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世界よ、これが日本のニュースアプリだ! 『スマートニュース』の速さのヒミツ【中の人いらっしゃい #6】
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世界よ、これが日本のニュースアプリだ! 『スマートニュース』の速さのヒミツ【中の人いらっしゃい #6】

2013-07-16 12:00
    スマートニュース TABROID
    写真中央が「スマートニュース」の生みの親・浜本階生(はまもとかいせい)さん。
    左より開発の町野明徳さん、中路紘平さん、大平哲也さん。TABROIDの金本&コンタケ。


    (~ある日の編集部~)


    TABROID 金本金本:いやー、『スマートニュース』快適だなー。こんなにサクサクいろんなニュースサイトの記事が読めるとは、まさに神アプリ。TABROIDだって、めっちゃ速えー。

    TABROID 長田オサダ:おや、金本くん。『スマニュー』かい。よいよね、表示早くて...って、なにやっとんじゃい!

    TABROID 金本金本:急にどうしたんすか? 『スマニュー』速くて最高じゃないですか。コンピュータの世界じゃ速いは正義ですよ? オサダさんはその正義を否定するんですか?

    TABROID 長田オサダ:そんなに肩を持つなら、インタビュー行って来なよ。ただし、ひとつだけ条件をつけさせてもらおう...。

     
    中の人 こんにちは」第6回は、ニュースアプリ『スマートニュース』を開発/運営するゴクロにおじゃますることに。

    同じゴクロのサービス「クロウズネスト」を愛用するコンタケと一緒に、ニュースサービスのあれこれを開発者の浜本さんに聞いてみました。

    それにしても、オサダ編集長の「条件」とは...?
     

     

    手軽で、わかりやすいニュースアプリを目指した

    スマートニュース TABROID

    ゴクロのCEOも務める浜本さん。「趣味はプログラム。休日もプログラムいじってます」

     
    金本:『スマートニュース』、本当に速いですね。ニュース見るときは最初にチェックしてます。作った「きっかけ」どんなだったんですか?

    浜本:ニュースアプリを作るきっかけは、「情報のかたより」への問題意識です。社会にネットが普及して、たくさんの情報を見ることができるようになりましたよね。でも僕は、多くの人に必要な情報がうまく届いていないのでは? と感じてました。それを解決したくって、最初「クロウズネスト」というサービスを作ったんです。


    クロウズネスト:Twitterのデータをもとに、その人におすすめのニュースを探してくるwebサービス。詳しくはコンタケ渾身のレビューをどうぞ。[レビュー前編レビュー後編


    コンタケ:毎日使ってますよ! ニュースは全部「クロウズ」で見てます。

    浜本:ありがとうございます。「クロウズ」は基本的にうまく機能したと思うんですけど、個人のTwitterをもとにニュースを選ぶ方法だと、Twitterのヘビーユーザーしか使いこなせないものにしかならなくて。日本のTwitterユーザーは1300万人くらいと言われていますが、総人口から見れば少数派じゃないですか。

    コンタケ:ヘビーユーザーに絞ると、もっと減りそうですね。

    浜本:はい。で、どうしたら普通の人にちょうどいい情報配信ができるかを考えた結果、個人のTwitterアカウントとは連携しない、ログインもいらない、手軽でわかりやすい。そんなニュースアプリが必要だと考えて「スマートニュース」を作りました。

    金本:SNSとの連携も必要ないって、思い切ったつくりですよね。

     

    スマートニュースはヒット記事を予測する

    スマートニュース TABROID

    インタビューの後ろでひたすら開発を続けるスタッフさんたち。
    浜本さん含め5名ほどで作業しているそうです。

     
    金本:『スマートニュース』って、Twitter全体の反響を見ておすすめするニュースを選んでいる、って聞いたことがあるんですけど...

    浜本:はい、そのとおりです。

    金本:でも、最近はTwitterの反響を待たずに記事をおすすめしていますよね? たまに、公開されたばかりのニュースが載っていて「あれ? Twitterのリアクション見てないの? 速い! 正義!」って驚くんですよね。

    浜本:それはですね、実際にTwitterを見てから記事を選ぶのではなく、反響を予測するモデル(計算式)を立てているんです。極端な場合だと、記事をキャッチして5分で「これは重要なニュースだ!」と載ることもあります。

    コンタケ:なんと。「ヒットする記事がわかる」ってことですか!

    浜本:まだ予測の精度はそこまで高いわけではないですけど(笑)。そうやって記事をチョイスして、「国際」「テクノロジー」などのタブ(カテゴリ)にわけるところまで、全部システムで自動処理しています。

     

    ゴクロの野望・真のパーソナライズ

    スマートニュース TABROID

    とにかく「クロウズネスト」のことが気になってしょうがないコンタケ。

     
    コンタケ:ひとつお聞きしたいんですが、『スマートニュース』がヒットしたので「クロウズネスト」は閉鎖する...とかってありますか?

    浜本:私自身「クロウズネスト」を使っているので、いまのところ閉鎖は考えてないです。『スマートニュース』に集中しなきゃいけないので、維持だけしている状態ですね。

    コンタケ:それを聞いて安心しました。

    金本:個人向けにカスタマイズされる「クロウズ」と、一般の話題を広くあつかう『スマートニュース』って、正反対のサービスに見えますね。

    浜本:それがですね。じつは最初の『スマートニュース』は、ひとりずつちがうニュースを届けるアプリとして作ったんですよ。でも途中でパーソナライズ(個人向けの最適化)は全部捨てました。そのかわり、同じシステムを使って「だれもが広く必要としている情報」を選ぶにはどうすればいいか、に切りかえたんです。

    コンタケ:あれ、どうしてですか?

    浜本:じつは理想のパーソナライズってすごく難しくて、納得いくものができるまで、あえて出さないことにしたんです。技術的に難しい、というよりも、ユーザーに本当に受け入れられるパーソナライズは、まだ存在しないんです。GoogleがRSS(Googleリーダー)を捨てたのも、そのあらわれだと思ってます。

    でも、僕はパーソナライズが大好きな人間です。頭の中ではいつも「どうやって『スマートニュース』でパーソナライズを実現するか」を考えていて、それを実現するために準備をしてます。どうしても実現したいテーマで、とても慎重に進めてるんです。

    コンタケ:でも、Twitterタブはパーソナライズ機能ですよね?

    浜本:あ、あれは例外で(笑)。Twitterタブはクロウズネストのなごりというか...。テストとして残しています。

     

    賛否両論?「スマートモード」の狙い

    スマートニュース スマートモード

     
    金本:さて。本日は(オサダ編集長に言われて)必ずお聞きしておきたい話があります。「スマートモード」についてです。

    浜本:はい。ご説明が必要だと思っていました。


    スマートモード:
    画像と文章だけでニュースを表示するモード。読み込みが早いかわりに、本来のニュースサイトの表示が省略・変更されることを問題視する意見もある。
    参考:
    ニュースアプリリーダー「SmartNews」をめぐる議論
    SmartNewsに関心をおもちいただいているみなさまへ


    金本:スマートモードでは、ネタ元のニュースサイトの表示を一部省略することで、速さを追求しています。速いのは大歓迎ですけど、サイト側から見ると「広告」や「ページビュー」といった利益を減らしていませんか?

    浜本:はい。そこはご指摘のとおりかもしれません。ただ、それ以上に「快適に読める」という体験があれば、多くの人が今まで以上にニュースを読んでくれる。そういう環境ができれば、読者にもメディアにもメリットがある...と考えています。

    アプリを作るにあたってユーザー調査をしたとき、ニュースをスマホで読む時の不満点として圧倒的だったのが「読み込みが遅いこと」だったんです。そこで、遅さを解決するために「ニュースをまとめて事前に読み込む」機能・スマートモードを入れました。

    最初に記事をまとめて読み込むときは、じつは普通のニュースよりも時間がかかっています。でも、そこだけ待てば、あとは快適にニュースを読める、という体験をイメージしています。

    金本:省略の方法としては、なにかモデルが?

    浜本:表示の省略については、「インスタペーパー」「Pocket」などの「あとで読む」系のサービスを参考にしています。

    ただ、この機能を問題視されている方がいらっしゃるのはわかっていますし、事前の説明が足りなかったことは申し訳なく思っています。これからは説明できるところを説明して、メディア/読者/ニュースアプリみんながハッピーになるような仕組みや環境を作るためにも、時間を使っていくつもりです。

     

    インタビューを終えて:

    『スマートニュース』は広く一般的なニュースの提供に特化している。
    私はさいしょ、そんな勝手なイメージでお話を聞き始めました。が、それは勘違いで、浜本さんが目指しているのが正反対の「パーソナライズ」であることに驚きました。いまから『スマートニュース』パーソナライズに対応する日が楽しみです。

    アメリカでは「Flipboard」などのビジュアル重視、「Digg」や「BuzzFeed」といったソーシャル重視のニュースサービスが支持されています。くらべて、日本では『スマートニュース』や『Gunosy』など、「パーソナライズ」を目指すアプリに人気が集まっているというのは、とても興味深いですね。




    (TABROID編集部)

     

    RSSブログ情報:http://www.tabroid.jp/news/2013/07/HelloDev6-smartnews.html
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