某週刊誌で「来年に起こりえるネット犯罪の形はなんですか?」と聞かれた。以前も似たような質問を受けて、年始号のコメントが掲載されたことがある。あのころは2003年か04年だったと思う。そして、そのころは「ネット心中」が流行したときだった。「ネット心中」というのは、自殺系サイトなどで、見ず知らずの相手に向けて、「一緒に死にませんか?」などと書き込んで、実行するものです。こうした時代背景にあって、私はこのとき、「ネットを介して自殺をビジネスする犯罪が起きる」と話しました。その年にはそうした犯罪が起きませんでしたが、その翌年にそうした犯罪が起きました。私の予測は一年ズレました。

 今年も同じ質問がなされました。そのため、「犯罪の実況中継が起きるかもしれない」と答えました。いたずらをしてTwitterに写真付きで載せる「バカッター」が社会問題化していますし、女子中学生が自殺中継をしました。こうした事情から考えれば、犯罪を犯した人が例えば、「殺人なう」とつぶやいたり、動画で実況しながら人を殺してしまう、なんてことがあり得るのではないか、と思ったのです。