レビューのため軽い気持ちで手を出した筆者はそこで文字通り地獄を見ることになりましたが、苦闘の末になんとか完成まで漕ぎつけ、「前編」ではその具体的な手順やコツをご紹介しました。
しかしこのパズル、その難解さゆえか、やればやるほどなぜか自己啓発的な領域に突入してしまいます。筆者はパズル中に自分と対話しすぎてあやうくチャクラが開きかけました。
「地獄パズル」は、他のパズルと比べてはるかに精神力が試されるパズルです。そのせいか、具体的なコツの他に”心構え”的なものが必要になる機会も多かったように感じました。
後編の今回はそのあたりをご紹介していきます。
■自分をごまかさない
→ 「地獄パズル」はピースが極小なせいか、間違ったピースでも強い力を加えればはまってしまう場合があります。ゆえに「このピース、はまるけど本当に合ってるのかな?」と悩む瞬間がたびたび訪れます。そんな時、「うん、合ってる合ってる」と自分をごまかして先に進むと、後になってピースのつじつまが合わなくなって混乱をきたし時間をロスするため、何倍も痛い思いをします。
■自分が探しているものを明確にしておく
→ 膨大なピースの中から目的のピースを探すのは大変な作業です。記号の切れ目や凹凸の位置など「自分はどんなピースを探しているのか?」というのを明確に頭の中に描いておくことが、捜索の近道になります。
■時にはカンの力を信じてみる
→ 前述しましたが、集中して「地獄パズル」に取り組んでいると”カン”が冴えてきます。もしかしたら自分でも意識できないレベルの微細な差異を見分ける鑑識眼が育っているのかもしれません。「地獄パズル」において絶体絶命のピンチ(はまりそうなピースがない!etc.)の際には自分のカンを信じてみるのも大いにアリです。
■とにかく”不屈”
→ 歴戦のパズル・マゾの皆さんでも、この「地獄パズル」の前には心折れそうになる瞬間が何度か訪れることと思います。しかしどんな物事でも成し遂げるただひとつの条件は”不屈”であること。山のように盛られた無地のピースを前にしても「屈せざる者」であってください。必ずや完成の時はやってきます。
こちらは「地獄パズル」との死闘をぎゅっと10秒に圧縮した動画。インターバルレコーダー「レコロ」で撮影しました(「レコロ」のレビュー記事はこちら)。
パズルは、やたらと時間がかかるし面倒だし完成しても何の得もありません。そんなパズルに没頭することは「効率的であれ」「有益であれ」という日常の抑圧に対するアンチテーゼです。「地獄パズル」に没頭している時間には、そんな息苦しさからの解放がたしかにあります。
パズル好きだけではなく、何かを達成する喜びや、1人で何かに集中する時間の贅沢を味わいたい方にもおすすめです。
[地獄パズル](吉川晶子)