• このエントリーをはてなブックマークに追加
【インタビュー】いえなかに、アートを上手に取り入れるには?vol.2
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【インタビュー】いえなかに、アートを上手に取り入れるには?vol.2

2012-10-01 10:30
    120919EC5255
    いえなかに「アート」を取り入れたいと思いつつ、敷居が高い気もする。飾るのであれば、おしゃれにしてみたい、でもどうやって? そんな思いをかなえるために、今、活躍しているギャラリストにインタビューするコーナー、第2弾です(第1弾はこちら)。

    第2回目は「gift_lab」の池田史子さんにお話を伺いました。

    gift_labは、主として空間デザイン(住居や商業空間などのインテリアデザインやアートプロジェクトの空間構成など)を手がける後藤寿和さんと、アートやデザインのプロジェクトや展覧会のキュレーション・企画制作を手がける池田史子さんによるクリエーティブユニット「gift_」の実験室としての役割を担うオフィス。

    お2人は、gift_labのある恵比寿のみならず、現代アートの集まる新潟・越後妻有でカフェ&ドミトリー「山の家」を運営するなど、フィールドを越えて活躍されています。そんな、いつも朗らかでパワフルな池田さんにお話を伺いました。


    ハタナカ:池田さんにとって「アート」とは何でしょう?

    池田:「視点の変換装置」でしょうか。もしくは「Question(問題提起)」。自身のなりわいとしては、アートというより、デザインや状況コーディネートの仕事をしていますが、その観点では、私たちにとってデザインとは「Solution(問題解決)」をいかにクリエーティブにできるか、だと考えています。そして同時に、アートにアンサーは必要ないと思っています。それはただ、そこに存在し、接する私たちに、何かしら答えの無い問いかけを発し、世界を感受する視点を変えるドアとなる存在。意味も無く(たとえ意味があっても)、圧倒的に、もしくは静かに人の意識を変え、何かを揺り動かす存在というイメージです。

    ハタナカ:ギャラリーショップの運営をはじめ、リノベーションやインテリアデザイン、展示会のプロデュースなど多岐にわたって活動されていますが、どんなときに企画のアイデアが出ますか? おうちで考え事をしていたりして、突如出てきて動くこともありますか?

    池田:いわゆるクリエーティブな「インスピレーションを得る瞬間」の定義付けは、すごく難しいですね。その時々、さまざまな場所で、その都度さまざまなトリガーが存在している気がします。ただ、現在解決しなくてはならないことの整理整頓、存在するデザイン的な課題の優先順位づけなどは、リビングや浴室でぼーっとしているときにすーっと答えが出て来たりはします。特に無心でシャワーを浴びているときなど。


    ハタナカ:ご自身のおうちでの生活はいかがですか?

    池田:現在、私たちには、「家」と呼ぶべき場所が複数に存在しています。これまでは、恵比寿の古いマンションを自分たちで改装し、かなり気に入って暮らしていましたが、不思議なご縁で、昨年くらいから、新潟の里山と海外の都市部とに、何人かの仲間たちと住居兼仕事場をシェアすることになり、それを機に、東京での住まいは実家に戻しました。いわゆる二世帯住宅です。

    ちょうど、ここ数ヶ月はその複数の「家」を立ち上げるため、拠点を行ったり来たりする移牧民生活を送っています。それぞれの拠点(=家)の居心地を良くする支度が済んだら、もう少し落ち着いて、それぞれの拠点をゆっくり味わえるようになるかと思います。

    こうして、複数の「家」を調えて行くなかで、私たちが共通の要素として選んでいるのは、どうやら「古い物件を自由にリノベーションできること(ピカピカの新築にはまったく食指が動かない…)」、「素材主義のラフな箱に、自分たちの好きな道具やパーツだけ配置すること」に尽きるようです。結果的には居心地の良いギャラリーのような空間になっている気がします。


    ハタナカ:roomieはコンセプトが「いえ」なのですが、家のなかで身近にアートを取り入れる場合、アートの選び方のポイントなどありますか?

    池田:私たちにとってアートとは、額に入れて恭しく飾っておく存在ではありません。日常生活のなかに溶け込み、私たちの分身のように存在してくれるものです。知り合いのドローイングアーティストに、間仕切りへ直接描いてもらったり、作品をそのまま本棚に置いたりするような…。身近に、親密に付き合える存在です。

    購入するものは、ポスターや書籍のスタイルをとった作品を購入することが多いかもしれません。結果的に高額でない場合が多いですね。また、私たちは、メディア・アートやサウンドアートといった空間表現ではカバーできない、時間表現のアート・ジャンルが好です。そうした作品を部屋に置くことは難しいため、作品のコンセプトブックや、音源を納めたCD、状況を記録したDVDを、アートとして所有するケースも多いです。





    また、そういった形のアートや音の作品を紹介すべく、私たちのデザイン事務所gift_labでは、常にオープン・オフィスの状態で、国内外のサウンドアーティストやメディアアーティストを招いたライブやレクチャーを行ったり、作品の展示販売を行ったりしています。ここ(東京・恵比寿)まで来られない方のために、オンラインショップでおすすめのCDやアートブックの紹介や販売もしています。ご興味があったら、リアルショップやオンラインショップを訪れていただけましたら嬉しいです。





    gift_labのオンラインショップや、訪れるたびに新たな発見が見つかる「gift_lab」。いえなかアート探しの際には、ぜひご覧ください。

    gift_lab

    (ハタナカ)

    RSSブログ情報:http://www.roomie.jp/2012/10/23688/
    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。