ライバルだからこそ語れる、愛あふれる言葉の数々ですね。
パーソナルコンピュータ黎明期を代表する二人の巨人、ビル・ゲイツと故スティーブ・ジョブズ。米テレビ局CBSのインタビュー映像でゲイツ氏がジョブズの思い出を振り返るシーンがなんとも心に響く素晴らしさです。
約5分の動画を見終わる頃には胸がジーンと熱くなりますよ。
それではインタビューの要約を以下に画像付きでご紹介しましょう。インタビューはゲイツが最後にジョブズの邸宅を訪れたときの回想から始まります。
「(最後にジョブス宅を訪れた時)彼は僕に、建造中の船を見せてくれたんだ。彼はとても乗船を楽しみにしていたよ。僕達2人とも、おそらくそれが無理なことは知ってたけど」
おそらくこの話に出てくる船というのはフィリップ・スタルクとともに設計したとされる『ヴィーナス号』のことだと思われます。そう、残念ながらこの船の完成を待たずしてジョブズはこの世を去ってしまいました。
「彼と僕はある意味、一緒に成長してきたんだ。新しいモノをつくったり新しい物事を学んだり、そういった全ての夢物語を共になしえてきたんだ」
CBSの映像中では若き日のゲイツ、ジョブズ両氏のショットがいくつか使われているのも印象的。若い頃からそのルックスも製品もどこか対照的なところのある二人でした。
「私達だってたくさん、本当にたくさんのタブレットを産みだしてきたさ、アップルよりもずっと前にね。でもアップルはとてもうまい方法で、従来の要素を一つにまとめ上げたんだ」
そして番組中「ジョブズにあって、あなたには手に入れられなかったものは?」と聞かれたゲイツはこう答えています。
「彼のデザインセンス...全てを一つの美的センスでまとめ上げるセンスだね。(ジョブズは)エンジニアとしてのキャリアはそうないけど、彼はデザインこそが物事を良い方向へと導くことを証明したんだよ。そして、世界を飲みこむとんでもない製品の数々が誕生したんだ」
「彼はブランドというものをよく知っていた。特にマーケティングに関しては、素晴らしい直感を持っていたよ」
現在ではマイクロソフト経営の第一線からは離れているビル・ゲイツ氏ですが、スティーブ・ジョブズと並び切磋琢磨しつつコンピュータ時代を牽引してきた大人物だけに、その言葉からはかつてのライバルへの敬意、そしてある種の友情めいたものさえも感じられますね。
ああ、ちょっと涙腺が緩んじゃいましたよ。必見です!
ゲイツも登場するジョブズのパロディ映画:
Bill Gates 2.0 [CBS News]
Bill Gates Emotionally Recalls His Last Visit To Steve Jobs [Video] [Cult of Mac]
(ワタナベダイスケ)