Text and Photographed by はらいさん ギズモード・ジャパンより転載。

ノーマルApple Watchの完成度の高さを改めて実感。

シリーズ史上最もタフで高価なApple Watch Ultra。最大36時間の長時間バッテリーに加えて、スキューバダイビングのダイブコンピュータとしても使える最強モデルですが、正直僕には使いこなせませんでした。

筆者は現在、発売と同時に購入したApple WatchSeries 7を愛用していますが、スキューバダイビングのレビューも兼ねて約1ヶ月間Apple Watch Ultraを実際につけてみました。発表当初は長時間バッテリーや新しいデザインに惹かれましたが、使ってみて思ったのは、自分はノーマルApple Watchで十分なのと、今までのApple Watchが好き、ということでした。

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想像以上にデカくて気になる重さ

Apple Watch Ultraのゴツいデザインで、好みは分かれそう。

Apple WatchはSeries 2でデビューした筆者ですが、Ultraの49mmケースを腕につけてみて、想像以上にデカく、自分の腕の太さにマッチしない。そんな風に感じました。

普段使いのモデルが45mmケースなので少し大きい程度かと思いきや、4mmの差は意外とありました。

また、Ultraをつけていて一番気になったのが重さです。睡眠記録を取るためにつけて眠るときやデスクワークなど、1日の多くの時間を費やす場面で気になりました。これが心地よい重さなら良かったのですが、存在が気になる重さに感じたため、この部分はどうしても慣れませんでした。

普段使いのSeries 7 45mmケース(アルミ二ム素材)が38.8gに対し、Ultraは(チタニウム素材)で61.3gのため、余計に重く感じたのかもしれません。

バンドの選択肢がもうちょっとあると嬉しい

Apple Watch Ultra向けに設計されたバンドは全部で3種類あります。なかでもオーシャンバンドはスキューバダイビングのウェットスーツの上からでもつけられるように、エクステンションバンドまで用意されていますし、G字フックで留めるアルパインループは山登りで快適に使うことができました。

ただ、これらのバンドを本来の用途に使うユーザーばかりではないような気がします。もっといろいろなバンドを選べたらいいのにな、と。

幸いUltraは44mmと45mmケースのバンドが使えるため、ほとんどの場面ではスポーツバンドと組みわせて使っていましたが、いろいろと試してみた結果、個人的にはレザーリンクとの相性が良いように感じました。

一回り大きいDigital Crownは確かに便利

UltraのDigital Crown(デジタルクラウン)は、ノーマルApple Watchのモノと比べると一回り大きいのが特徴的。Appleが公式でも伝えているように手袋を着けた状態でも快適に操作できる点は非常に便利です。

水中でダイブコンピューターとして使う際には、主にDigital Crownを回してアプリを操作するのですが、周りがギザギザ仕様なおかげで、手袋を着けていても問題なく回すことができました。

また、冬のサイクリングで手袋をつけた状態でも、「ワークアウト」アプリの情報画面をスムーズに切り替えられるのも便利でしたね。

アクションボタンは使い道があんまりない

ただ、アクションボタンに関してはまだまだ使い道が少ない、というのが正直な感想です。ボタンを押すことで、ランニングをすぐに始めることができたり、ストップウォッチを起動できるのは便利ではあります。

ただ、現段階でできるアクションが数種類と少なく、それ以上のことを求めるとなると、ショートカットを使いこなす必要があります。アクションボタンに関しては、ソフトウェアアップデートによる改善に期待したいところです。

使うほどにふつうのApple Watchへの愛着が高まった

Apple Watch Ultraは100mの耐水性能があったり、最大180m先まで聞こえるサイレン音を出したり、-20℃から55℃まで耐えられる点は確かに魅力的です。ただ、自分にはこれらの機能をフルで使いこなせる自信がまったくないため、Ultraがハイスペック過ぎて勿体ないように感じました。

長時間バッテリーのおかげで毎日充電する手間が省けるのは楽ですし、49mmの大画面ディスプレイは見やすく快適です。だけど、通知を確認する、一般的な運動(ランニングやウォーキング)を記録する、心電図や血中酸素濃度を測定して健康管理をしたい、などの使い方なら、軽くて丸っこいデザインのノーマルApple Watchを自分は選びたいと思いました。

ゴツいデザインのUltraの本体ケースとフラットディスプレイは、個人的にあまり受け入れられず、エッジの隅まで広がるディスプレイを採用したApple Watchの方が個人的にはずっと好みで、Ultraを使えば使うほどSeries 7に対して愛着が増していきました。

個人的にもっとも残念に感じたのが、UltraのソフトウェアがノーマルApple Watchとほぼ変わらないということ。スマートウォッチの楽しみの1つである文字盤に関しては、Ultra専用フェイスが1種類だけなのは既存ユーザーからしても寂しく感じました。

唯一の専用フェイスであるウェイファインダーは山登りユーザー向けのもの。ランナーやダイバーなど他のアクティブユーザー向けの文字盤を見てみたいというのが正直な気持ちです。今後のアップデートで追加されるのは間違いないと思いますが、ここは是非とも期待したいところです。

ノーマルApple Watchもそのうち、長時間バッテリーを実現したりデザインが変更される日が訪れるとは思いますが、その日がやって来るまで自分は引き続きSeries 7を使っていきたいと思います。

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