スマホのバッテリーライフ問題、こういう切り口の解決策もあったか!
ユーザーがスマホに感じている不満で最も多く聞かれるのがバッテリーの持続時間の短さ。毎日欠かさず充電したり、外付けバッテリーなどを使ってなんとかしのいでいるのが現状ではないでしょうか。これまでにTABROIDでも様々な充電アイテムを紹介してきました。
しかし、そもそもスマホ自体の消費電力をもっと小さくすることができればバッテリーは今まで通りのものでもスマホが動作できる時間をもっと延長できるよね、ということで東芝が発表したのが新方式のメモリ技術である『STT-MRAM』です。
この新方式メモリはスマホの頭脳とも言えるCPUが処理に使うデータを一時的に置いておく場所であるキャッシュメモリに用いられる部品となります。現行のスマホはここにSRAMと呼ばれるメモリ部品を使っていますが、SRAMは記憶容量を増やすと消費電力が増えてしまうのが悩みどころでした。
そこで磁気の力を借りてメモリが待機状態のときには電力を使わないように工夫したMRAM方式が誕生したのですが、この方式も消費電力の面では従来のメモリを完全に凌駕するには至っていなかった次第。今回の東芝が開発したSTT-MRAMはそのあたりを改良した結果モバイルプロセッサの消費電力を3分の1に低減することに成功したとのこと。
上の図はかなり専門的な資料ですが、中央の赤いラインが今までのメモリ(SRAM)の消費電力、このラインより左下に位置する今回の東芝STT-MRAMが明らかに省電力であることが伺えます。
僕ら利用者側の立場から見るとついつい『もっとバッテリーを大容量に!』という方向ばかりに目が行ってしまいがちですが、こうした見えない部品のブラッシュアップが進んでいくことで結果的にバッテリーの持ちが良くなったり性能が向上していったりするのでしょうね。
そしてなにより、こういった新しい技術が日本から出てきているのがやっぱり嬉しいですよね〜。
がんばれ! 日本のエンジニアたち!!
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(ワタナベダイスケ)