑に囲まれた家にしたいです。森の中にいるような生活が理想ですかね」(浜島さん)
小さな植物の1つ1つにも愛情を持って向き合う浜島さんは、意外にも夏ではなく、植物が育ちにくそうな冬の方が好きなのだとか。
「夏場の日光で生き生きと成長する姿はもちろん、それ以上にこまめな水やりが必要な冬場が好きなんです。朝1つ1つ水やりをしながら、植物の小さな成長を感じるとより愛着が湧きますね」(浜島さん)
わが子のように、1つ1つの植物を大切に育てる浜島さん。奥さんのドライフラワーとともに今後住まいに広がる景色がどんなものになるのか、まだまだ目が離せません。
Photographed by tsubottlee
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